AGS 【東証スタンダード:3648】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「お客様とともに未来を創造し、ITで夢のある社会づくりに貢献します」を企業理念としており、多様な情報化ニーズにお応えすべく、ソフトウエア開発と運用が一体となった柔軟でスピーディーなITソリューションを基盤とした総合情報サービス企業として、お客様に満足感のあるサービスを提供することを使命として経営に努めております。
(2)経営戦略
当社グループは、「IT事業を通じて社会課題の解決に取り組み、夢のある未来の創造に貢献する企業」を目指し、お客様から選ばれ続けるITパートナーであるために、弛まぬ努力と変革を続けることを「長期経営ビジョン」として掲げ、その実現のため経営目標である「持続的に成長可能な経営基盤の構築」の更なる前進を図るべく、2022年度を開始年度とする経営計画「Keep On Changing ~事業を通じて社会課題を解決し、変革し続ける~」を策定しております。
同計画においては、以下の5つの重点施策(成長戦略・経営基盤強化)に取り組んでおります。
<変革>DX・クラウドインテグレーションビジネスの推進
<挑戦>新サービス・新事業の創出
<深化>既存ビジネスの深化
<改革>構造改革による経営の効率化
<成長>人材育成及び人材成長戦略
(3)経営環境
① 企業構造
当社グループは、AGS株式会社を中心に、ソフトウエア開発やシステム機器販売などを行うAGSビジネスコンピューター、システムの管理・運用や人材派遣などを行うAGSプロサービス、ITコンサルティングやBCMコンサルティングなどを行うAGSシステムアドバイザリーの4社で構成され、当社の強みの一つである「コンサルティングから、システム構築、保守・運用までのワンストップでのサービス提供」が可能な企業構造としております。こうした企業構造を基盤として、グループ全体のシナジー効果を最大限発揮し、多様な情報化ニーズに迅速かつ柔軟に対応していくことにより、企業価値の一層の向上を図っております。
② 市場環境
当社グループが属します情報サービス産業におきましては、地方公共団体の基幹業務システム標準化推進や、老朽化が懸念される民間企業の基幹システム刷新、および官民を問わず、生成AIの活用をはじめとしたデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の更なる加速が期待されております。また、組織を標的としたサイバー攻撃による被害が増加し、自社の防衛策のみならず関係する外部組織も含めたセキュリティ対策の重要性が高まっており、今後も中長期的に市場規模の拡大が継続するものとみられます。一方、原材料価格や人件費の高騰等による原価の増加及び顧客のIT投資抑制などについて、十分に注視していく必要があります。
当社グループでは、このような事業環境の変化を積極的な成長の機会と捉え、デジタルトランスフォーメーション(DX)への取組みを強化し、更なる高品質・高付加価値のサービス提供に努めてまいります。
③ 顧客基盤
当社は、都市銀行のシステム関連の子会社であったことから、金融関連のお客様や、自治体・諸団体のお客様、銀行取引に関連する法人のお客様など、金融・公共・法人の幅広い分野で、優良な顧客基盤を有しており、長年にわたってお客様の信頼と実績を積み重ねてまいりました。現在、各分野の売上高の割合はほぼ均等で、市場環境に柔軟に対応できるバランスのとれた顧客ポートフォリオを構成し、安定的な成長を維持しております。
④ 競合他社との競争優位性
当社グループは、コンサルティングやシステム構築などの「SIビジネス」と「データセンタービジネス」による総合的なソリューション・サービスを提供しており、「コンサルティングから、システム構築、保守・運用までのワンストップでのサービス提供」を強みとして、多様化・複雑化する情報化ニーズへの迅速かつ柔軟な対応を行っております。
SIビジネスにおいては、金融機関様、自治体様といった、優良なお客様の業務に関し、長年積み重ねてきた経験や専門性の高い業務ノウハウに強みを持っております。
データセンタービジネスは、クラウドサービスの需要増加などから今後も拡大を続けていくものとみられる一方、同業他社との競合が予想されますが、当社グループのデータセンターは、東京都心部から約25㎞、東京・新宿から電車で40分以内の利便性の高い「都市型データセンター」としており、また震災の影響を受けにくい強固な地盤と洪水による水害の危険性が少ない立地地盤、最新のビル免震技術を導入している点等は、競合他社比で大きな強みであると認識しております。
