第一屋製パン 【東証スタンダード:2215】「食品業」 へ投稿
企業概要
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスクの内容及び経営方針・経営戦略との関連等から、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項は以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年12月31日)現在において、当グループが判断したものであります。
(1)食の安全性と品質管理について
お客様に安心して食べていただける商品を提供すべき企業として、食品の安全性と品質管理については、一般財団法人食品安全マネジメント協会が発行するJFS-B規格について、高崎、金町、小平、大阪空港の全4工場が2020年度末までにその認証を取得しました。
また、金町工場及び小平工場冷凍ケーキラインにおいては、2022年に食品安全マネジメントシステムに関する国際規格FSSC22000の認証をグループ会社であるスリースター製菓株式会社に続いて取得しています。残りのパン工場についても引き続き国際規格であるFSSC22000の取得を目指してまいります。
当グループは、取得した認証の遵守に努め、食品安全管理体制の強化を徹底させ、万全の態勢で臨んでおりますが、上記の取り組みの範疇を超えた事象が発生した場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)原材料の価格及びエネルギーコスト並びに運送コストの変動について
当グループにおける売上原価に占める原材料等の割合は高く、小麦粉・砂糖・油脂・鶏卵等の安定的な調達や価格の維持に極力努めておりますが、市場動向や異常気象等によりもたらされる価格高騰が、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、工場操業のエネルギーである電力・ガスの料金は製造経費に占める割合が高く、市場動向による電気代・ガス代の単価の高騰が、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
更に、当グループにおける販売費に占める運送コストの割合も高く、ドライバー不足や法令改正による人件費の高騰、原油高など運送コストの増大、あるいは取引先主導による配送システムの大幅な変更などにより、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)競合するパン市場について
パン業界の状況については、人口減少による需要減など市場の大きな成長が期待できない中、消費者の節約志向・低価格志向を受け、同業他社との価格競争や販売シェア獲得競争により大変厳しい状況となっております。
当グループといたしましては、業務用商品やコンビニエンスストア等の販路開拓を進めるとともに、魅力ある商品をお客様に提供できるよう競争力強化に取り組んでおりますが、他社商品との厳しい競合の結果、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)自然災害について
地震や台風等の自然災害が発生し、生産設備の破損、物流機能の麻痺等により生産拠点の操業に支障が生じた時は、他の生産拠点からの商品供給等を受ける対応をいたしますが、当グループの工場が集中している関東地区で危機管理対策の想定を超える災害が発生した場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)保有資産の価値変動
当グループが保有する様々な資産について、土地などの資産価値が下落することにより減損処理が必要となる場合があり、減損した場合、当グループの業績・財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)労働安全衛生上の問題について
当グループは人員採用・多能工化推進・労働法令遵守に努めておりますが、労働安全衛生上の問題が発生した場合、当グループの業績・信用に影響を及ぼす可能性があります。
(7)その他の主なリスクについて
当グループは日本国内で事業を展開しておりますが、以下のようなリスクがあります。
これらの事象が発生した場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
①取引先の経営破綻
②生産設備の火災等の事故
③各種の法的規制の改廃
④必要物資の品不足の発生
⑤過度な人材獲得難
⑥外部からの賠償請求
(8)各種リスクへの対処
当グループでは、事業等に関するリスクを経営課題と捉え、定期的に総務部長を中心にリスク管理の状況を見直しており、当社及び子会社の損失の危険を含むリスクを総括的に管理するとともに、「取締役会規則」に基づき、取締役会に報告しております。
特に、食の安全性と品質管理に係るリスクを最重点項目とし、前記食品安全管理体制の強化に加えて、全工場にて国際規格であるFSSC22000の取得を目指してまいります。
また、その他のリスクについても、管掌となる各部門にて現状をモニタリングし、対応マニュアルを整備するなどの手当をしておりますが、リスクの発生による非常事態においては、原則毎週開催している代表取締役社長、取締役副社長、経営企画室長、総務部長及び人事部長で構成される経営会議を緊急で招集するなど、経営陣が先頭に立って、リスクマネジメントを推進しております。
(9)継続企業の前提に関する重要事象等
当社は、前連結会計年度(2022年12月期)において、以下のとおり継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しておりました。
・2017年12月期より前連結会計年度まで、6期にわたり営業損失を計上していたこと
・2021年12月期及び前連結会計年度において、流動負債が流動資産を超過していたこと
当社は、当該状況を解消するために、生産効率の向上を目的とした横浜工場の閉鎖による関東生産拠点の集約、為替変動やエネルギーコスト及び原材料価格のコスト上昇に対応するための商品価格改定の実施、商品力・販売力の向上を目的とした主力のロングセラー商品のリニューアルやキャンペーンなどの販売促進等により、当連結会計年度において、営業利益597百万円、経常利益617百万円、親会社株主に帰属する当期純利益474百万円を計上しました。
翌連結会計年度においては、ドライバーの時間外労働の制限による物流費等の高騰やエネルギー価格の更なる高騰等のコスト増が想定されますが、関東生産拠点の集約効果や商品価格改定の効果は継続すること、DPS活動を継続し、省力化運営体制を構築するための戦略的な設備投資等を実施することで十分対応可能であることから、翌連結会計年度以降も継続して営業利益を計上できる体制となりました。
一方、当連結会計年度末日において、流動負債は7,635百万円、流動資産は7,378百万円であり、流動負債が流動資産を257百万円超過しています。翌連結会計年度中に横浜工場跡地の事業用定期借地権設定契約に伴う賃貸収入や現在検討中の保有資産の流動化により、上記の超過額を上回る収入が予定されていることから、翌連結会計年度末においては流動資産が流動負債を超過する予定です。
これらの状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が解消し、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められなくなったと判断しております。
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