西川ゴム工業 【東証スタンダード:5161】「ゴム製品」 へ投稿
企業概要
当社は2021年に『西川ゴムグループ 2025年中長期経営計画』を策定・公表し、目標に向けてスタートを切りました。しかしながらその後の経営環境は、新型コロナウイルス感染症の世界的パンデミックの長期化や、半導体の不足、ウクライナへのロシア侵攻開始、記録的な円安など、これまでに無い大きな外部環境の変化に見舞われました。しかしステークホルダーの皆様のご支援により、これらの苦境を乗り越える事ができました。
それら複雑に変化した経営環境に、グローバルでフレキシブルに対応すると同時に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を取り入れ、SDGsやESGなどのサステナブル経営との融合性を高めて、当社の企業価値向上と持続可能な社会に貢献すべく、ここに新たな『2030年 グローバル中長期経営計画』を策定いたしました。
今後当社は『全員経営』と『弾力発想。』で新たな目標に向けスタートいたします。
『2030年 グローバル中長期経営計画』ロードマップ
2030年中長期 財務目標(連結)
当社は、資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、自社の資本コストを把握し、それを上回る収益性を目指すべく、ROEに加えて、新たに連結ROICを経営のKPIとして追加しました。これらの目標を達成することで、さらなる企業価値の向上を目指します。
※1 当社は従来、株主資本を分母としたROEを目標としておりましたが、今後は自己資本を分母としたROEに変更し、株主資本コストを上回るROEを目指します。
※2 当社は従来、総資産営業利益率(ROA)を経営指標としておりましたが、資本コスト経営導入に際し、投下資本利益率(ROIC)を新たな指標として設定し、加重平均資本コスト(WACC)を上回るROICを目指します。
2030年に向けた主な取組み
| 戦略 | 施策 |
グローバル成長戦略と収益性の向上
| ウェザーストリップ製品の売上拡大による収益性と効率性の向上 | AI活用による設計開発力の向上 静音・軽量差別化製品開発とブランド化 卓越した技術で競争優位を確立しシェアを向上 新規顧客開拓を推進 |
新規分野、新事業への進出による売上の拡大 | 既存技術とシナジー効果が出せる分野及び製品の開発 | |
製造原価低減による収益性とフリーキャッシュフローの向上 | 生産技術DXや自働化によるプロセスイノベーションの推進 | |
資産の効率化と キャッシュアロケーション | 政策保有株式の見直し | 政策保有株式の縮減 売却を検討し、成長投資に配分検討 |
配当性向の見直し | 成長投資、持続可能投資と、株主還元の両立を推進 | |
経営基盤の強化 | 人的資本投資、生産工場、設備の更新・増強検討 | |
資本コストの低減と企業価値の向上
| SDGs/ESG 非財務マテリアリティを設定し、積極的活動と開示を行う | CSV経営を浸透させ、経済的価値と、社会的価値の同時実現を目指し、ESG活動を推進 |
コンプライアンス管理の徹底とサステナブル経営パフォーマンスの向上 | CSR審査の第三者機関に評価して貰い客観性を担保 | |
企業の認知度を上げる 分かり易いIR/SRを目指す | テレビCMや、メディアの積極活用 決算資料の刷新、投資家との対話の深化 年1回以上の資本コスト経営の実現状況の開示 |
サステナブル経営の推進(非財務目標)
当社は、下記のプロセスを経て重要課題(マテリアリティ)を特定し、新たに目標項目と目標値を定めました。
| 重要課題 (マテリアリティ) | 目標項目 | 2030年目標 (国内) |
Environment 環境 | 脱炭素企業への挑戦 | CO2排出量 Scope1+2 | 2013年度比 46%減 |
産業廃棄物発生量の最小化 | 産業廃棄物発生量 | 2013年度比 55%減 | |
Social 社会 | ダイバーシティ & インクルージョン | 女性管理職比率 | 15.0%以上 |
障がい者雇用率 | 法定雇用率を上回る 雇用率 | ||
働き方改革 | ワーク・エンゲイジメントスコア | 69%以上(当社基準) | |
Governance 企業統治 | コーポレートガバナンス 体制強化と コンプライアンスの徹底 | 重大法令違反件数 | 0件/毎年 |
サイバーセキュリティー 強化 | 重大インシデント件数 | 0件/毎年 |
社内調査報告書への対応
当社は2024年8月16日付「当社連結子会社における棚卸資産の計算等に関する調査結果及び再発防止策の策定に関するお知らせ」において公表しましたとおり、ニシカワ・シーリング・システムズ・メキシコ S.A. DE C.V.において棚卸資産の計算等に関して疑義が生じた背景および原因について、外部の専門家の協力を得て社内調査を進めてまいりました。
その結果、棚卸資産に関する単価・数量・決算整理仕訳の誤り等による棚卸資産の過大計上が判明いたしました。
その原因については、①試算表と在庫明細の差異に係る手入力仕訳の査閲・承認が適切に行われていなかったこと、②本件子会社で使用する在庫管理システムにおける棚卸資産の単価設定を変更できるアクセス権限が適切に管理されていなかったこと、③棚卸資産の勘定内訳明細の網羅的な作成不足、④棚卸実施時のロケーションと在庫リストの網羅性の確認が不足していたこと、等がありましたが、当社による本件子会社の内部統制に係る管理・指導等にも課題があったと結論付けております。
また、当社の国内外の連結子会社全14社における類似事案を調査したところ、本件子会社以外の1社の棚卸資産残高について、単価入力のミス等により過大計上となっていることが判明いたしました。なお、調査の過程で不正の兆候は検出されておらず、誤謬による過大計上であると結論付けております。
当社は財務報告に係る内部統制の整備および運用の重要性を認識しており、再発防止策を通じて、内部統制に係る管理体制の見直しとさらなる機能強化を図ることは、財務報告の信頼性回復は言うまでもなく、新中長期経営計画を達成し、企業価値の向上を実現するために必要不可欠であると考えております。
今後、本件に関する個別業務の局所的な対処に留まることなく、本質的な再発防止に取り組むことで、株主をはじめとしたステークホルダーの皆様からの信頼回復に努めてまいります。
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