今後も、これらの強みを最大限に活かした業務運営を行ってまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く市場環境や技術動向等を踏まえ、以下のとおり、<変革>、<挑戦>、<深化>の重点施策により成長戦略を進め競争力を高めるとともに、<改革>、<成長>の重点施策により経営基盤強化を図っていくことが重要と考えております。
<変革>DX・クラウドインテグレーションビジネスの推進
お客様に選ばれ続ける真のITパートナーとなるべく、技術・業務ノウハウ・コーディネート力等、DX時代に即した「創る力」を高めることに全社を挙げて取り組むことで、お客様のDX・デジタル化、及び経営課題の解決を支援する「ソリューション型ビジネス」を推進し、既存顧客の取引拡大・顧客満足度の向上と新規大口先の獲得を目指します。併せて、今後のメインフレーム(ホストコンピュータ)市場の縮小や、老朽化した基幹システムの刷新を契機に、クラウドサービスの活用等によるDXを推進し、モダナイゼーションを支援することで、お客様の企業価値向上に貢献してまいります。また、昨今のサイバー攻撃増加を踏まえ、セキュリティビジネスを更に強化・拡大し、当社グループの成長拡大の要となるように推進いたします。
<挑戦>新サービス・新事業の創出
新サービスを企画・創出する体制強化や、資本提携・M&A等により、新たな「サービス提供型ビジネス」を創出し、事業領域・収益基盤の拡大を目指します。更に、お客様やお取引先との業務提携によりITを活用したビジネスを創出し、労働集約型ビジネスに頼らない収益基盤として育ててまいります。
<深化>既存ビジネスの深化
当社保有の専門ノウハウ・インフラ設備・デジタル化技術の高度化により、紙媒体のデジタル化をはじめとした、デジタル化受託業務の強化・拡大を図ってまいります。併せて、当社のデータセンターとパブリッククラウドを連携した「マルチクラウドセンター」の推進等により、お客様のクラウドシフトに貢献いたします。また、当社の業務においても、高度化・自動化・標準化を推進することでサービスレベル向上を図り、顧客提供価値と収益力を強化してまいります。
<改革>構造改革による経営の効率化
事業推進と経営効率化を実現すべく、成長を目指す領域を識別し、戦略的な資源投入や、組織の強化・最適化を図ります。また、「社内事務プロセスの見直し」や「事業の選択と集中」等により収益体質を強化し、資本コストや株価を意識した経営を推進してまいります。
<成長>人材育成及び人材成長戦略
DXビジネスをはじめとした成長戦略の推進に必要な人材を計画的に育成するとともに、経験豊富な中高年層を有効活用すべく、リスキリングの機会提供など、意欲的に働く環境や仕組みを整備いたします。また、「女性活躍推進法」などを踏まえて、多様な人材が活躍できる「挑戦を重視する組織」へと変革し、全ての社員が持てる力を最大限発揮できる組織を目指します。併せて、経営計画の基本方針で掲げている「人が輝き、“満足”と“幸福”を実感する、社員が誇れる最も働きがいのある企業」となるべく、社員のエンゲージメントを向上させる各種施策を実施いたします。更に、IT需要拡大によるIT人材不足や、労働人口の減少に対処すべく、新卒採用のみならず、中途採用を含めた採用活動の強化を図ってまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営計画「Keep On Changing ~事業を通じて社会課題を解決し、変革し続ける~」の計数目標は、以下のとおりです。
| 2022年度 実績 | 2023年度 実績 | 2024年度計画 <第一期> | 2024年度 業績予想 | 2030年度計画 <第三期> |
売上高(百万円) | 21,066 | 22,092 | 23,500 | 23,500 | 30,000 |
営業利益(百万円) | 873 | 1,272 | 1,000 | 1,350 | 1,500 |
営業利益率 | 4.1% | 5.8% | 4.2% | 5.7% | 5.0% |
ROE | 5.2% | 6.9% | 5.0% | - | 6.0% |
※ 計画の各計数はM&A等の資本提携を含みます。
※ 営業利益について、2023年度実績が第一期中期経営計画を前倒し達成したため、2024年度の業績予想は第一期中期経営計画から上方修正しております。
※ 第二期中期経営計画の計数目標は別途作成します。
※ 第三期中期経営計画の計数目標は見直しを検討しております。
なお、東京証券取引所より要請されている「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取組み」については、2025年度からスタートする第二期中期経営計画とあわせて検討を進め、第二期中期経営計画策定の進捗とともに開示する予定です。
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