企業竹本容器東証スタンダード:4248】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、現時点において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。

 当社グループを取り巻く経営環境は新型コロナウイルス感染症に伴う経済社会活動の停滞から正常化がさらに進み、景気回復の傾向がみられました。また、個人消費を中心に緩やかな回復基調が続く中、原材料価格の上昇は落ち着きをみせているものの、エネルギー、人件費などのコストの上昇により依然として景気の先行き不安感が継続しております。また、中国においては、個人消費の低迷により、本格的な景気回復に至らない状況が継続しております。
 このような状況において、当社グループは生活上必要不可欠な容器-カタチ(容)あるウツワ(器)-をつうじて、お客様の商品である内容物の価値を安全に包み、さらにその価値と個性化を高め「世界の器文化に貢献」することを使命とし、お客様の求める商品価値の創造とより高い満足を目指して、Standoutなパッケージングソリューションを提供しております。
  また、当社グループは自然に還りやすい「生分解性樹脂」の容器を開発して以来、植物由来のバイオマス原料やリサイクル原料を使用した製品、付替・詰替機能の付加により繰り返し使用できる製品、樹脂原材料の使用量を削減した製品など、資源循環型パッケージングカンパニーを目指して幅広くラインナップするとともに新たな容器開発も進めております。このような状況のもと、当社グループは、「お客様の商品である内容物の価値を安全に包み、さらにその価値と個性化を高め世界の器文化に貢献」することを会社の使命と認識し、「お客様の求める商品価値の創造とより高い満足を目指し、Standoutなパッケージングソリューションを提供すること」を中長期の目標としています(Standoutは「際立つ・優れた」の意味です)。
 当社グループでは、お客様の商品へ際立った価値を提供する「Standout」の更なる強化が重要と認識しており、世界的に環境問題への意識が高まる中、「資源循環型パッケージングカンパニー」を目指した「2030年ビジョン」を設定しております。
 この2030年ビジョンでは、「スタンダードボトルを中心に、アジア(日本、中国、インドを含む)、欧米で販売を伸長させ、グループの年間取引社数を7,500社、金型数を5,740型として、売上高300億円を目指す」という具体的な数値目標を設定しております。
 このビジョン達成のために、①圧倒的なスピードの実現、②資源循環型パッケージングを対象とする開発提案力の強化の2つの戦略を軸に掲げ、取り組んでおります。更に③アジアを中心としたグローバルな事業展開の推進、④人材採用及び育成についても、対処すべき課題として認識しております。
 
 対処すべき課題は、以下のとおりです。

① 圧倒的なスピードの実現
 当社グループの強みは、マーケティングから製品開発、生産、デリバリーの各プロセスのスピードに拘り、かつそれらを一気通貫体制で行うことで、お客様に圧倒的なスピードを提供する点にあります。当社グループでは、開発のデジタル化など一定の成果を上げているものの、従来以上にデジタル化を推進し、更なるスピードアップを図ってまいりたいと考えています。

(ア) 生産体制の強化
   深刻な人手不足の影響で、当社グループにおいても、特に生産部門において十分なスピードが発揮できていない状況が発生しています。この事態を打開すべく、省力化・省人化対応に向けた設備投資の実行は、当社グループが対処すべき重要な課題であると認識しております。
  (イ) 短納期への取り組み
  お客様の商品ライフサイクルの短縮化に伴い、提供する製品の開発から納品までの期間短縮ニーズは一層高まっています。当社グループでは容器の企画・開発、生産、カスタマイズから販売までの各プロセスをデジタルで繋げることで、他社にない圧倒的なスピードを実現し、お客様の短納期要望のニーズに対応してまいります。

(ウ) TOGETHER LABの活用推進
  優れた製品機能や充実したデザインによる開発提案をスピーディーに行うことは、お客様の幅広いニーズに対応する上で極めて重要です。
  当社グループでは、2020年4月に「TOGETHER LAB」を開設し、お客様と共に価値を生み出す「共創開発拠点」としてお客様にご利用いただいております。お客様が思い浮かべたイメージをCADや3Dプリンターを活用することで、その場で実物を手にできることからお客様から高い評価を得ています。スピード感あふれる開発拠点として今後更に活用を推進してまいります。

(エ)即納体制の強化
   ヨーロッパ市場向けEC取引において、即納体制を充実させるために、製品在庫数を増やしました。さらに2030年にはグループ全体の製品在庫数を、現在の2,057種類から、5,000種類以上の水準まで増やす予定です。今後は、在庫増に加えて、注文からデリバリーまでのスピードアップなど製品の即納体制を充実させ、更なる短納期の実現を目指します。

