企業ASTI東証スタンダード:6899】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、創設以来「新しい時代の流れの中での新しい価値の創出」を基本理念として、新規分野への可能性を求めて開発に取組んでおります。

 業界における技術的進歩、発展にはめざましいものがあります。その中にあって、ユーザーニーズや技術動向を的確にとらえ素早く商品に反映させることが極めて重要であると認識しております。近年加速する電動化の流れに対応し、車載用パワーエレクトロニクス製品として、弊社ブランドによる車載用充電器やDCDCコンバータを上市しております。また、国内カーメーカー向けに自社で開発した電動二輪車用バッテリー充電器の量産も行っております。

 今後もこの分野での技術開発を継続し、これまで培ってきた電力変換技術を活かし、充電器やDCDCコンバータに加え、車載用モーターインバータ機器の開発に取組んでまいります。

 また、微細加工の技術を応用し、単回使用注射用針の製品等、医療分野における製品開発にも取組みをしております。

 なお、当社グループの研究開発は、基礎技術の研究及び自社の企画商品として開発する場合と、得意先から開発テーマをいただき、ODMとして開発する場合があります。

 当連結会計年度における各セグメント別の主な成果は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は271百万円であります。

(1)車載電装品

 車載電装品では、昨年よりインド工場で量産を開始した電動二輪車用バッテリー充電器の仕向け及び用途拡大へ向けた設計開発を進めております。

 また、電動化へ向けた流れが加速し競争が激化していく中、低電圧大電流DCDCコンバータの課題である放熱の技術開発を進め商品化へ向けた開発を進めております。また、デジタル制御電源を活用した小型化、多機能化へ向けた充電器の開発も進行中で、今期中の開発試作品の完成を目指して取組んでおります。

 インバータ開発では、小型モビリティ向け10kWインバータについて、電源電圧48Vに加え72V品の開発・設計、評価を進めて参りました。電動二輪車用バッテリー充電器を視野に入れた48V6kWインバータはさらなる小型化へ向けた開発・設計、評価を進めており、次期も引き続き注力し開発に取組んで参ります。加えて、マリン向け製品として、船外機用のインターフェイスユニットの次期モデルの設計を開始いたしました。マリン向け電動推進機用の無線通信ユニットの開発試作品を製作し、受注拡販活動に取組んでおります。

 国際規格対応としては、自動車のサイバーセキュリティISO21434に対応した製品開発プロセスの構築を完了いたしました。現在、車載ECUの開発が完了し2025年10月の量産に向けて準備を進めております。

 なお、当連結会計年度の研究開発費の金額は、176百万円であります。

(2)民生産業機器

 量産中の超音波ホッチキスや超音波カッターで培った技術を応用して超音波振動を用いた清掃用ツールを開発し、ASTIブランドで販売を行っております。超音波振動吸引ノズル(ウルトラソニック クリーナーノズル)の販売を皮切りに、バッテリーレスの廉価版、2024年4月には超音波振動スクレーパーの販売を開始いたしました。

 なお、当連結会計年度の研究開発費の金額は、28百万円であります。

(3)ワイヤーハーネス

 ワイヤーハーネスでは、電動自動車市場拡大に伴うリチウムイオン電池の今後益々の需要増大と価格低減に対応すべく、電池用バスバーの超音波接合技術(銅とアルミの異種金属接合)と全自動化の研究に取組んで参りました。製品試作と全自動装置の開発機を制作し、ハイボリュームトライアルを実施しております。接合性能や製造タクトなどのデータを取得及び課題抽出の結果、十分量産に耐えうる性能が得られ、且つ、コストパフォーマンスの優れたバスバーを開発いたしました。リチウムイオン電池の製造能力確保と価格低減に貢献できるよう引き続き量産に向け準備を進めてまいります。

 また、部品事業拡充のため、ワイヤーハーネス用新規部品を35案件起案し、量産に向け開発プロセスを進行中であります。

 ハーネス設計の分野では、新規車両の開発段階より顧客に入り込み製品開発を行っております。既存の工法ではなく、超音波溶接を用いた新しい工法の実現化への取組みを行っております。その一環として自社部品の提案や、新工法の提案を推進し、一部採用が決まっております。また、他社ハーネスのベンチマークを実施し、ゲストエンジニア活動でも技術提案を行っていくことで、新たなハーネス受注へつながっております。

 なお、当連結会計年度の研究開発費の金額は、45百万円であります。

(4)その他

 メディカルデバイス分野では、経済産業省の補助金を受けて、ワクチン注射などに適した薬液ムダが少ない注射針の開発を行い、2024年2月から欧州販売を開始いたしました。注射針認証品としては、最も細い直径0.16mmをラインナップに揃え、各国から高い評価を得ております。今後は、国内の薬事申請を行い、次期中の承認取得を目指しております。

 微細加工技術の分野では、大手メーカー数社と血液分析チップや細胞チップ、マイクロニードル等の製品化開発を加速しており、今後量産化に向けた製造環境・体制整備を進めてまいります。

 なお、当連結会計年度の研究開発費の金額は、21百万円であります。

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