豊和銀行 【福証:8559】「銀行業」 へ投稿
企業概要
以下の記載における将来に関する事項は、当事業年度の末日現在において当行が判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当行は、以下の「基本方針」等に基づき、地域経済の活性化や地域貢献等に強力に取り組んでまいります。
(経営理念)
・Contribution:貢献
わたくしたち豊和銀行は、地域の発展に貢献します。
・Customers:お客様第一主義
わたくしたち豊和銀行は、常にお客さまに寄り添い、ありがとうと言っていただける銀行を目指します。
・Challenge&Change:挑戦と変革
わたくしたち豊和銀行は、たゆまぬ挑戦と変革により、未来を切り開きます。
(目指す姿)
「地元大分になくてはならない地域銀行」
(基本方針)
「地域への徹底支援による地元経済の活性化」
(2) 目標とする経営指標
2022年9月に公表した「経営強化計画」(対象期間:2022年4月~2025年3月)につきましては、「経営の改善の目標」である「コア業務純益」及び「業務粗利益経費率」に加え、中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化及び地域経済の活性化に資するため、「中小規模事業者等向け貸出残高」、「中小規模事業者等向け貸出残高の総資産に対する比率」及び「経営改善支援等取組先数の取引先企業総数に占める比率」を目標に掲げております。
2023年度につきましては、「コア業務純益」については目標達成見込みとなりましたが、他の4項目については、未達成の見込みとなっております。
| 2022/3 | 2022/9 | 2023/3 | 2023/9 | 2024/3 | 2024/3 | 2024/3 | 2024/9 | 2025/3 |
期 | 期 | 期 | 期 | 期 | 期 | 期 | 期 | 期 | |
実績 | 実績 | 実績 | 実績 | 計画 | 実績 | 計画比 | 計画 | 計画 | |
(始期) |
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| (速報) |
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コア業務純益 | 1,333 | 719 | 1,537 | 685 | 1,483 | 1,506 | +23 | 773 | 1,521 |
業務粗利益 | 65.53% | 63.67% | 63.48% | 68.11% | 64.74% | 67.52% | +2.78P | 65.37% | 65.52% |
中小規模事業者等向け貸出残高(億円) | 2,885 | 2,884 | 2,945 | 2,950 | 3,089 | 2,997 | △92 | 3,134 | 3,179 |
中小規模事業者等向け貸出残高の総資産に対する比率 | 44.87% | 44.80% | 47.52% | 47.17% | 48.44% | 48.29% | △0.15P | 49.09% | 49.70% |
経営改善支援等取組先数の取引先企業総数に占める比率 | 4.14% | 3.73% | 4.89% | 4.42% | 4.21% | 3.60% | △0.61P | 4.22% | 4.23% |
※「コア業務純益」=「業務純益」+「一般貸倒引当金繰入額」-「国債等債券損益」
※「業務粗利益経費率」=(「経費」-「機械化関連費用」)÷「業務粗利益」
※「中小規模事業者等向け貸出」とは、銀行法施行規則第19条の2第1項第3号ハに規定する別表第一における中小企業等から個人事業者以外の個人等を除いた先に対する貸出をいいます。
※「経営改善支援等取組先」とは、「経営改善応援ファンド支援先」「資金繰り安定化ファンド支援先」「事業継承支援先」「創業・新事業開拓支援先」「事業再生支援先」をいいます。
(3) 経営環境
2023年度の国内経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し、経済の正常化が進んだこともあり、飲食業・宿泊業を中心に幅広い業種で企業業績は好調に推移しました。また、自動車生産の回復や円安の影響もあり、輸出も順調に推移しました。その結果、人材不足はバブル期以降で最高水準まで高まり、好調な企業業績、物価上昇及び人材不足を背景として30年振りの高い賃上げが実施されました。しかしながら、所得の伸びを上回るペースで物価が上昇したことから、個人消費は低調に推移しました。また、物価上昇や人材不足を背景として、中小企業を中心に倒産件数も増加しました。デフレ脱却の動きが進む一方で、欧米の利上げの影響や中国の不動産価格下落の影響を始め、2024年1月に発生した令和6年能登半島地震の影響等もあり、依然として国内経済の先行きは不透明な情勢となっております。
金融環境につきましては、大きな転換点となる1年となりました。好調な企業業績や円安を背景として、2024年2月22日に日経平均株価は1989年の史上最高値であった3万8,915円87銭を更新し、その後同3月4日に初めて4万円を突破しました。また、同3月19日には、物価上昇や賃上げの状況等を踏まえ、日本銀行は2016年から始めたマイナス金利政策の解除を決定しました。
そのような中、当行の主要な営業基盤である大分県経済においては、経済の正常化により飲食業・宿泊業を中心に幅広い業種で企業業績が回復する一方、2023年12月に国の認証取得の不正問題により大分県内にある大手自動車メーカーの工場が生産・出荷停止となったことが県内の下請け・孫請け企業の業績に悪影響を及ぼしたほか、物価高騰や人材不足による倒産の増加も見られ、大分県経済は不透明な状況が続いております。
(4) 会社の対処すべき課題
私たちを取り巻く経済環境は上記に述べました通り、新型コロナウィルス感染症5類移行後の経済の正常化を受け、飲食業・宿泊業を中心に業績の改善が見られた業種がある一方、足元では特に、エネルギー・原材料価格を始めとした諸物価の高騰、人手不足等による人件費の上昇等により、幅広い業種の中小企業・小規模事業者を中心に長期の業績低迷から脱却できず、倒産件数は増加傾向にあります。また、過疎化、少子高齢化・人口減少、廃業の増加等はその深刻さを増し、今後、地元の中小企業・小規模事業者のお客さまを取り巻く経営環境はなお一層厳しさを増すことは間違いありません。
このような経営環境の下、地元の中小企業・小規模事業者のお客さまに寄り添い、伴走し、お客さまの経営改善支援・再生支援に全力で取り組むことが当行の果たすべき使命と考えております。
そして当行はその使命を果たすことで、『共通価値の創造』を実現することができ、結果として当行の業績の将来にわたっての収益性・健全性にもプラスに働くものと確信しております。
具体的施策としては、お客さまの売上増強を含めた経営課題の改善や業務プロセスの改善をご支援する「Vサポート」、経営改善計画の策定とご融資をセットとしてお客さまの経営改善をご支援する「経営改善応援ファンド」、資金繰りに追われることなくお客さまが本業に専念するためのご融資である「資金繰り安定化ファンド」を経営改善支援スキームの3本柱として位置づけ、継続的・組織的に全力で取り組んでまいります。
なお、2024年2月9日に実施したF種優先株式の発行で100億円を資金調達したことにより、経営基盤の強化が図れ、当行は地元の中小企業・小規模事業者のお客さまに対するさらなる金融仲介機能の発揮に努めるとともに、経営改善支援・再生支援に注力できる態勢を整備することができました。深く感謝申し上げるとともに、お引き受けいただいた皆さまのご期待に沿えるよう全力で取り組んでまいります。
当行はその使命を果たすために、役職員一丸となりまして、「地元大分になくてはならない銀行」の実現に向けて邁進してまいります。
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