長谷川香料 【東証プライム:4958】「化学」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、香りにとどまらず、幅広い技術をもって新たな価値と感動を生み出し、より豊かな生活に貢献する会社を目指しております。
また、厳しい経済環境のもと、香料業界における国際競争は激化し、多様化・高度化する顧客の要望への即応が求められる中、当社は以下の事項を経営の基本方針としております。
①資本効率の向上、企業価値と株主利益の増大を図り、安定的で適正な利益還元を実施する。
②顧客とのパートナーシップをさらに強化し、カスタマーサクセスに貢献する。
③人的資本経営を推進し、エンゲージメントを高め働きやすい職場環境を構築する。
④コンプライアンスの徹底とサステナブルな企業活動を通じ、社会的責任を全うする。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、持続的・安定的な発展を通じて中長期的な企業価値の向上を実現していくために、必要かつ可能な範囲を意識して、連結売上高伸長率3.0%以上、2027年9月期に連結売上高営業利益率12.0%、連結売上高経常利益率13.0%を目標としております。
当連結会計年度におきましては、連結売上高伸長率10.4%、連結売上高営業利益率13.1%、連結売上高経常利益率13.6%となりました。
(3) 経営環境、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後のわが国経済は、雇用や所得の環境が改善し、日本経済は緩やかに回復することが期待されます。一方で、国際情勢の変動、原材料価格や資源価格の高騰、物価の上昇、為替の大幅な変動等の影響が懸念され、先行きが不透明な状況が続くことが見込まれます。
香料業界におきましても、各社のシェア獲得競争の一層の激化、品質保証に関する要求増加など厳しい状況が続くことが予想されます。
このような状況の中で、当社グループは、研究・技術開発力の一層の向上により、特長のある差別化された製品開発を行うとともに、生産性の向上や業務全般の効率化によるコスト削減に努めてまいります。
また、香りにとどまらず、幅広い技術をもって新たな価値と感動を生み出し、より豊かな生活に貢献する会社を目指します。今後の当社グループの成長を追求するためには、経営環境の変化や不測の事態に柔軟に対応できるレジリエントな組織を構築し、少子高齢化に伴う成熟化が進行する国内市場においてシェア拡大に努める一方で、グローバル展開を更に強化していくことが不可欠です。当社が重点地域と位置付ける米国、並びに中国、東南アジアを中心としたアジア地域に経営資源を効率的に投入し、市場の成長性や消費者の嗜好等を的確に捉え、経営環境の変化に応じた事業戦略を立案、推進してまいります。また、将来にわたる持続的成長の実現に向けた投資を行い、海外市場での業績拡大を目指してまいります。
国内におきましては、営業、研究及びマーケティングを統括するビジネスソリューション本部のもと、研究面では、戦略的な研究開発を推進するため、重点分野を明確化した上で、研究開発のスピードアップと持続的、長期的な成長につながる基礎研究開発力の強化を目指してまいります。また、カスタマーサクセスとイノベーションを実現していくために営業、マーケティング、国際部門との連携を活かし市場感覚と競争意識を高め、当社独自の特長のある製品の開発により競合他社との差別化を図るとともに、外部知見や知的財産を活かした新しい価値の創造や技術革新を推進し、社会が抱える課題の解決に貢献できるよう努めてまいります。
食品部門では、安全・安心の確保を第一に、引き続き健康志向に根ざした低糖・低塩・低脂肪の食品に美味しさをもたらす香料、及び安定性・持続性に優れた香料の開発に取り組みます。また、食資源不足をはじめとする社会的課題の解決に向け、食品原料を代替する香料の開発等に注力いたします。
フレグランス部門では、基礎研究を徹底し、安全性・安定性に優れた新しい香り創りにより、国内での更なるシェア拡大に注力いたします。海外におきましても市場調査及び嗜好性調査の結果を踏まえて現地の消費者に好まれる香り創りに努めてまいります。
営業面におきましては、研究及びマーケティング、国際部門と連携し、マーケット調査・分析等の活用により顧客の潜在的欲求の把握に努め、当社の総合力を活かした的確なソリューションを提供することで、顧客に信頼されるパートナーとしての地位確立、カスタマーサクセスへの貢献を通じた売上拡大及び販売シェアアップを目指してまいります。また、新規顧客の探索と開拓を強化し、将来の成長を支える営業基盤の拡充を図ってまいります。
生産面におきましては、安全対策の継続的な環境整備を推進し、労働安全衛生に関する教育と啓蒙活動を実施いたします。また、生産品目の変化に対応するため、工場の再構築、生産設備の統合を図ってまいります。さらに、工場周辺への臭気拡散防止、災害防止対策、及び温室効果ガス削減も取り組んでまいります。製造方法の改良や業務フローの効率化、物流体制の見直し、在庫適正化の取り組みも継続し、製造原価低減に努めてまいります。
海外におきましては、経営資源を効率的に投入し、着実なグローバル展開を図る戦略のもと、米国では、更なる業績拡大に向け、T. HASEGAWA U.S.A., INC.が2024年9月3日に米国中西部を基盤として、各種食品香料の製造及び販売を行っているABELEI, INC.の全株式を取得し、連結子会社といたしました。両社の販売面や製造面でのシナジー効果の早期実現を目指すとともに引き続き現地顧客向けの積極的な営業活動を推進し、米国市場での業績拡大を図ってまいります。
中国では、マーケティング機能を活用した戦略的な営業活動により、新規顧客開拓・既存顧客深耕に注力するとともに、利益管理を徹底し、売上、利益の両面から業績拡大を目指してまいります。また、現地需要拡大に対応し、より一層のサービス体制の強化を図るとともに、事業の継続性を確保するために、中国における第三の生産拠点を新設することにより、生産体制の強化を推進してまいります。
東南アジアでは、同地域全体の営業戦略のもと、マレーシア、タイ、インドネシアの各拠点及び周辺地域の営業員との連携、アプリケーションラボラトリーの活用により営業活動を強化し、業績拡大を目指してまいります。また、アジア市場・ハラル市場における需要拡大に対応した生産能力の拡大に対応するため、マレーシアのエンステック工業団地における新工場建設計画を推進してまいります。
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