第一実業 【東証プライム:8059】「卸売業」 へ投稿
企業概要
1 サスティナビリティ全般
当社グループは、「人をつなぎ、技術をつなぎ、世界を豊かに」を経営理念に掲げ、新しい時代を担う商社として、世界の様々な現場に寄り添うビジネスを展開しております。経営基盤を強化し、環境・社会・ガバナンスの重要課題に、事業活動を通じて積極的に取り組むことで企業価値を高めてまいります。更に、当社グループは、企業の社会的責任を果たしながら持続的かつ利益ある成長を追求し、ステークホルダーの皆さまとともに、発展していくことを目指してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) ガバナンス
当社では、持続的な成長を確保することを目的として、2022年4月にサステナビリティ委員会を設置し、気候変動を含むサステナビリティに関する事項を審議しております。また、2023年4月にサステナビリティ推進部を新設し、当社グループ全体の取り組みを推進させることといたしました。
サステナビリティ委員会は、社長執行役員を委員長とし、CSuO(Chief Sustainability Officer)である常務執行役員が推進責任者を務めております。同委員会は、年2回程度開催され、サステナビリティに関する方針を定めるとともに、社内の取り組みを定期的にモニタリングし、今後の取り組みに対する審議・検討を行っております。また、審議内容については取締役会に報告され、取締役会では独立社外取締役の視点も入れた上で、サステナビリティの取り組みの評価を行っております。
(2) リスク管理
当社のリスク管理は、リスク管理委員会を中心として行われ、サステナビリティに係るリスクについても、同委員会の議案として取り上げられております。但し、気候変動リスクを含む重要かつ優先的に取り組むべきリスクについては、サステナビリティ委員会のモニタリングを受けております。また、リスク管理委員会は、リスク管理を効果的かつ効率的に実施するために、リスク管理規程に基づき、その他のリスクと併せて、当社戦略に沿った気候変動リスクの管理を行っております。
(3) 戦略
持続的な成長を維持していくために重点的に取り組むマテリアリティについて、次の手順にて特定しました。
STEP1:SDGsやISO26000等の国際的なガイドラインを参照しつつ、ステークホルダーの視点と、当社
グループにおける各セグメントの事業戦略をもとに課題を広範囲に抽出し、環境(E)、社会・経済
(S)、ガバナンス(G)の側面で分類しました。
STEP2:STEP1でリストアップした課題について、ステークホルダーにとっての重要度(縦軸)と当社グルー
プにとっての重要度(横軸)の2軸からなるマトリックスを用い、重要性の高い課題から並べて優先順位付けを行いました。
STEP3:特定プロセス、マテリアリティ及びマトリックスについて経営会議、取締役会において意見交換を行
い、妥当性を確認しました。取締役会での審議を経て承認を得たマテリアリティは、以下のとおりであります。
・持続可能な地球環境への貢献
・産業の持続的な発展への貢献
・健康で安全、安心な暮らしへの貢献
・多様な人材の活躍推進
・経営品質の向上
当社グループは事業活動を通じて、SDGs達成への貢献と環境、社会、経済それぞれの価値の創出に取り組んでまいります。
(4) 指標及び目標
マテリアリティに対する目標は以下のとおりです。関連指標・KPIについては、今後検討してまいります。
マテリアリティ | 目標 |
持続可能な地球環境への貢献 | ・脱炭素社会の実現 ・資源循環型社会の実現 ・自然環境の保護 |
産業の持続的発展への貢献 | ・AIと次世代通信技術の活用 ・スマートファクトリーの推進 ・安全、安心な製品の提供 |
健康で安全・安心な暮らしへの貢献 | ・社会インフラによる安全性向上 ・高品質製品の開発と安心の提供 |
多様な人材の活躍推進 | ・健全な職場環境 ・持続的な能力開発 ・タレントマネジメント |
経営品質の向上 | ・内部統制とガバナンス強化 ・リスクマネジメント ・社会への貢献と調和 |
2 気候変動
(1) ガバナンス
当社は、2004年1月よりISO14001に基づく、環境マネジメントシステム(EMS)を運用し、環境負荷低減を組織的に推進しております。トップマネジメントは社長執行役員、管理責任者は総務本部長と定め、環境方針に基づきEMS推進委員会を中心にPDCAサイクルにより、継続的な改善に取り組んでおります。こうした仕組みを通じて、気候変動についても、リスクと機会の両面から取り組みを加速させております。
なお、TCFD提言に基づく戦略の開示については、今後対応してまいります。
(2) リスク管理
上記1(2)に記載のサステナビリティ全般のリスク管理をご参照ください。
(3) 戦略
