企業兼大株主積水ハウス東証プライム:1928】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) 会社の経営の基本方針

 私たち積水ハウスグループは、企業理念として、根本哲学を「人間愛」、基本姿勢を「真実・信頼」、目標を「最高の品質と技術」、事業の意義を「人間性豊かな住まいと環境の創造」に据えています。

 根本哲学である「人間愛」とは、「人間は夫々かけがえのない貴重な存在であると云う認識の下に、相手の幸せを願いその喜びを我が喜びとする奉仕の心を以て何事も誠実に実践する事」であり、積水ハウスグループは、この「人間愛」に根差し、「真実・信頼」を旨として、「最高の品質と技術」の提供を通して、「人間性豊かな住まいと環境の創造」という使命を担ってまいります。

 このような企業理念のもと、1960年の創業以来、30年を一つの区切りとして、1990年までの第1フェーズでは、お客様の命や財産を守る「安全・安心」な住まいの提供に注力しました。続く2020年までの第2フェーズでは、住まい手にとって快適さと環境配慮を追求する住宅の提案を行い、新たな価値の創出を行ってきました。

2020年からスタートした2050年に向けた第3フェーズでは、“「わが家」を世界一幸せな場所にする”というグローバルビジョンならびに、“ハード・ソフト・サービスを融合し幸せを提案”、“積水ハウステクノロジーを世界のデファクトスタンダードに”、“ESG経営のリーディングカンパニーに”という3つのサブビジョンを掲げ、住まい手の「幸せ」につながる「健康・つながり・学び」を追求し、人生100年時代への住まい手価値の創出と持続可能な社会の実現を目指し、「住」を基軸に、融合したハード・ソフト・サービスを提供するグローバル企業へと着実に変革を進めてまいります。

 また、2024年には、積水ハウスグループ従業員が誇りと責任をもって行動するための道標として、“イノベーションで、新しい価値を生みだす。”“コミュニケーションで、アイデアを育てる。”“自律して、主体的に考え、動く。”“感性を大切に、技術と美意識をともに磨く。”“「世界一幸せな場所」のためのプロを目指す。”の5つの要素による「SEKISUI HOUSE_SHIP」を制定しました。世界中の積水ハウスグループ従業員とともに、「SEKISUI HOUSE_SHIP」を深めながら、グローバルビジョンの達成に向けて価値創造を紡ぎ続けていきます。


(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題ならびに中長期的な会社の経営戦略

 世界経済は、各国におけるインフレ率の低下と漸進的な政策金利の引き下げが景気の押し上げ要因として見込まれるものの、米国における経済政策の動向、ならびに為替変動や地政学リスクが、エネルギーや原材料価格及び調達コストに与える影響に注視が必要な状況が継続するものとみられます。

 国内の住宅市場では、資材価格や労務費の上昇を受けた建設費の高騰が需要を下押ししているものの、人生100年時代の到来によるライフスタイル・価値観の多様化、気候変動に伴う自然災害の激甚化、及び長期優良住宅の認定制度の見直しや建築物省エネ法の改正等を背景に、省エネルギー性能が高い住宅等、安全・安心と快適性・環境配慮を両立する高品質な住宅へのニーズが高まることが想定され、多様化する顧客のニーズへの対応が求められます。

 また、アメリカの住宅市場では、高水準で推移する住宅ローン金利の影響により住宅着工は調整局面にあるものの、安定的な人口増と良質な住宅の供給不足を背景とした潜在的な需要は強く、物価と金利水準の安定化とともに回復することが想定される新築住宅需要の顕在化への対応が求められます。

 当社は、このような事業上の課題認識に基づき、2050年を見据えたグローバルビジョン“「わが家」を世界一幸せな場所にする”の実現に向けて2023年3月に策定・公表した、「国内の“安定成長”と海外の“積極的成長”」を基本方針とする第6次中期経営計画(2023年度~2025年度)を推進していきます。

 当社グループのコアコンピタンスである「技術力」「施工力」「顧客基盤」と、商品・技術開発から、営業・設計・施工・アフターサービスまで、住まいづくりに関わる全てのプロセスを当社グループが担う独自のバリューチェーンを活かし、既存事業の深化と拡張を図ります。

