企業遠州トラック東証スタンダード:9057】「陸運業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社は、ミッション(使命)、ビジョン(経営目標)及びバリュー(従業員行動指針)の3項目から構成される経営理念を定めております。この経営理念に沿って会社経営を進めて参ります。

 イ.ミッション(使命)

ⅰ)人的資本である従業員の「幸せ」を第一義に考えた経営を行います。

 物流インフラの提供を使命とした全ての従業員が幸せになるように、経営として最善を尽くします。

 従業員が、仕事に対する誇りと働きがいをもって、いきいきと安全・安心に働ける会社を目指し、お客様に価値を提供する経営基盤を盤石にします。

ⅱ)お客様起点に立って、物流サービスのあり方を問い続け、挑戦と創造により、お客様に満足される価値を提供します。

ⅲ)地球環境にやさしい物流の実現のためにCO2の削減に取り組み、社会的課題の解決に貢献します。

 ロ.ビジョン(経営目標)

ⅰ)従業員が仕事に対する誇りとやりがいをもって働ける安全・安心な労働環境をつくり、従業員の「エンゲージメント」を向上させます。

ⅱ)戦略商品を核に関東・関西間の物流サービスを拡充し、事業領域を拡大します。

 拡大に際しては、安全・品質を向上させながら、当社車両と乗務員、作業員で運営する自社輸送体制を堅持し、お客様のニーズに柔軟に対応する能力を確保します。

ⅲ)先端技術の積極的な導入により、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、未来に向けた物流サービスのイノベーションに挑戦し、事業価値を向上させます。

ⅳ)社会的課題の解決に貢献します。

 法令を遵守し、お客様と共同して、地球環境にやさしい物流サービスにより、社会的課題の解決に貢献します。また、企業の社会的責任として、地域の交通安全づくりや地域社会の行事への参画を通じて、社会の持続的な成長に貢献します。

 ハ.バリュー(従業員行動指針)

 従業員は、ミッション、ビジョンの実現を目指し、行動指針に沿って、バリュー(従業員の判断・行動の基準となる共通の価値観)を共有し、行動します。

 バリューを会社の組織文化として定着させます。

ⅰ)ミッション、ビジョンの実現を目指して、行動指針に基づき判断・行動します。

 従業員は、会社の事業の方向性を理解し、何に取り組むべきかを考えて、自らの目標に落とし込むとともに、目標に合わせて自身の意識と行動を変化させます。

ⅱ)安全を最優先に考え、安全・安心な働きやすい職場をつくります。

 事故を未然に防止するため、ルールを遵守する基本行動を徹底します。

 職場の従業員が、気持ちよく仕事ができるように人と人とのつながりを大切にします。

ⅲ)お客様起点にたって、物流サービスの品質を向上させ、お客様に満足していただける物流の仕組みを提供し、価値を向上させます。

 お客様の方針、ニーズを理解し、期待に応え、安定した信頼関係をつくります。

ⅳ)我が事として、プロフェッショナルに仕事に取り組み、生産性を高めます。

 従業員は自分の役割や責任を理解して、当事者意識をもって業務の進め方を改善し、職場やお客様に提案し、主体的に業務に取り組みます。

ⅴ)何が正しいことなのかを「正直、誠実、高潔」に物事を考え、判断・行動します。

 法令と会社のルールを遵守し、ルールがなく上長に相談できない場合でも自らの責任で「正直、誠実、高潔」であることを基準に判断・行動します。

ⅵ)多様な価値観を認め、従業員個々の強みを発揮し、課題に挑戦して、人財として成長します。

 率直な意見を交換する場をつくり、アイデアやヒントを組織として共有し、学び続けます。

(2) 経営戦略等

 イ.新しい物流サービスに挑戦し、事業領域を拡大する

ⅰ)中継輸送(e-change)プラットフォームを活かした輸送ネットワークを拡充する

 中継輸送による関東・関西間の物流サービスの取扱を拡充することで、乗務員が日帰り運行できる環境を構築して、2024年問題、とりわけ乗務員不足を解決します。

 また、中継拠点を活用して幹線輸送とエリア配送を繋げたネットワークを拡充します。

ⅱ)EC(eコマース:インターネット上の電子商取引)物流を拡大する

 東海エリアでのEC物流ネットワークを活用して新たなEC顧客の個配業務を開拓します。

ⅲ)共同配送網を拡充する

 当社拠点が充実している静岡県、関東圏、中京圏の共同配送ネットワークを更に拡充して、お客様の業務効率化に貢献するとともに社会的課題であるCO2の削減に貢献します。

ⅳ)協力会社ネットワークを拡充する

 協力会社とのネットワークを更に強固なものとして、お客様の多様なニーズにお応えします。

ⅴ)調達物流を進化させる

 メーカー至近の立地を活かせる当社拠点を原料・資材を集積させる場にすることに加えて、セット組み機能や多頻度適時輸送など顧客に最適な納品形態を実現させる場として進化させます。

