企業兼大株主ACCESS東証プライム:4813】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。

(1) 当社の経営の基本方針

 当社グループは、1984年の設立以来、独立系の研究開発型ソフトウェア企業として、「すべての機器をネットにつなぐ」を目標に掲げ、それを実現するためのコア技術を世界中の通信事業者や通信機器メーカー、家電メーカー等に提供し、急速に進展するICT化・スマート化を技術面から支えてまいりました。現時点においては既に携帯電話や情報家電をはじめとする様々な情報端末のネットワーク化による連携はもはや一般化しており、現在は遍在化したスマートセンサーとあらゆるモノがネットワーク化し、その基盤上に新たな製品やサービスが次々と創出され続けております。

 そのような中、当社グループは「CONNECT YOUR DREAMS TO THE FUTURE.」をスローガンに掲げ、すべての機器をネットにつないできた先駆的存在として、これからも当社グループの「つなぐ」技術により新たな価値創造に資する技術・製品を開発・提供し続けあらゆるステークホルダーに貢献することが当社グループの使命であることを明示するとともに、それらの取り組みを通じて企業価値の向上に取り組んでおります。

 また、意思決定の軸として、以下のとおり企業理念を定めております。

Vision Statement:『技術』『知恵』『創造性』と『勇気』で世界を革新し続ける独立系、企画・研究型企業

Core Value      : Unique、Fair、Open-minded

(2) 目標とする経営指標

 主な経営指標として、連結ベースでの売上高及び営業利益並びにそれらの成長性を重視し、当社グループ全体の収益性及び成長性の中長期的な向上を図ってまいります。

(3) 経営環境及び中長期的な会社の成長戦略

2023年は、インフレと金融引き締めによる影響や、円安に伴う物価上昇等、国内外の景気の先行きに不透明な状況があったものの、生成AIをはじめとしたDX化への対応や、通信ネットワークの高速化・大容量化への対応による戦略的なシステム投資需要は拡大しました。このような環境下において、当社グループはネットワーク事業を注力分野に据え、IoT事業・Webプラットフォーム事業の安定化に取り組んでまいりました。

 当連結会計年度につきましては、当社の注力事業である、ネットワーク事業のホワイトボックス向け統合Network OS「OcNOS®」において前年に引き続き大きな事業成長を実現し、セグメントとして黒字転換することができた節目の年度であったと考えております。これまでの開発投資及び、Tier2/3通信キャリアへの営業フォーカス等の推進が功を奏したことが売上に貢献し、また昨今のAI需要におけるデータセンター等での活用もあり、市場における注目もより大きなものとなったと確信しています。一方、IoT事業やWebプラットフォーム事業については、注力分野においては順調に拡大している部分がありつつ、一部分野におけるコストの増大等もあり当初想定よりも売上高及び営業損益において落ち込む部分もありました。これらを受け、今後の安定化に向けて事業ごとの選択と集中を含む経営判断を実施いたしました。

 その結果、IoT事業及びWebプラットフォーム事業において減収減益となったものの、ネットワーク事業の売上高及び営業損益において大幅な成長を達成し過去最高の売上高及びセグメント黒字を実現する等、当連結会計年度の売上高は前年に続き大幅な増収となり、赤字幅も大きく減少することができ、概ね順調な事業進捗となりました。

2025年1月期(2024年2月~2025年1月)は、当連結会計年度の事業成果をさらに発展させIoT事業・Webプラットフォーム事業の両セグメントが黒字化するとともに、ネットワーク事業は引き続き成長を維持して収益拡大に貢献し、これらを通じて連結営業損益の黒字化を実現することを計画しております。また、中長期的にはネットワーク事業を中心とした高い売上成長が牽引する形で連結営業利益が成長し、営業利益率も急改善すると考えております。一方、足元ではネットワーク機器業界において市場競争の激化や設備投資への慎重姿勢といった不安定要素も見られることから、市場動向に注視してまいります。

 

当連結会計年度 事業方針

当連結会計年度 ハイライト

翌連結会計年度 事業方針

IoT事業

 

 

 

 

IoT分野

プロフェッショナルサービスに営業及び開発リソースを傾注してDX需要を取り込むことで、収益性を維持しつつ事業規模の拡大を図る

・主力事業であるプロフェッショナルサービスの売上高は順調に拡大し案件数も増加

・注力事業であるプロフェッショナルサービスに営業及び開発リソースを傾注してDX需要を取り込むことで、収益性を維持しつつ事業規模の拡大を図る

 

