企業兼大株主西日本フィナンシャルホールディングス東証プライム:7189】「銀行業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
 

<サステナビリティに関する考え方>

 当社グループは、サステナビリティに関する取組方針であるグループサステナビリティ宣言について以下のとおりとし、環境関連融資や創業支援等を通じた地域課題の解決をはじめとする、地域金融グループならではのサステナビリティへの取組みの強化を図っています。
 

■ グループサステナビリティ宣言

 私たち西日本フィナンシャルホールディングスグループは、グループ経営理念に基づき、地域の発展とグループ企業価値の向上を目指すとともに、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
 

 <サステナビリティに関する取組み>

(1) ガバナンス

 当社は、取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会において、当社グループのサステナビリティに係る対応方針や重要事項の協議、取組状況の把握・助言等を行っています。サステナビリティ委員会での協議内容は、経営会議での審議・決定を経て経営戦略やリスク管理に反映させるとともに、取締役会に報告する態勢としています。
 

(2) 戦略

① 気候変動への取組み

 当社は、気候変動への対応を経営戦略における重要課題と位置付け、2021年4月にTCFD提言への賛同表明を行い、同提言に沿った情報開示の充実に努めるとともに、気候変動に関するリスク及び機会を踏まえたさまざまな環境関連施策を展開しています。
 

a.気候変動に関するリスク

 当社は、気候変動に関する主なリスクを以下のとおり認識しています。 

 

 

リスクの内容

時間軸

リスクカテゴリー

 

 移行
リスク

環境規制の強化

投融資先における炭素税導入や温室効果ガス排出に関する規制の強化等の政策・規制変更に伴う損失発生

中期~長期

信用リスク

革新的な

技術開発

脱炭素社会への移行に伴う技術革新や急速な構造変化による投融資先における資産価値毀損及び損失発生

中期~長期

信用リスク

評判変化

気候変動問題への対応がステークホルダーの期待から乖離することによる当社グループの企業価値減少

短期~長期

オペレーショナル・リスク(風評リスク)

 

物理的
リスク

台風豪雨等による
風水害

当社グループの営業拠点の毀損

短期~長期

オペレーショナル・リスク(有形資産リスク)

投融資先における担保資産の価値毀損

短期~長期

信用リスク

投融資先における操業停止による損失発生

短期~長期

信用リスク

甚大・広範な被害による金融市場の混乱

短期~長期

市場リスク

 気温変動
・海面上昇

気温の変動や気象パターンの変化等、慢性的な気候変化によってもたらされる当社グループ及び投融資先における事業活動等への影響

長期

信用リスク
オペレーショナル・リスク(有形資産リスク)

(注) 時間軸における短期は1~3年未満、中期は3年~10年、長期は10年超です。

■ シナリオ分析

 当社は、気候変動リスクが顕在化した場合の影響が特に大きいと考えられる株式会社西日本シティ銀行において、想定する自然災害や分析対象に一定の前提を置いた上で、複数の将来シナリオに基づく分析を実施し、想定されるリスク量を試算しています。以下の対象、手法及びシナリオを前提とした分析において、移行リスク、物理的リスクのいずれも財務への影響は限定的であると評価しています。

 

 

移行リスク

物理的リスク

 

分析対象

電力、石油・ガス、石炭、鉄道輸送、トラックサービス、自動車・部品の各セクター

水害による担保物件の毀損(事業性融資の担保物件のうち、福岡市・北九州市・久留米市内に所在する建物)

 

分析手法

炭素税の導入等に伴う炭素価格の上昇や、市場環境の変化等が企業業績に与える影響を分析

ハザードマップをもとに、担保物件ごとに浸水による毀損額を算出

 

使用シナリオ

IEA(国際エネルギー機関)1.5℃シナリオ

IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)2℃・4℃シナリオ

 

分析結果

2050年までに発生しうる追加信用コスト
累計220億円程度

2050年までに発生しうる追加信用コスト
単年度で最大40億円程度

b.気候変動に関する機会

 当社は、気候変動に関する主な機会を以下のとおり認識し、脱炭素社会への移行(トランジション)をはじめとするお客さまの気候変動対応に金融・非金融の両面でソリューションを提供しています。

 

機会の内容

時間軸

 

脱炭素社会への移行に伴うサステナブルファイナンスの増加

短期~長期

 

