高橋カーテンウォール工業 【東証スタンダード:1994】「建設業」 へ投稿
企業概要
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社企業グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社はビルのコンクリート外壁をオーダーメードでつくる、プレキャストコンクリートカーテンウォール(以下PCCW)のメーカーです。1960年代に後発メーカーとして参入後、たゆまぬ営業努力を重ねて業界シェアトップになり、その後も茨城県の工場新設による生産設備増強、関西進出、人材採用・育成により、提案力・品質管理能力・生産能力等の総合力を高める努力を続けてきました。
従来、お客様の要望に応じて、石やタイルを張ったり、塗装したりする製品を作ってまいりましたが、コンクリートの調合を工夫して、様々な色やテクスチャーの素地をそのまま見せるアーキテクチュラルコンクリートを積極的に設計事務所に提案し、多数採用していただいております。さらに、デザイン提案を積極的に行い需要増大につとめ、また、CO2削減に寄与する研究も多数進めています。
(2)目標とする経営指標
当社は景気低迷期を除き、経常利益率10%以上を目標にしています。景気低迷期は5%以上を目標とします。2023年度は極端な端境期にもかかわらず6.1%を達成しました。2024年度は低迷期を脱する見込みですが、原価増大の要素が多々あり、10%を超えるのはかなり厳しいと考えています。
(3)中期的な会社の経営戦略
当社は、PCCW事業の人材強化を続け、デザイン面、脱炭素等の環境性能向上について設計事務所やゼネコンの方々のリクエストに誠実に応えてゆきます。また、プール事業も人材強化をすすめて、長期にわたり、新築、メンテ需要に対応できる体制を整えます。
(4)経営環境
現在は建設業界のPCCWを使う大型案件が出始めてきておりますが、ディベロッパーが原価高騰のあおりを受け、これからの計画の延期・中止を余儀なくされる場面が増えております。ゼネコンにおいても、採算の悪化を受けて、発注金額交渉をよりシビアに行うようになり、また、働き方改革により、受注量を抑えているので、今後、どういうマーケットになってゆくのか、注視しております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
日本の建設業界では、従事者の高齢化や少子化などの影響により、人手不足が顕著になってきており、技術の継承がままならなくなってきています。
PCCW業界でも高齢化が進んでおり、業界の将来が懸念されています。しっかり人材を採用育成し、顧客の期待に応え続けられるような体制を目指します
また、日射を遮る庇(ひさし)形状のPC版や、タイル張PC版の打音検査義務の緩和や、 SDGsに対応した壁形式などを適切にPRして、採用面積の増加に努める所存です。
アクア事業においては、拡大するステンレスプールマーケットの需要をしっかりとりこみ、撤退する会社からメンテナンス案件を引き継ぎ、また、周辺分野にも進出して業容の拡大を目指します。
今後は物流コストの上昇によるインフレが更に進行し、一時的に建設需要が減退する懸念はありますが、長期的には供給力不足になると考えています。安定した財務基盤のある当社は、安心して働ける環境を整え、人材を充実させて供給力を維持します。また、CO2削減技術の研究や工場内の展示スペースの拡充により、さまざまなリクエストに対応できる体制を目指し、「全従業員の物心両面の幸福を追求し、社会の進歩発展に貢献する」という理念を追求します。
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