企業兼大株主盟和産業東証スタンダード:7284】「輸送用機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは設立以来、自動車内装部品を中心として、「より良いもの」、「喜んでいただけるもの」を、「より安く」、そして「より早く」提供することにより社会に貢献することを基本理念として事業展開を行なってまいりました。

 当社グループの企業理念では、「法令順守と高い倫理観に基づく企業活動、環境にやさしい製品づくり、技術革新による顧客満足度向上に努め、株主、取引先、地域社会等会社をとりまくさまざまな関係者と良好なコミュニケーションを実践する」としております。

(2)経営戦略等

 当社グループは、内装部品をグローバルに供給できるサプライヤーを目指し、2006年の中国進出を皮切りに、日系自動車メーカーの生産拠点が集中する日本、中国、北米、ASEANの「グローバル四極」に生産拠点を整備してまいりました。一方、この間の新型コロナウイルス感染拡大、これに続く半導体供給不足等による自動車減産、さらには電動車へのシフト、自動運転・コネクテッド技術の進化、シェアリングの拡大等自動車業界の大変革もあり、取り巻く事業環境は大きく変化しております。このような状況を踏まえ、今般新たな長期ビジョン及び中期経営計画を策定致しました。

 2035年を展望した新たな長期ビジョン「長期ビジョン2035」は、「独自の樹脂技術と環境にやさしい循環型の物造りを進化させ、モビリティの未来と多様な社会基盤を支える会社を目指す」としております。当社グループが創業以来取組んでいる製品リサイクル、すなわち資源を再生し新たな価値を生み出すという考え方をベースに、大きな変革期を迎えている自動車産業、モビリティの未来と住宅資材をはじめとする様々な社会基盤を独自の樹脂技術で支え、社会に貢献することを目指しております。

 「長期ビジョン2035」に基く新たな中期経営計画は、期間を2025年3月期から2031年3月期までの7年間とし、ステージを3段階に分けております。第1ステージは、2025年3月期から2026年3月期までの2年間で、収益基盤強化に取組みます。第2ステージは、2027年3月期から2029年3月期までの3年間で、今後の成長軌道を確立させてまいります。第3ステージは、2030年3月期から2031年3月期までの2年間で、それまでの取組みの成果により数値目標を達成してまいります。

 計画名は、2030年に向けた盟和産業の変革、トランスフォーメーションという意味で、「MWX2030」(MWは盟和産業の略称)と致しました。収益力強化、成長戦略、ESG経営という下記3つの重点課題に取り組み、数値目標として最終年度の当期純利益9億円、ROE8%以上を目指します。

MWX2030重点課題

 

項目

取組内容(例)

収益力強化

取引採算の改善

販売価格の適正化、低採算取引の見直し

一貫生産体制強化

購入部品内製化等

製造・管理の効率化

省人化・省エネルギー設備導入、DX活用

原価改善

グループ全体での買い方、造り方、運び方改善

成長戦略

新分野開拓

保有技術を活かした関連分野の開拓

循環型の物造り

CE(サキュラーエコノミー)への対応

既存分野拡販

新製品受注、取引シェア拡大、非日系顧客開拓

ESG経営

カーボン・ニュートラル推進

2030年までにCO2排出量2013年度比半減

人的資本の拡充

層別人員体制確保、海外拠点技術者の現地化

資本コストや株価を意識した経営

株主価値の向上、ROE・PBR等指標改善

(3)経営環境

 今後の世界経済は、インフレの高止まりや欧米の金融政策などに伴う景気後退懸念、中国の景気停滞、ウクライナや中東での紛争長期化による影響等、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。当社グループが属する自動車業界におきましては、半導体供給不足が正常化し、自動車の生産は回復傾向が見込まれる一方、原材料・エネルギーコストの高止まりや労務費の上昇が懸念されます。また、足元ではハイブリッド車の売れ行きが好調であるものの、BEV(電気自動車)化の方向性に変動は無く、CN(カーボン・ニュートラル)、CE(サーキュラー・エコノミー)への対応強化も求められております。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループの対処すべき課題は以下の通りであります。

 ① 収益力強化

 原材料・エネルギーコストや労務費等の上昇に対し、海外拠点とのグローバル連携による材料価格低減、生産工程の自動化・省人化等、原価低減の一層の強化とコスト上昇分の価格転嫁に取り組んでまいります。また、海外拠点においても同様に、販売価格の適正化や中国での事業構造改善施策の実施等、収益体質の強化を図り、グループ全体の収益力を高めてPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)の向上に努めます。

 ② 新製品・新技術開発と環境問題への取組強化

 当社の特長である樹脂の配合・加工技術を活かし、新製品の開発を加速するとともに、既存技術の改良・応用に取組み新用途の開拓を進め、当社製品の競争力強化に努めます。BEV化対応、CN、CE実現の観点からも技術開発を進め、廃棄物ゼロを目指しリサイクル技術の進化、生産設備の省エネルギー化等、環境にやさしい循環型の物づくりに取り組んでまいります。

 ③ 市場開拓

 自動車部品事業においては、当社独自の技術力やリサイクル性を活かした製品提案により競争力・顧客満足度を高め、受注拡大を図るとともに、海外拠点では非日系顧客への販路拡大も進めてまいります。

 住宅事業では、住設分野の取引を更に深化させ、業容の拡大・安定化を図るとともに、新規分野開拓を加速し有望な開発案件にリソースを重点投入して新たな事業の柱を創出してまいります。

 ④ 人材開発への取組み

 社会情勢、雇用環境の変化により個人の働き方が多様化する中、人材の採用と定着化を重点的に進め企業競争力の強化を図ります。性別、年齢、国籍を問わず適材適所の人材の採用と教育研修の強化により、専門分野に拘わらず一人で多くの役割を担えるグローバル人材の育成に努めるとともに、社員間のコミュニケーションを活発化し働きやすく風通しの良い職場をつくります。

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