脱炭素社会への移行に伴うCO2排出量可視化・削減の支援等に関するコンサルティングの増加

短期~長期

 

自然災害の激甚化に備えたインフラ投資等に伴う資金需要の増加

短期~長期

(注) 時間軸における短期は1~3年未満、中期は3年~10年、長期は10年超です。

② 人的資本・多様性への取組み

 当社は、中長期的な企業価値の向上に向けた人財戦略の重要性に鑑み、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針を、中期経営計画「飛翔2026 ~つなぐココロ、つなげるミライ~」の基本戦略「人財革新」に定め、各種施策を展開しています。

(注) 基本戦略「人財革新」については、中期経営計画「飛翔2026 ~つなぐココロ、つなげるミライ~」の20頁~22頁に記載しています。

(URL https://www.nnfh.co.jp/assets/pdf/corporate/strategy/chukikeieikeikaku2026.pdf)
 

a.人財の育成に関する方針及び主な施策

 環境変化が加速し、多様化・高度化するお客さまのニーズに沿って当社のグループ総合力・ソリューション機能を提供していくためには、お客さまとの接点を担う職員一人ひとりの役割が一層重要になるとの認識のもと、階層別・業務別研修やリスキリングに向けた研修の拡充等を通じ、職員一人ひとりの成長を強力に後押ししています。特に、コンサルティング・DX・企画等の各分野において当社グループの将来を担う人財を「戦略人財」と定義し、戦略人財の育成に向けた取組みを本格的に進めています。
 

■ 主な施策

 

戦略人財の育成

 

 

コンサルティング人財

各種高度資格取得に向けた支援プログラムの拡充

DX人財

DX分野に強みを有する当社グループ企業との連携

企画人財

ビジネススクールへの派遣、資格試験、自己啓発メニュー等の拡充

専門人財

IT部門・市場部門・国際部門等専門部署でのOJT等を通じた育成

 

階層別・業務別研修やリスキリングに向けた研修等を通じた育成

 

 

若手・中堅層

各種フォロー研修の拡充、次世代リーダー養成研修の新設

マネジメント層

360°フィードバックの対象者拡大

ベテラン層

リスキル研修の対象者拡大、外部資格取得費用補助の充実

渉外営業担当者

案件組成力・事業性評価スキルの向上に向けた研修の充実

個人営業担当者

個人向けコンサルティングの幅を拡げるための研修の充実

店頭サービス部門担当者

営業店端末更改に向けたマインドセット・リスキル研修の実施

b.社内環境整備に関する方針及び主な施策

 基本戦略「人財革新」の重点施策に「働きがいの向上」を掲げ、本店ビル建替え・店舗リニューアルや職員の処遇の見直し、ダイバーシティ&インクルージョンの推進等を通じ、職員一人ひとりがいきいきと働くことができる職場環境を整備し、多様な人財が活躍する組織風土を構築しています。

■ 主な施策

 

環境整備

 

 

職場環境の整備

本店ビル建替えにより開放的で働き方の自由度の高いオフィス環境を提供

 

職員の処遇改善

内外環境を踏まえた賃金水準の引き上げ、シニア行員等の雇用体系見直し

 

コミュニケーションの活性化

本支店/グループ内人事交流の促進、チャットツールの導入・活用促進

 

ダイバーシティ&インクルージョン

 

 

女性活躍推進

キャリア形成支援プログラムの対象者を拡大

 

キャリア採用の強化

高度な専門知識・スキルを有するプロフェッショナル人財の積極的な採用

 

健康経営

 

 

健康経営の推進

メンタルヘルスケアに関する取組みの強化

 

ファイナンシャル・ウェルネス

 

 

従業員の資産形成支援

従業員持株会の会員資格範囲を拡大、資産形成に関する教育の提供

(3) リスク管理

 当社は、シナリオ分析の結果等を通じて、気候変動に起因する物理的リスクや移行リスクが、当社グループの事業運営や財務内容等に影響を及ぼすことを認識しており、今後も継続的にシナリオ分析の対象の拡大及び分析手法の高度化に取り組んでいきます。また、気候変動をはじめとするサステナビリティ関連のリスクをコントロールするための態勢整備に努めていきます。
 環境・社会に大きな影響を与える可能性が高い特定のセクター等に対する投融資については、以下の方針に基づき適切に対応しています。

■ 特定セクター等に対する投融資方針

 

