神鋼鋼線工業 【東証スタンダード:5660】「鉄鋼」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) カーボンニュートラルに関する取組
当社グループは、2021~2025年度中期経営計画「Go To Next神鋼鋼線~2025~」のもと、“環境変化に適応し、持続的に成長できる企業基盤の構築”を経営の基本方針として、SDGsを中心とする社会課題の解決に向けた事業やサービスの展開を行うことを掲げております。2050年までに生産プロセスにおけるCO2排出の実質ゼロ化に挑戦することにより地球規模の課題を解決し持続可能な社会の実現に貢献することを目指し、カーボンニュートラルに向けた省エネ・脱炭素活動組織を設置しました。カーボンニュートラルに向けた省エネ・脱炭素活動組織は、執行役員(1名)がプロジェクトオーナーを務め、定期的に執行役員会へ報告を行っており、今後は取締役会への報告プロセスも整備してまいります。
2050年のカーボンニュートラル達成へ向けて、2030年度に生産プロセスにおけるCO2排出量30%削減(2013年度比)を目標として、省エネや非化石エネルギーへの転換などを段階的に進めてまいります。
指標 | 2022年度実績 | 2030年度目標 | 2050年目標 |
生産プロセスにおけるCO2排出量(Scope1及び2) | 2013年度比37%削減 (2013年度48,150ton、 2022年度30,106ton) | 2013年度比30%削減 | カーボンニュートラル達成 |
(注)1. 2022年度実績は2023年6月時点の速報値となっております。
2. 2022年度実績の削減率には生産量の減少影響が含まれております。
(2) 人的資本に関する取組
当社グループでは、神鋼鋼線ミッションを実現できる社員を一人でも多く輩出することで、持続可能な社会の実現に貢献できると考えております。また、社会が前に進むために「なくてはならない価値」を提供し続けることを目標に、従業員エンゲージメントの最大化を目指します。そのために企業理念の浸透、職場の安全、人材育成、心身の健康、ワークライフバランスの向上及び女性の活躍に取り組んでおり、具体的な施策は以下のとおりです。
中長期的な目標 | 具体的な施策 | ||
従業員エンゲ|ジメントの最大化 | 働きがい、やりがいを持ち続けられる環境づくり | 企業理念の浸透 | 当社グループの果たすべき役割を「神鋼鋼線ミッション」として掲げ、従業員が経営層と少人数で対話できる場を設けております。また、「神鋼鋼線クレド」は、「大切にしたい価値観」とそれらを体現する具体的な行動を言語化したもので、300名を超える従業員が参加し策定し、すべての従業員で共有しております。 |
隔年で全社員を対象に従業員満足度調査を実施しており、当該結果を各職場における職場風土改善活動に活用しております。 | |||
職場の安全 | すべての事業活動において、人の安全と健康を最優先し、社内での労働災害撲滅に努めております。重筋作業の機械化、ヒヤリハット対策の徹底したフォロー、指差呼称の徹底により作業前に一呼吸置き危険予知をすること等の安全活動に注力しております。全社的な安全の指標として、災害度数率を算出し、毎月実績値を担当役員より全執行役員へレポートするとともに、四半期に一度、取締役会で報告を行っております。2022年度の全災害度数率の実績は8.3、2023年度の目標値は3.0を目指しております。 | ||
人材育成 | 各階層別研修、専門分野別研修、コンプライアンス研修等の各種研修制度を整備しております。次世代を担う人材には、管理力や課題解決力の強化と、将来を見据えた戦略的思考や行動変革につなげるためのマネジメント研修を実施しております。すべての社員層に対して幅広く育成機会を提供するとともに、将来の経営人材層の計画的な育成に取り組んでおります。 | ||
年に2回、部門及び全社での育成検討会議を実施しております。個々の強みと弱みを見極め、今後の育成方針を検討する場として設けております。全社では昇進・昇格・異動などの必要性について意見交換し、適材適所の人員配置を目指しております。 | |||
月に1回を目安として上司部下での1on1ミーティングの実施を推奨しており、コミュニケーションの活性化や心理的安全性の保たれた職場環境作りを図っております。キャリア志向に応じた職掌変更が可能な人事制度の整備に取り組んでおります。 | |||
多様な働き方を認め、誰もが活躍できる環境づくり | 心身の健康 | 生き生きと働ける職場環境を維持するため、従業員の健康に関する関心を高める活動を行っております。定期的に従業員のストレスチェックを行い、高ストレスが疑われる従業員へは産業医との面談を実施しております。今後はカウンセラーとの提携も行い、メンタルヘルスへの対策に重点を置いた活動を推進してまいります。 | |
ワークライフバランスの向上 | 従業員の出産育児や介護による離職を未然に防ぐため、休業休暇、時短制度の利用拡大を図ります。また、家庭生活と会社生活を両立できる、明るく、働き甲斐のある職場環境をめざし、年休取得促進(年最低8日取得)、在宅勤務やフレックスタイム制のさらなる活用を図っております。なお、年休取得日数は全従業員が年間8日以上取得することを目標としており、2022年度の平均取得日数は16.2日となっております。また、2022年度の月平均残業時間は10.7時間となっており、2023年度には9.7時間(2022年度比10%減)まで削減することを目標としております。 | ||
女性活躍 | キャリア形成支援として、定期的に上司部下での1on1ミーティングを通じた対話を充実させるとともに、キャリア志向に応じて職掌変更が可能な人事制度の整備に取り組んでおります。産休・育休からの復職支援として、フレックスタイム制度や在宅勤務制度、子供の病気時の特別休暇制度が活用できる環境を整備しております。全従業員へのコンプライアンス教育を定期的に実施し、ハラスメント防止にも努めております。これらの活動を通じて、女性社員の採用数と女性管理職登用数の増加を図ってまいります。 |
(注)1.全災害度数率は延べ労働時間100万時間あたりの災害発生件数を数値化したもので、算出式は(災害件数/延べ労働時間)×1,000,000となっております。なお、災害件数は微小災害以上の災害件数(軽微小災害は含まない)、延べ労働時間は尼崎事業所、ロープ製造所(尾上地区、二色浜地区)、神鋼鋼線ステンレス㈱、㈱ケーブルテックの全従業員、派遣社員、協力社員の延べ労働時間となっております。
(3) リスク管理に関する取組
当社グループでは、サステナビリティの観点を含む事業全般のリスクに関し、各部門が共通して取り組む重要リスクと各部門が独自に取り組むビジネスリスクを設定、各部門でそれらのリスク管理計画を策定し、計画、実施、点検、改善の一連のサイクルを回すという体制をとっております。2022年度は、安全管理、品質コンプライアンス、環境・防災法令、自然災害への対応、情報セキュリティ、伝染病の蔓延、労働時間管理、人権・ハラスメント、個人情報管理、下請代金支払遅延等防止法を重要リスクに設定しております。部門コンプライアンス推進委員会においてリスク管理に関する部門長レビューを実施し、活動の有効性を評価しております。定期的に執行役員会へ報告を行っており、今後は取締役会への報告プロセスも整備してまいります。
また、大規模地震を想定した事業継続計画(BCP)を定め、有事の際に適切に対応するために、「従業員」、「生産設備」、「製品・調達」、「情報その他」について、「事前」、「直後」、「初期」、「復旧期」のフェーズごとに対応の標準化・迅速化を図っております。
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