神鋼商事 【東証プライム:8075】「卸売業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)企業理念
私たちは誠実をモットーに、新しい価値の創造を通じて、豊かな社会づくりと、みんなの幸せをめざします。
(2)経営環境、経営方針及び対処すべき課題
中期経営計画2023(以下、前中期経営計画)の最終年度である当連結会計年度は、コロナ禍の景気回復を捉えて業績は順調に推移いたしました。また、前中期経営計画の期間においても、国内系列会社の事業再編・M&A、海外への事業投資を進めるとともに、鋼材価格の上昇や円安などの外部環境が影響し大幅な利益を計上することができました。
当社は長期経営ビジョンである「明日のものづくりを支え、社会に貢献する商社」の実現に向けて、中期経営計画2026(以下、新中期経営計画)を新たに策定いたしました。新中期経営計画では、①KOBELCOグループの中核商社として更なる事業の拡大・深堀り、②当社独自のサプライチェーン構築によるビジネスモデルの多様化、③社会課題の解決と収益力強化に資する新規事業の推進を3本柱とし、新たな視点で成長を追求してまいります。
また、継続的な成長には人材の育成は必須であると考えており、引き続き人的資本経営を推し進め、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
(3)目標とする経営指標
上記の取り組みを確実に実行し、2026年までに「連結経常利益145億円」、「ROE 10.0%以上」、「ROIC 6.5%」、「自己資本比率21%以上」を目標とし、株主還元方針については、「連結配当性向30%以上又は1株当たり配当300円のいずれか高い方とする」といたします。
(4)経営戦略
①商社機能の強化
当社は長らく5つの本部を置き、各本部において取扱商品に応じた専門性の高い商社機能を提供してきましたが、本部間のシナジー効果をより一層発揮できる体制を目指し、2024年度からの新中期経営計画において営業推進体制を5本部制から、鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属を「金属本部」とし、機械・情報、溶材を「機械・溶接本部」とする2本部制といたしました。事業分野が近接する本部を統合し、ビジネスモデルの横展開や適切な人材配置、収益力や商社機能の強化に取り組みます。なお、従来の5本部体制の枠組みは、ユニット制に移行し、顧客ニーズに応えるきめ細やかな商社機能を維持してまいります。
また、前中期経営計画期間中、最重要テーマとして投資の促進に取り組んできたものの、所期の目標達成には至らず、更なる推進が課題と認識しております。
新中期経営計画においては、中長期的な収益力の強化を目的に、営業本部から独立した新事業推進室を設置し、更なる新規事業推進と投資の促進に取り組みます。
②ダイバーシティの推進
当社は、人種・国籍・信条・性別・障がいなどによらず、雇用の安定と機会均等を基本に多様な人材を採用、登用しております。また、2022年度には人事制度を改革し、「自ら学び、行動する人」を育成するため、年功序列的な処遇制度を廃し、個人に合った複数のキャリアコースを設定するなどの取り組みを進めてまいりました。
新中期経営計画では現在推進している人的資本経営を更に推し進め、女性活躍については、2026年度に女性管理職の割合を5%、女性総合職の割合を18%までそれぞれ高める目標を設定いたします。また、入社3年目社員の部門間ローテーションや管理職昇格要件に他部門の経験を重視することを加えるなど、複数分野の経験によるイノベーションを促す環境づくりに取り組みます。
③資本コストを意識した経営
当社は従来より資本コストを意識した経営を実践してきており、資本収益性指標であるROEを重要指標の一つとして掲げ、前中期経営計画で9%以上を目標としており、実績として2021年度は12.0%、2022年度は13.6%、最終年度である2023年度も11.5%と、前中期経営計画期間中においてすべての年度でROE目標を達成いたしました。
また、株主様への還元策として配当性向30%を目標に、2021年度は30.4%、2022年度は30.3%の実績で推移しており、2023年度も30%以上の配当性向を達成いたしました。
当社は継続して資本効率向上に向け議論しており、新中期経営計画で掲げた基本戦略や目標、株主還元策を着実に実行し、達成することにより企業価値向上を目指してまいります。
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