ⅵ)最適な物流サービスの提供に向けて物流拠点を新設する

 お客様のニーズに合わせた立地に、立地地域の協力会社と提携しながら拠点を新設して、原料・資材の調達物流拠点や製品の消費地在庫拠点として活用します。

 ロ.事業戦略の推進のための投資を行う

ⅰ)先端技術の積極的な導入により、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、未来に向けた物流サービスのイノベーションに挑戦する

 当社の業務上の情報(データ)とデジタル技術を活用し、業務の効率化と省人化を進めるとともに、お客様に最適で品質の高い物流サービスを提供します。

 輸送においては、自動配車システムを全社展開して業務の標準化を進め、全社最適で効率的な配車を実現します。

ⅱ)大型車両の電動化の進展に合わせて、お客様と共同して導入に取り組む

 ハ.人的資本価値を高める投資を行う

ⅰ)人材が事業の価値を高める人的資本であると捉えて投資する

 従業員の処遇と職場環境を改善し、従業員のエンゲージメントを高め、多様な人材の募集と確保に努めます。

ⅱ)従業員の健康保持・増進に積極的に取り組み、組織の活性化や生産性の向上につなげる

 ニ.コンプライアンスを遵守し、コーポレート・ガバナンスの強化を進める

2024年問題に法令遵守で対応し、コーポレートガバナンス・コードに対応したガバナンス強化を進めます。

 ホ.地球にやさしい物流に取り組む

 中継輸送、共同配送、調達物流の最適化、モーダルシフト等の提案により、社会的課題であるCO2削減に積極的に取り組みます。

(3) 経営環境及び対処すべき課題

 当社は2023年度を初年度とする3年間の中期経営計画の期間中に90億円の事業投資を行い、新しい物流サービスに挑戦し、事業領域を拡大することで、計画最終年度となる2025年度の営業収益を522億円、営業利益を36億50百万円とする計画としております。この中期経営計画を実現するため、以下の施策に取り組んでまいります。

 第一に、様々なモノやサービスの価格が高騰しているなか、運輸・倉庫業においては運賃や作業料などの価格への転嫁が不十分な状況にあります。2024年4月から乗務員の年間労働時間上限規制が実施され、労働力不足が懸念されるなか、適正な価格転嫁を推進するとともに賃上げを積極的に行い、物流サービスの安定供給に努めてまいります。

 第二に、「物流の2024年問題」の解決策の一つとして注目されている中継輸送を推進してまいります。当社は、関東・関西の中間に拠点をもつ立地を活かして、乗務員が日帰り運行できる環境の構築を目指しており、業界に先駆けて中継拠点を設置いたしました。このプラットフォームを活かした輸送ネットワークを拡充し、社会問題となっている乗務員の長時間労働の解消に努めてまいります。

 次に、当社がこれまで取り組んできた化学品や食品などの共同配送による業務の効率化や、EC(電子商取引)関連の強化を図るべく、協力会社とのネットワークを更に拡充するとともに、輸送能力の増強を図ってまいります。

 続いて、調達物流を進化させ、顧客企業に最適な物流サービスを提供してまいります。顧客企業の製造拠点近くに物流施設を設け、顧客が各サプライヤーから調達する部品を当社の輸送ネットワークを活かして効率的に集めるとともに、顧客の要望にあわせたセット組みや多頻度適時輸送を行います。物流の合理化・外注化を進める企業に向けて、高品質の物流サービスを提供するとともに、今後も事業の拡大に向けて取り組んでまいります。

 上記事業戦略の推進に向けて投資を行い、先端技術の積極的な導入を図ります。具体的には、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展に対応できるよう基幹システムを再構築するとともに、自動搬送ロボット等の導入を進め、作業環境の改善や省人化を図ってまいります。また、地球にやさしい物流に取り組むべく、中継輸送や共同配送の推進とともに大型車両の電動化に向けて、顧客と共同で導入に取り組んでまいります。

 一方、管理面におきましては、人的資本価値を高めるための投資として従業員の健康保持・増進に取り組むべく、健康経営を推進するとともに従業員の処遇や職場環境の改善を積極的に行います。また、コーポレート・ガバナンスの強化を進め、経営管理体制の充実に一段の努力を払ってまいる所存です。

(4) 中期経営計画(2023年4月~2026年3月)の数値目標(連結)

 

2026年3月期

(第61期 目標)

営業収益

52,200百万円

営業利益

3,650百万円

事業投資額(期間累計)

9,000百万円

ROE(自己資本利益率)

8%以上

配当性向

30%以上

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