企業兼大株主群栄化学工業東証プライム:4229】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、主力製品であるフェノール樹脂及び澱粉糖関連の基盤技術の深化を継続するとともに、周辺技術の調査研究を進め、獲得した技術を新規基盤技術と位置づけ、その拡張と充実を図っております。さらに、産官学連携による新たな技術の創生、社会実装に向けた取り組みも積極的に進めており、社会のSDGs達成及びカーボンニュートラルに貢献する、環境、デジタル、健康の各テーマの技術開発、新製品開発に積極的に取り組んでおります。一方、GCIグループ内でも連携を強化し、市場ニーズの取り込み及び技術シーズに基づく開発を推進しております。

 当期売上高に対する新製品売上高比率は14%(当連結会計年度末現在、上市後5年以内の製品)でした。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は1,337百万円であり、セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。

[化学品事業]

 電子材料、機能性材料及び環境対応材料等の材料開発に鋭意取り組んでおり、材料設計技術としてのポリマー分子構造設計、アロイ、ブレンド、成形加工及び実用性評価技術に注力し、半導体、電気・電子、自動車及び工業材料分野への新製品上市を進めております。

 当連結会計年度では、電子材料分野においては成長分野である半導体の製造時に使用される感光性材料用途に向け、分子設計、低メタル化技術を深耕するとともに、近年進めているプロセス内の二酸化炭素排出量低減技術を展開、国際競争力のある高純度高機能樹脂製品の開発に注力して参りました。今後さらなる伸長が期待される同市場向け材料に関して、高性能化、高品質化を加速させ、次世代材料開発を鋭意進めております。

 また、Society5.0推進に必要な高速通信で使用される電子機器では、通信速度低遅延化、電気信号低減衰化及び発熱対策の為、低誘電率、低誘電正接、高耐熱性、さらには放熱性(高熱伝導性)の各特性を有する絶縁材料が求められます。当社グループでは、5G、6Gに対応する樹脂開発を進めております。開発樹脂は電気特性(低誘電率、低誘電正接)が良好であり、さらに基材への密着性、主剤・添加剤との相溶性に優れた特徴を有しており、主にCCL用途に展開中です。また、高熱伝導性を有する開発樹脂は学会等でも注目を集め、初期流動を開始し今後の伸長が期待されています。

 摩擦材(ブレーキ用途)用樹脂では特殊フェノール樹脂「ミレックス」を軸に、環境対応型樹脂の開発や顧客提案を進めております。「鳴き」「振動」「防錆」の課題解決を図り、乗用時の快適性向上に貢献するとともに、製造プロセスでの二酸化炭素排出量削減に貢献する性能向上の実証が進み、海外の展示会でも高評価を頂いております。

 高機能フェノール樹脂繊維「カイノール」は、炭化・賦活した活性炭繊維(ACF)の吸着速度が速く、さらに各種活性炭繊維の中でも比表面積と繊維強度が高く、細かく均一な孔が空けられる事が特徴であり、特定の除去したい物質を速やかに吸着できる特性を有しています。これらの特性が環境浄化に役立ち、需要が高まっております。市場ニーズに応えるべく、製品の高品質化、高機能化、高性能化の検討を継続しております。

 近年当社では、基盤である化学と糖に関する技術を融合したグリーンケミストリーの実現により、環境問題などの社会的課題を解決しSDGs達成に向け貢献するソリューション提供を目指し、環境配慮型製品の開発、顧客提案を工業材料各用途で推進中です。大学など外部機関との共同研究の取り組みも積極的に進めております。一例として、「糖の骨格をベースとした水溶性フォトレジスト原料」技術に関する研究に取り組み、さらに応用検討を重ね、学会や展示会での発表を経て、サンプルワーク、顧客提案を進め、着実に進歩を続けております。

 当連結会計年度に係る化学品事業の研究開発費は1,261百万円であります。

[食品事業]

 近年、当社グループにおいては、機能性食品分野に対して穀物液化糖化技術を活用した商品開発を進めて参りましたが、さらに大学等との連携により新たな機能を見出すべく研究開発に取り組んでおります。

 こうした機能性食品開発に加え、前述のグリーンケミストリーを「糖ケミカル」と呼称し、製品拡充、高付加価値化に向け、当社の強みである2つの基盤技術領域をオーバーラップさせた新たな基盤技術の構築に注力し技術開発を進めております。活動の一環として天然物を用いた化粧品原料開発を展開しております。現在化粧品市場では天然物を利用した製品の指向性が高まっています。糖類の多くは水溶性であり保湿性などの機能がありますが、さらに付加価値を付けるべく、当社がこれまで培ってきた糖鎖に関する知見、化学合成技術や分析技術を融合させた商品の開発を目指しております。先行して開発・販売を行って参りました化粧品原料用途向けの糖誘導体は、グループ会社内で量産を開始しました。さらに新規商品をスピーディーに上市するために、化粧品としての評価技術確立に取り組んで参りました。構築した評価技術をもとに糖鎖を用いた新たな保湿性化粧品原料「GS-HAG3」を開発し、市場へのサウンドを開始しております。現在複数社から採用をいただき、今後さらに幅広く市場へ展開してまいります。糖鎖の化学は奥が深く、さらに多くの研究開発テーマがあるものと考えており、引き続きGreen分野での飛躍を目指し挑戦してまいります。

 当連結会計年度に係る食品事業の研究開発費は76百万円であります。

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