企業高砂鐵工東証スタンダード:5458】「鉄鋼 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社経営の基本理念

 当社グループは、鉄鋼事業を中核として、豊かな価値の創造・提供を通じ、顧客と社会に貢献します。

(2)中期的な会社の経営戦略

 当社は昨年創立100周年を迎えました。創立以来、一貫してみがき帯鋼リローラーとして、日本のモノづくり現場に貢献してまいりました。そして、この3年間は、2023年度を最終年度とする現中期計画に基づき、業務の刷新を図ってまいりました。今般、2024年度から2026年度を対象とした新中期計画を策定いたしました。次の100年に向けた成長を目指し新しい取り組みを始めてまいります。先の構造改革から前中期計画(2021年度~2023年度)までの取り組みの成果と今後の取組方針は以下のとおりです。

1.構造改革から前中期計画(2021年度~2023年度)までの取り組み

2011年、大幅な構造的赤字となったステンレス冷延リロール事業から撤退し、祖業であるみがき帯鋼リロールを中心に、ステンレスエンボス事業、プレスプレート事業を行う企業に変革していくことを目指し、構造改革を進め、不要設備の休止、みがき帯鋼事業拠点(江東区大島)を本社地区(板橋区新河岸)へ移転集約し、大幅な人員対策を実行いたしました。そして、その仕上げの中期計画として2021年度~2023年度を対象とする中期計画を策定し、目標をROS5%、自己資本比率50%、D/Eレシオ0.1倍以下としました。プレスプレート所要の一時的な急減速によるマイナスを除けば、概ね目標は達成しました。特に実質無借金を実現したこと、主力事業であるみがき帯鋼事業の損益分岐点を大きく改善したこと等により非常に筋肉質な企業体質を築くことができ、これからの成長に向けた準備を整えてまいりました。

≪2023年度中期計画≫

経営目標

(連結ベース)

目標数値

2021年度実績

2022年度実績

2023年度実績

売上高経常利益率(ROS)

5.0%

 7.5%

 6.4%

3.2%

自己資本比率

50%

 45.9%

48.8%

45.6%

D/Eレシオ

0.1倍以内

 (注) -

 (注) -

 (注) -

(注)有利子負債が存在しないため記載しておりません。

2.2026年度中期計画

1)みがき帯鋼事業

 当社の主力製品であるみがき帯鋼の需要は、中長期的には脱炭素化の影響等により大きく減少する懸念がありますが、「高品質(厳格公差)」のご要望は高まりをみせており、これに唯一お応えできる狭幅みがき帯鋼がなくなることはありません。また自動車を中心とした日本のモノづくり現場では、以前より「短納期」「小ロット」のご要望は益々大きくなっております。当社は100年前の創業以来、要求される製品スペックに対し、柔軟に母材を活用し生産できる技術、すなわち母材利用加工技術を蓄積し、多岐にわたる製品を少ない母材から製造する技術を有しております。具体的には、約1,500種類の製品スペックのみがき帯鋼を100種類程度の母材スペックから造り込める製造実力を有しております。製品の加工性能についても、圧延と熱処理の組み合わせにより、多様な母材からの造り込みが可能です。これらの技術によりお客様の「短納期」「小ロット」に柔軟に対応できると自負しており、これこそがみがき帯鋼リローラーならではの顧客貢献だと思っております。「短納期、小ロット、高品質については高砂が一番」とのご評価をお客様から特にお客様の工場、すなわち「モノづくり現場」からいただいております。今後の方針としては「短納期、小ロット、高品質により日本のモノづくり現場を支える」ことを方針にし、みがき帯鋼をお求めになるお得意様はもとより、新しいお客様にも当社の実力を知っていただき、顧客から選ばれる取り組みを強化し、売上を増やしてまいります。

2)エンボス事業

 これまで、当社のエンボス事業は厨房分野での意匠性用途が主力でしたが、この採用活動を継続しつつ、オンリーワンの戦略商品であるランナーステンレスを主力商品として採用用途拡大を図っていきます。ランナーステンレスは凹凸の大きいエンボスステンレス鋼板であり、凹凸の大きさゆえの「機能」をご評価いただき、多岐にわたる用途で既に採用いただいております。例えば、秤量機等の機械では搬送物との摩擦軽減の観点から採用されています。食品加工機械等では、搬送用ベルトコンベア用ゴムの下地に敷くことで、ゴムと機械との「張り付き」を回避する観点から採用されています。「摩擦が少なく滑る」「張り付かない」という「機能」についてご評価いただいております。一方、ランナーステンレスは意匠性でも評価されており「機能」×「意匠」という独自のセグメントで評価される商品でもあります。店舗での食品陳列用の棚板として「清潔感」という意匠性のニーズに応える用途での採用もあります。「機能性・意匠性両面で人々の暮らしに快適さと彩りを添える」という方針のもとで、積極的に採用促進を図ってまいります。

3)プレスプレート事業

 当社のもう一つの戦略商品はプレスプレート用鋼板「タカサゴプレスプレート(TPP)」です。半導体が実装されるプリント配線基板を製造する過程でプレスプレートは使用されますが、平坦度、耐摩耗性等の性能により、プリント配線基板メーカー側でのコスト・生産性を左右します。当社TPPは独自の熱処理技術により、性能面で競合品に対し非常に高いパフォーマンスを誇っており、国内外のお客様から高く評価されております。現在、パソコン・スマートフォン市場の低迷影響が大きく、一時的にプリント配線基板需要が停滞しておりますが、今後はAIサーバー等の市場拡大も予想され、2024年度以降再び需要が拡大していくと予想されています。特にHDI基板といわれるハイエンド市場の伸びが大きく、高性能が求められる需要は確実に伸張すると期待しております。「ハイエンドニーズに応える商品力で世界の電子部品産業の発展に貢献する」という方針を掲げ、確実に需要捕捉してまいります。

4)ステンレス流通事業

 ステンレス流通を支えるタカサゴスチールは、大手コイルセンターでは対応が難しい小ロット短納期等のサービス拡充・地域密着営業の更なる強化等の顧客ニーズを先取りする営業スタイルの展開により企業体質を高めてまいります。加えて、個社では解決することが困難な事象に対しても他社連携等も視野に入れて対応し、事業の拡大を検討してまいります。

◎以上の施策により、売上200億円以上、ROS連結8%以上(個別10%以上)、配当性向30%以上を目指してまいります。

◎また、SDGsの取り組みとして、脱炭素社会に寄与すべく、再生可能エネルギーの導入を含めた具体的な取り組みを検討してまいります。

◎更に、従業員の処遇の改善も進めてまいります。当社は既に、業績連動賞与制度を導入していますが、これを堅持するとともに、2026年度中期計画の成果が出た時点では更なる還元を図っていく考えです。名実ともに100年企業に相応しい誇りを持ち、全社一丸となって更なる成長と社会への貢献を目指してまいります。

(3)経営環境

 主要ユーザーである自動車部品向けについては、国内においては個人消費の動向、海外においては販売台数や為替相場の変動の影響を大きく受けることから、その動向によっては当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、みがき帯鋼の販売価格及び原料価格改定の影響やステンレスの市況動向等も当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 具体的な内容につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中期的な会社の経営戦略」に記載しております。

2026年度中期計画における取組方針のもと諸施策を実行することにより、収益力の向上、財務体質の強化を図り、安定した配当実施に努めてまいります。

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