1.石炭火力発電

石炭火力発電所の新規建設及び既設発電所の拡張を資金使途とする投融資は原則として取り組みません。ただし、例外的に取組みを検討する場合は、所在国のエネルギー政策・事情、発電効率性能、環境・社会への影響等を総合的に勘案したうえで、個別案件ごとに慎重に判断します。

 

2.森林伐採事業

森林伐採を伴う事業に対する投融資を検討する場合は、国際認証の取得状況、生物多様性や生態系への影響、環境・社会への配慮等を確認したうえで、個別案件ごとに慎重に判断します。

 

3.パーム油農園開発

パーム油農園開発事業に対する投融資を検討する場合は、国際認証の取得状況、生物多様性や生態系への影響、環境・社会への配慮等を確認したうえで、個別案件ごとに慎重に判断します。

 

4.クラスター弾等の
  非人道兵器の製造

クラスター弾等の非人道兵器の製造に関与していると認識した事業に対する投融資は、資金使途を問わず取り組みません。

 

5.人権侵害

人身売買、児童労働、強制労働等の人権侵害に関与していると認識した事業に対する投融資は、資金使途を問わず取り組みません。

(4) 指標と目標

① 気候変動への取組み

a.CO2排出量

 当社は、2022年3月、グループのCO2排出量削減目標「2030年度までにカーボンニュートラル(対象:Scope1、Scope2)」を策定し、その達成に向けて、事業活動を通じたCO2排出量の把握に努めるとともに、CO2排出量の削減に取り組んでいます。
 なお、当社グループの中核子会社である株式会社西日本シティ銀行における2021年度のCO2排出量は11,530t-CO2(2013年度比△36.4%)となりました。

■ CO2排出量の内訳

 

 

単位

2021年度

 

Scope1(直接排出)

t-CO2

599

 

Scope2(他社供給電気等の使用による間接排出)

t-CO2

10,931

 

t-CO2

11,530

 (注)1 「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」(1979年法律第49号)の定期報告書の基準に準拠した実績値です。

2 当連結会計年度(2022年度)のCO2排出量は本報告書提出時点では算出中です。算出結果は、当社ウェブサイト(URL https://www.nnfh.co.jp/shareholder/ir/disclosure.html)において、2023年7月に公表予定の「統合報告書2023(ディスクロージャー誌 本編)」をご参照ください。
 

b.サステナブルファイナンス実行額

 当社は、2022年3月、環境関連融資や創業支援等の持続可能な社会の実現に資するファイナンスを「サステナブルファイナンス」と位置付け、グループの実行額目標「2021年度から2030年度までに累計2兆円」を策定し、その達成に向けて、お客さまの気候変動対応をはじめとする環境・社会課題の解決支援に取り組んでいます。
 なお、2022年度までのサステナブルファイナンスの累計実行額は5,436億円となりました。
 

② 人的資本・多様性への取組み

 当社グループは、上記「(2) 戦略」において記載した、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いています。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりです。

a.人財の育成に関する方針に係る指標

 

コンサルティング人財の育成

目標(2026年3月末)

実績(2023年3月末)

 

 

スペシャリスト

30人

18人

 

コア人財

300人

105人

 

DX人財の育成

目標(2026年3月末)

実績(2023年3月末)

 

 

スペシャリスト

90人

13人

 

コア人財

1,100人

501人

(注) 「スペシャリスト」「コア人財」の区分については、専門資格の取得状況や業務経験等の要件をもとに
    社内において認定しています。
 

 b.社内環境整備に関する方針に係る指標

 当社グループの社内環境整備に関する方針のもと、各連結子会社において課題に応じた施策をそれぞれ展開していることから、代表として当社グループの中核子会社である株式会社西日本シティ銀行の指標を記載しています。

ⅰ 女性管理職比率

2023年3月末時点の女性管理職比率は14.2%です。これまで、中堅の女性行員を中心に実施してきたキャリア形成支援プログラムの対象層の拡大等を通じて、2026年3月末にはこの比率を向上させることを目標としています。

ⅱ キャリア採用者数

2020年4月から2023年3月末までの3か年におけるキャリア採用者数は43名です。今後もDX人財や士業等、高度な専門知識・スキルを有するプロフェッショナル人財を積極的に採用し、2026年3月末までに43名の2倍超となる87名以上(2023年4月から2026年3月末までの3か年における採用者数)の採用を目標としています。

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