(オ)WEBマーケティング(Eコマース)の強化
  2023年11月に開設したヨーロッパ市場向けECサイトでは環境意識の高いお客様に対して、「資源循環型パッケージング」として後述しているReduce、Reuse、Recycle、Renewableのカテゴリーに分類して製品を紹介しています。ボトルとキャップの組み合わせで200個単位の販売を行っており、ヨーロッパ市場での取引顧客間口の拡大に貢献することを期待しています。今後は日本、インド、米国などの地域でも同様のEC展開も視野に入れております。
 
② 資源循環型パッケージングを対象とする開発提案力の強化
  「カーボンニュートラル(脱炭素)」や「サーキュラーエコノミー(資源循環経済)」など、環境に配慮した取り組みが世界的に浸透する中で、当社グループでは「資源循環型パッケージング」の市場が急激に伸びていくことを想定しております。このような外部環境認識をふまえ、2030年ビジョンにおいて「資源循環型パッケージングカンパニー」を目指すことをコンセプトの中核として掲げました。このコンセプトは、(ア)資源循環に適した素材(Materials)の積極的な活用、(イ)利用した資源の循環(Recycling)、(ウ)技術革新によるCO2排出量の削減(Innovation)の3つのテーマに重点を置いております。


(ア)Materialsについて
   Materialsでは、Renewable(再生可能原料)、Recycling(リサイクル原料)、Replace(石化代替原料)などの原料活用を実現していく方針です。
(イ)Recyclingについて
 Recyclingでは、資源循環の確立へ向けて使用済みの化粧品容器を対象としたBottle to Bottleの水平リサイクルの実証実験を開始いたします。
(ウ)Innovationについて
 Innovationでは、Reuse(付替/詰替)やReduce(軽量化)など、CO2排出量削減を推進する新製品開発を進めています。このReuseやReduceを推進するために、2030年までに金型保有数を現在の3,946型から5,740型まで増加させる計画で、金型の投資金額ベースにおいても、ReuseやReduceを含めて計画期間累計で約65億円規模を予定しております。
 このように金型の品揃えの点においても「資源循環型パッケージングカンパニー」として、お客様ニーズに的確に応えられる態勢を構築してまいります。
 
③ アジアを中心としたグローバルな事業展開の推進
(ア) 中国事業について
 中国市場は、不動産不況や消費マインドの後退を受けて、容器需要は想定を下回る水準となりました。加えて、競合他社の生産体制の強化等により、当社グループの相対的な競争力が低下し、受注が低迷しております。それにより工場の稼働率が低下したことから、二期連続の営業赤字を計上するに至っております。この状況を受け、当社グループとして、中国における開発戦略、生産戦略、営業戦略を見直し、黒字化に向けた施策を実行してまいります。
(イ) インド事業について
  インド市場は、化粧品の通信販売の著しい伸びなど、市場拡大の動きが顕著となっています。当社グループの特徴であるアイテム数の多さや品質面の安心感など、訴求ポイントが浸透し始め、取引顧客数も増加し、昨年の売上は過去最高を記録しました。高い需要に応えるべく、生産能力の増強を図り、一層の事業拡大と最終利益の黒字化に向けた施策を実行してまいります。
④ 人材採用及び育成
 企業として持続的な成長を目指す上で、人材の持つ重要性はこれまで以上に高まってきたと考えています。当社グループとして、人材採用と育成について、以下のように取り組んでまいります。
(ア)人材採用について
  採用市場の現状と将来予測、さらに当社の事業計画を加味したうえで中長期的な視点で人材を採用する方針です。少子高齢化が急速に進行している中、今後は若手の採用が一層厳しくなると想定されます。欠員補充といった採用ニーズだけでなく、会社規模の拡大、ノウハウの継承といった中長期的な視点でコア人材も積極的に採用してまいります。
(イ)人材育成について
  働くことの意義を問い直し、自発的で推進力のある組織への転換を図ってまいります。具体的には、新たに加入した社員や若手社員自身の「強み」を伸ばすための教育の実施、新規加入社員の早期戦力化、次世代のリーダー、幹部候補者の育成を念頭に置いた経営理念(ビジョン、ミッション、ストラテジー、ゴール、バリュー)の再徹底、階層別の研修、マネジメント層の育成などに取り組んでまいります。
 

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