企業翻訳センター東証スタンダード:2483】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは「産業技術翻訳を通して、国内・外資企業の国際活動をサポートし、国際的な経済・文化交流に貢献する企業を目指す」ことを企業理念に掲げ、高い顧客満足度の得られるランゲージサービスを提供することにより、顧客の企業価値・競争力向上に貢献してまいります。また、全てのステークホルダーの皆様の満足度を高め、透明性の高い経営を推進し、企業価値を向上させてまいります。

(2)経営環境

 当社グループは専門特化型の翻訳サービスを提供する翻訳事業を中核に、翻訳者や通訳者などの人材を顧客企業に派遣する派遣事業、中小規模の国際会議や企業内会議における通訳の請負業務を行う通訳事業、国際会議・国内会議(学会・研究会)やセミナー・シンポジウム、各種展示会の誘致・企画・運営を行うコンベンション事業を展開しております。

 また、当社グループは、各事業が有する高い専門性や技術・ノウハウに加え、専門特化サービスの集合体としての強みを活かした付加価値の高いランゲージサービスを提供することで、顧客企業のグローバルコミュニケーション構築を包括的に支援しております。

 翻訳業界では企業のグローバル展開を背景に市場は堅調に推移しております。近年ではAI技術の向上で機械翻訳を活用した新しい商品・サービスの開発が進んでおり、市場環境は大きな変革期を迎えております。派遣業界では企業の人材不足を背景に需要は底堅い状況にありますが、テレワークの普及による顧客企業の需要の多様化と求職者のワークスタイルの変化には引き続き注視が必要です。通訳業界では、経済活動の正常化を背景に、ICTの利便性が享受できるオンライン通訳サービスの需要に加え、対面での通訳機会の増加が期待されます。

 当社グループは、多様化・高度化する顧客ニーズに迅速かつ柔軟に対応し、顧客企業にとって最適かつ価値あるサービスを追求することで、グループの持続的な成長を目指してまいります。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループが外部環境の変化や需要を的確に捉え、持続的な成長を続けるためには中核事業である翻訳事業を中心に、人材の育成に加えデジタル技術を活用したサービスの展開が不可欠だと認識しております。

① 翻訳事業

 企業のグローバル展開が加速し、外国語ニーズの拡大が見込まれる中、当社は設立以来、専門分野に特化した人手による翻訳サービスで成長してまいりました。一方で機械翻訳の飛躍的な精度向上を受け、先の中期経営計画(2019年3月期から2021年3月期まで)では機械翻訳の戦略的な活用を重点施策に据え、中長期的な競争力を支える言語資産の蓄積と運用に向けた環境の構築に取り組んでまいりました。具体的には、分野特化型機械翻訳「製薬カスタムモデル」の開発・販売をはじめ、人手翻訳の技術・ノウハウと機械翻訳などのデジタルテクノロジーを組み合わせたサービスを提供するなど、重点施策を着実に推し進め、競争優位性を高めてまいりました。

 当社を取り巻く事業環境はワークスタイルの変化やデジタルテクノロジーの進展などによって大きく変化しており、社会の変容を的確に捉えた中長期の戦略構築に取り組んでいく必要があると認識しております。

 こうした中で先の中期経営計画の成果と課題、経営環境の変化を踏まえ、2023年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を策定いたしました。現中期経営計画では、各種業界ごとに求められる専門性の深化に加え、新たにドキュメント別の専門性の追求も推し進め、顧客シェアのさらなる拡大に取り組んでおります。またデジタルテクノロジーの進展に伴う市場変化や顧客企業のニーズを的確に捉えた、新しいサービスを開発・提供できる体制づくりも推し進め、顧客企業との長期的、安定的な関係の構築を目指しております。2025年3月期は現中期経営計画の最終年度となります。各施策を具体的な成果につなげるべく、取り組みを進めてまいります。

② 派遣事業

 サービスのデジタル化が加速し、多様なワークスタイルが浸透する中、派遣事業の顧客企業においてもニーズが多様化しております。売上の源泉となる通訳者・翻訳者の確保と拡充に向け、当社グループの通訳者・翻訳者養成スクール「アイ・エス・エス・インスティテュート」と連携し、高度な語学スキルを備えた人材の養成にも注力してまいります。

③ 通訳事業

 海外からの入国制限の解除や国内における新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行を背景に、前期の通訳事業は過去最高の売上高を更新いたしました。オンラインでの通訳サービスが定着したことに加え、対面での通訳需要も増加傾向にあることから、さらなる業績の向上が期待できます。需要獲得に向け、顧客企業のニーズに寄り添ったサービスを提供し、顧客企業との関係性強化に努めてまいります。またコンベンション事業につきましては、 今後独立した事業としてではなく、当該事業を通訳事業に取り込むことで通訳事業のサービス向上に努めてまいります。

 当社グループは、これらの課題に真摯に取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。

(4)目標とする経営指標

 当社グループでは、お客様にご満足いただけるサービスの提供及び収益の安定化に向けて、売上高、営業利益、当期純利益の業績目標と売上高営業利益率、自己資本利益率(ROE)の経営指標を定め、それらの向上に取り組んでおります。

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