 また、日本で培った積水ハウステクノロジーの移植による海外での事業展開や、社会・事業環境の変化への対応やデジタル技術の活用による新規事業の開拓と拡張を推進します。

 国内においては、戸建住宅ブランドの強化を図るべく、3ブランド戦略を深化させ、「SI事業」に取り組み、1stレンジの強化を図ります。また、徹底したエリア戦略に基づく高付加価値「シャーメゾン」ブランドの向上とともに、CRE(法人)やPRE(公共団体)事業を強化させることで事業領域を拡張させ、国内事業の安定成長を図ります。また、第5次中期経営計画からサービスを開始した、新しいライフスタイルの基盤「健康」「つながり」「学び」を住宅にインストールする「プラットフォームハウス構想」の推進やIoTの活用など、新規事業の開拓を継続・推進するとともに、DXを活用したサービスやマネジメント業務を新たに取り入れ、積水ハウステクノロジーとして国際事業に活かすなど、新規事業の拡張を目指します。

2025年2月には、当社の連結子会社である積水ハウス不動産グループ各社を、各事業の専門性強化を目的として仲介・不動産事業専門の積水ハウス不動産株式会社と賃貸事業専門の積水ハウスシャーメゾン各社に再編するとともに、当社アフターサービス事業を分社化し、当該事業を承継した積水ハウスサポートプラス株式会社にて、アフターサービスの高付加価値化を積極的に推進する体制を構築しました。

 このように、第6次中期経営計画期間においては、「事業の探索と深化」の両利きの経営を実践しながら国内及び海外双方の成長戦略を遂行し、さらなる企業価値の向上を図ります。

 加えて、従業員のキャリア自律支援やベクトルの一致、ダイバーシティ&インクルージョンの推進等の取組みを通じ、当社グループのさらなる人財価値の向上を図り、グローバル企業としての成長を加速させます。

 財務面においては、資本効率を意識した成長投資の推進と財務健全性のバランスを保つことが重要という認識のもと、キャッシュリターン創出力の強化によるROE向上と、ESG経営推進の相乗効果により企業価値の向上を目指します。

 また、成長投資については、国内外の不動産投資と、人財、IT・DX、研究開発、M&A等への成長基盤投資を積極的に実施します。

2024年4月に完了したM.D.C. Holdings, Inc.(本社:米国コロラド州、以下「MDC社」)の買収により、一時的に財務健全性にストレスがかかる状況となっていますが、MDC社の買収により強化されたキャッシュ・フローを活用することにより、成長戦略を支える財務基盤のさらなる強化を図ります。

MDC社の買収資金として借入したブリッジローンは、2025年2月までに全てのパーマネント化が完了しました。このうちの一部は、長期信用格付けを下支えする目的で、格付機関より調達額の50%に対し資本性の認定を受けられる公募ハイブリッド社債を発行しています。また、外貨建て普通社債を発行するなど、資金調達手段の多様化を図っています。引き続き、財務健全性及び信用格付けを意識した財務運営を行い、成長戦略と財務戦略の両立に取り組みます。

 株主還元については、中期的な平均配当性向を40%以上とし、株主還元のさらなる安定性向上を図るべく第6次中期経営計画期間の1株当たり配当金の下限を年間110円(2022年度実績)とするとともに、機動的な自己株式取得の実施により株主価値向上を図ります。

※ 3ブランド戦略:価格帯で3つのレンジに分け、それぞれの価格帯・スペックに応じた戦略・施策を実行すること

■各ビジネスモデルの事業方針と戦略

 上記の事業上及び財務上の課題に対応するため、事業戦略と組織の連動性を高め、資本効率の向上を図ることを目的として2023年度よりセグメント構成を見直し、以下のとおり事業戦略(注1)を策定しました。

セグメント

事業方針と戦略

請負型

ビジネス

モデル

戸建住宅事業

価格レンジ別戦略の深化により戸建住宅ブランドの強化を図る

■ 3ブランド戦略の深化

■ CRM(注2)戦略の推進

■ ハード・ソフト・サービスの融合

賃貸・事業用建物事業

エリア戦略に基づく高付加価値物件を供給し、シャーメゾンブランド向上を図る

■ エリアマーケティング強化

■ 高付加価値シャーメゾン

■ CRE(法人)・PRE(公共団体)事業(注3)強化

建築・土木事業

環境対応・技術力をドライバーに、顧客・社会への持続的な価値創出の安定基盤を築く

■ 建築:受注チャネルの拡大・深化

■ 土木:環境・技術による差異化

ストック型

ビジネス

モデル

賃貸住宅管理事業

オーナー様・入居者様への充実したサービスを提供するプロパティ・マネジメントを実践する

■ オーナー向け:資産価値の最大化

■ 入居者向け:サービスの強化

リフォーム事業

累積建築250万戸から形成される住宅ストックの資産価値向上と長寿命化を提案

■ 戸建住宅:大型リフォーム強化

■ 賃貸住宅:資産価値向上リノベーション

開発型

ビジネス

モデル

仲介・不動産事業

徹底したエリアマーケティングと中長期視点の投資判断により、都市と地方の開発を実施

■ 四大都市圏の都市再開発

住宅(グランドメゾン・プライムメゾン)、非住宅(オフィス・ホテル・商業施設)