その他

電子出版分野の事業規模拡大は想定せず、引き続き効率的な事業運営に努める

・前連結会計年度からの売上高減少傾向もあり分社化及び株式譲渡による事業分離の経営判断を実施

台湾事業においては経営効率化を含めた見直しを実施

・台湾事業における収益性確保に重点を置き、事業の安定化に努める

Webプラットフォーム事業

・欧州拠点の立て直しを継続

受注済の次世代のコンテンツ配信システムに係る開発案件を完遂し、事業領域拡大の足掛かりを構築

・日本市場において一部開発案件の中止や原価増加により収益性が悪化し前年より売上高が減少

欧州拠点において、収益性改善のため拠点統合を含めたコスト圧縮の経営判断を実施

・車載インフォテインメント向け分野は、徐々に受注が増加傾向

・欧州拠点の立て直しにより収益性を改善させ、車載インフォテインメント分野の拡大を図る

・TV、車載向けブラウザにおける売上の安定性を高め、次世代のコンテンツ配信システム等を含む、事業領域拡大の足掛かりを構築

ネットワーク事業

Tier2/3通信事業者を中心に、受注件数及び受注単価の増加により事業規模を拡大する

・Tier1通信事業者や大手サービス事業者に対しては、受注まで相応の期間を要することを前提に継続的に取り組む

・為替の影響もあったものの、前期に続き過去最高の売上高及びセグメント黒字化を実現

90社超の新規顧客の獲得のほか、既存顧客からの大型のリピート受注も大きく売上高に貢献

・ネットワーク機器分野における投資抑制の市場動向はあるものの、引き続きTier2/3通信事業者を中心に、事業規模を拡大する

・Tier1通信事業者や大手サービス事業者に対しては、受注まで相応の期間を要することを前提に継続的に取り組む

 なお、セグメント別の事業環境については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

(4) 会社の対処すべき課題

 前述の中長期的な会社の成長戦略を実現するにあたり、以下を当社グループの優先的に対処すべき課題と認識し、その遂行に向けて取り組んでおります。

① 成長分野への積極投資とグローバルで通用する製品力・技術力及びサービス創出機能の強化並びに注力事業分野の売上拡大 

 当社グループが事業成長を実現するにあたっては、技術力を継続的に強化するとともに、絶え間ない技術革新から生み出される先進的な技術をいち早く獲得・事業化し、また、社会動向の変化に適応した顧客価値を創出していくことが重要課題であると認識しております。具体的な取り組みとして、当社グループ内での製品開発投資を拡大し製品力・技術力及びサービス創出機能の強化を図るとともに、M&Aを積極活用し当社技術・事業を補完できるパートナー企業の開拓に取り組んでまいります。また投資継続している注力事業分野につきましては、販売チャネルの拡充や顧客サポート体制の強化を通じて売上拡大を図るとともに、市場動向及び事業状況を注視しながら投資規模を都度見直し、収益性の維持・改善に努めてまいります。

② 多様性のある優秀な人材の確保・育成と生産性向上のための環境整備

 当社グループの事業推進を下支えする基盤となる人材の確保と組織力強化、企業風土の醸成・ダイバーシティの推進に取り組んでまいります。人材確保においては、個々のスキルの卓越性に加えて、高い当事者意識・目的意識を持ち、部署等の垣根を越えた適切なリーダーシップやチームワークを発揮できる優秀な人材の採用・育成に努めてまいります。環境整備の面では、働き方、業務内容やキャリアプランの多様性を考慮した人事施策の導入や労働環境の整備を推進し、生産性の向上に取り組んでまいります。

③ 管理体制・ガバナンスの強化

 当社グループの事業成長の基盤として、事業管理体制の精緻化・効率化と経営レベルでの意思決定の効率化の双方が必要不可欠であると認識しております。国内外の各分野・事業それぞれに担当取締役と執行役員又は拠点長を配し、事業責任を分担・明確化するとともに適切な連携を図っております。また、事業管理面では、開発案件の不採算化の防止に向けた管理徹底及び状況の早期把握に努めるとともに、国内外を問わないM&Aやソフトウェア開発投資をさらに強化・規模拡大していく方針を踏まえ、買収先企業・買収先事業の速やかな当社事業との統合やシナジー創出、グローバル経営管理体制やソフトウェア開発投資に対する回収状況モニタリングの強化に取り組んでまいります。加えて、経営全体でのガバナンス強化という観点では、業務執行と管理監督の機能分離と適切な権限委譲を通じ、経営の意思決定と業務執行のスピードアップを図ってまいります。

(5) その他、会社の経営上重要な事項

 該当事項はございません。

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