当社は、持続可能な地球環境への貢献をマテリアリティの一つとして、特定し、脱炭素社会の実現を目標として掲げております。自社の削減目標として、Scope1、2の削減率を定めるとともに、成長戦略Ⅴ2030の投資戦略に脱炭素を取り込むなど、事業を通じた取り組みを開始しております。
具体的には、愛知県田原市でのバイオマス発電会社への出資や、バイナリー発電装置の導入推進、環境負荷低減を図るアンモニア製造技術を有する企業への出資などの取り組みを行っております。
(4) 指標及び目標
当社グループの、気候変動リスクに関する指標及び目標、並びに実績は、次のとおりであります
項目 | 目標 | 2021年度実績(t-CO2) |
Scope1及びScope2 | 2030年度までに2020年度の温室効果ガスの排出量(1,617.37t-CO2)を46%削減、2050年度までに、ネットゼロを目指す。 | 1,617.09 |
※ Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
排出量の算定に関しては、当社及び国内外連結子会社を範囲としますが、小規模で全体への影響が限定的な拠点については除外しております。また、海外現地法人における現地スタッフの自家用車使用に伴う排出量は、その推計値を、Scope1及びScope2から除外しております。
3 人的資本
(1) 戦略
人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針
当社は、2022年に「人をつなぎ、技術をつなぎ、世界を豊かに」をミッションとする新たな経営理念を制定しており、多様化するニーズにあって、先進的な技術や高品位なサービスを活かした提案力により、「次世代型エンジニアリング商社」をあるべき姿として目指しております。
これらを基に、下記のとおり方針を策定し推進しております。
■人材育成方針
「環境の変化に対応できる、しなやかさと強さを兼ね備えた人材の育成と組織形成」
■社内環境整備方針
「高度専門性」「自律」「多様性」「健康経営」を軸に「採用」「研修・教育」「制度」の深化・充実を図る
これらにより、社員一人ひとりを「自ら考え、周囲に働きかけながら、実現に結び付ける」ビジネスパーソン志向を備えた人材とするべく、長期的な視点で育成することで、人的資本への投資と持続的な企業価値向上の両立を目指してまいります。
また、人的資本経営による社員の成長を、当社事業における基礎体力の向上と従業員の労働意欲に結び付けることで会社の成長エンジンとし、当社の企業価値向上につなげ、ステークホルダーの皆さまへ還元してまいります。
・当社事業基礎体力の向上
入社5年目までの人材については、ビジネス基礎の習得を目的として公的資格取得に向けた研修や階層別教育を実施いたします。
中堅人材については、ビジネス応用力の習得を目的として、キャリアデザインに応じたリスキル講習や当社風土に基づいた研修を実施いたします。
また、当社が標榜する次世代型エンジニアリング商社の実現を目的として、新入社員研修の段階から設備納品時に必要とされる項目について安全教育を実施し、専門性を高めてまいります。
・従業員の労働意欲や成長意欲の向上
当社は7つの事業領域において事業を行っており、様々な市場・業界でビジネスを推進していることから顧客や仕入先の風土も多岐にわたっており、多様性への理解を深めることが「稼ぐ力」となります。
そのため、多様性推進を目的とし、女性活躍の環境整備と採用活動の多角化を進め、中核的人材における女性比率の向上と外国籍人材や中途人材の採用を推進してまいります。
また、従業員のエンゲージメントや健康の増進を目的に、働き方改革に係る各種の施策を推進し、エンゲージメント調査を進めてまいります。
・幹部候補の経営力向上
上記に加えて、幹部候補の育成を目的に、実践経験の場として海外駐在を計画的に推進し、経営感覚を持った人材の増進を進めてまいります。
(2) 指標及び目標
人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標
2024年3月期に向けて、下記関連指標・KPIを公表してまいります。
目的 | 期待される効果 | 関連指標・KPI |
当社事業基礎体力の向上 | 入社5年以内人材へのビジネス基礎の習得 | ・従業員一人あたり教育費 ・売上における教育研修比率 |
中堅人材へのビジネス応用力醸成 | ||
次世代型エンジニアリング商社実現に向けた高度専門性強化 | 職長教育受講者数 | |
従業員の労働意欲や成長意欲の向上 | ・多様性推進→他者尊重風土 ・多様性を「稼ぐ力」に | ・中途入社者比率 ・外国籍社員比率 ・総合職に占める女性比率 |
・従業員エンゲージメント向上 ・従業員の健康増進 | ・エンゲージメント調査結果 ・有給休暇取得率 | |
幹部候補の経営力向上 | 経営感覚を持った幹部候補育成 | 海外駐在経験者比率 |
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