■ 地方創生に資する開発事業

戸建宅地開発(分譲・売買仲介)、地方創生施設

マンション事業

都市再開発事業

国際事業

開発事業中心型から開発事業・戸建住宅事業を両輪とする2本柱の事業ポートフォリオとするべく、戸建住宅事業の積極的な成長戦略を継続する。米国・豪州を中心に戸建住宅事業で、2025年までに海外での供給戸数1万戸を目指す。開発事業においてはパートナーとの連携強化及び多様化により利益最大化と安定化を目指す。

■ アメリカ

戸建住宅・コミュニティ開発:M&Aにより販売エリアを拡大し、商品・生活提案を含む一気通貫のテクノロジー移植を総合的に進める

賃貸住宅開発:事業エリアとパートナーシップの多様化を図りながら新規開発を推進する

■ オーストラリア

 エリア戦略とブランド確立で、国際事業の2本目の柱に拡大

■ シンガポール

 有力なアジア企業との緊密なパートナーシップ

■ 英国

 M&Aによる技術・事業の進出

(注)1 第6次中期経営計画の詳細は、当社ホームページにてご確認ください。

<中期経営計画>

https://www.sekisuihouse.co.jp/company/financial/plan/index.html

2 CRM:Customer Relationship Management。顧客から得られた情報を一元的に管理し、適時適切に活用することによって、顧客との良好な関係を構築・維持し、価値創出と収益向上を目指すマネジメントの仕組み・手法。

3 CRE・PRE事業:Corporate Real Estate(企業不動産)、Public Real Estate(公的不動産)を指し、法人・企業・公共団体・行政機関の保有する不動産の有効活用を提案する事業。

(3) 目標とする経営指標

①第6次中期経営計画策定時における3ヵ年業績目標(2023年3月9日公表)

(単位:億円)

 

2024年1月期

2025年1月期

2026年1月期

3ヵ年合計

売上高

30,800

32,700

36,760

100,260

営業利益

2,650

2,750

3,180

8,580

経常利益

2,590

2,690

3,110

8,390

親会社株主に帰属する

当期純利益

1,930

1,960

2,140

6,030

ROE(自己資本利益率)

11.6%

安定的に11%以上

※目安とする財務健全性指標

 当社は、国内格付機関からAA格・海外格付機関からA格の長期信用格付けを確保すべくD/Eレシオ0.5倍程度、債務償還年数(Net Debt/EBITDA 倍率)1.5年を下回る水準を目途とし、積極的な成長投資と財務健全性のバランス保持に努めます。

②2024年1月期・2025年1月期実績及び2026年1月期の業績目標

(単位:億円)

 

2024年1月期

実績

2025年1月期

実績

2026年1月期

計画(注1)

3ヵ年合計

売上高

31,072

40,585

45,000

116,658

営業利益

2,709

3,313

3,620

9,643

経常利益

2,682

3,016

3,390

9,088

親会社株主に帰属する

当期純利益

2,023

2,177

2,320

6,520

EPS(1株当たり当期純利益)

309.29円

335.95円

357.97円

ROA(総資産事業利益率)

8.7%

8.3%

7.9%

ROE(自己資本利益率)

11.9%

11.7%

11.9%

1株当たり配当金

123.00円

135.00円

144.00円

配当性向

39.8%

40.2%

40.2%

D/Eレシオ(注2)

0.44倍

0.86倍

0.84倍

債務償還年数

(Net Debt/EBITDA倍率)(注2)

1.57年

3.54年

3.20年

(注)1 2026年1月期計画は、2025年3月6日付で公表した連結業績予想に基づく数値です。

2  D/Eレシオ及び債務償還年数(Net Debt/EBITDA倍率)は、2024年7月に発行した公募ハイブリッド社債の調達額に対し格付機関より資本性の認定を受けた1,000億円を考慮した数値です。

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