企業兼大株主理研計器東証プライム:7734】「精密機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 「理研計器グループはよき企業市民として『人々が安心して働ける環境づくり』の経営理念に基づく事業を通して、持続可能な社会の発展に貢献する」ことで、社会的責任を果たしてまいります。そして従業員一人一人が、企業理念・スローガン・テーマを理解し、それを会社と共有し、いきいきと働き、それが社会の役に立ち、企業としてさらに成長していくことを目指しております。

 サステナビリティ活動の方向性を示す「サステナビリティポリシー」を制定し、サステナビリティへの取り組みを具体的に方向づける大きな起点としました。サステナビリティポリシーでは、以下の3つを大きな柱としています。

①産業基盤を支えるサステナビリティ

②開発・生産活動におけるサステナビリティ

③よき企業市民であることのサステナビリティ

 すべての従業員が事業活動を通じて取り組み、社会の持続可能性に貢献するサステナビリティ経営に努めてまいります。

(1)ガバナンス

 当社では、気候変動を含む環境問題をはじめ、多様性の尊重や人的資本等の社会課題など、サステナビリティ課題への対応を経営上の重要課題と認識しております。サステナビリティ課題に関するリスク・機会の評価と管理、指標及び目標の設定、施策の実施について、サステナビリティ(SDGs活動)を推進する部門にて議論します。その結果は、経営の意思決定機関である取締役会へ適宜報告されます。

(2)リスク管理

 当社では、サステナビリティ課題に関連するリスクについて、サステナビリティ(SDGs活動)を推進する部門がリスクの特定・評価を実施し、取締役会に対して報告しています。

(3)気候変動に対する取り組み

―気候関連財務情報タスクフォース(TCFD)への対応―

①ガバナンス

 当社では、気候変動への対応を経営上の重要課題と認識しております。気候変動に関するリスク・機会の評価と管理、KPIの設定、及び施策の実施について、サステナビリティ(SDGs活動)を推進する部門にて議論します。その結果は、経営の意思決定機関である取締役会へ適宜報告されます。

②戦略

(a)気候変動に関するシナリオの策定

 当社では、TCFD提言に基づき、気候変動関連のリスク、機会が事業へ与える影響の把握を目的に、外部コンサルタントの協力のもとシナリオ分析を行いました。

 シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)等の科学的根拠等に基づき、1.5℃シナリオと4℃シナリオ、それぞれの気温上昇時の世界観を定義し、2020年度より将来までの間に事業に及ぼす可能性がある気候関連のリスクと機会の重要性を定性評価しました。

<シナリオ群の定義>

1.5℃の世界観

4℃の世界観

 気候変動に関する積極的な国内政策・法規制が進み、炭素税の導入や再生可能エネルギーの積極的な活用が想定される。その結果、再エネ・省エネ設備の導入対応コストが増加することが予想される。

 一方でEVや再生可能エネルギーの普及に伴う半導体需要の更なる拡大による、半導体業界向けの製品の売上拡大も想定される。

気候変動に関する国内政策・法規制が進まず、異常気象の激化が進むことが予想される。その結果、拠点の被災や物流網の寸断が起こり、売上機会の損失や復旧費用が発生することが想定される。

(b)気候変動関連リスク・機会の一覧

 当社における気候変動関連リスクと機会の一覧については、以下のとおりです。

区分

事業インパクト

移行

政策・法規制

炭素税導入

リスク 炭素税の導入により、燃料調達コストへの課税や電力料金の高騰、原材料への価格転嫁が起こり、操業コストが増加する。

温室効果ガス排出量規制

リスク 温室効果ガス排出量の規制により、省エネ設備の導入や再エネへの転換等の対応コストが増加する。

市場

エネルギーミックスの変化

リスク 電源構成に占める再生可能エネルギーの比率が高まることで、電力価格が(平均的に)上昇し、操業コストが増加する。

機会 電源構成の占める再生可能エネルギーの比率が高まり、再生可能エネルギーの調達が容易になる。

原材料価格の変化

リスク 電化が進むことで、銅や白金についての需要が増加し、需給のバランスの変動による調達コストが増加する。

技術

再エネ・省エネ技術の普及

機会 EVや再エネの普及により、半導体需要が高まり、半導体産業向けの製品需要が拡大する。

機会 化石燃料に代わりリチウムイオン電池が一般化し、EV等への利活用によりリチウムイオン電池の需要が高まり、リチウムイオン電池製造市場向けの製品需要が拡大する。

次世代技術の発展

機会 AI・IoTを活用した次世代インフラの普及によるスマートシティ化の進展により、半導体の需要が高まり、半導体産業向けの製品需要が拡大する。

評判

投資家の評判変化

機会 脱炭素化への移行を積極的に行うことで、投資家からの評価が高まる。

物理

緊急物理

異常気象の激甚化

リスク 台風等の異常気象の激甚化に伴い、生産拠点の被災や物流網の寸断等のリスクが増加する。

慢性物理

海面の上昇

リスク 海面上昇が発生した場合、沿岸部にある拠点を移転する必要が生じる。

 この結果、リスクとしては炭素税の導入による操業コストの増加、銅・白金の需要拡大に伴う調達コストの増加、異常気象の激甚化による生産拠点の被災及び物流リスクなどが懸念されます。

 また、機会としては、再生可能エネルギー調達の容易化やEV等の普及に伴う当社の主要顧客である半導体業界の活況が見込まれます。

③リスク管理

 当社では、気候変動に関連するリスクについて、サステナビリティ(SDGs活動)を推進する部門がリスクの特定・評価を実施し、取締役会にて報告しています。

④指標及び目標

(a)気候関連リスク・機会の管理に用いる指標と目標

 当社は、気候関連のリスク・機会を管理するため、以下のとおり指標と目標を定め、カーボンニュートラルの実現を目指してまいります。

<気候関連リスク・機会の管理に用いる指標と目標>

指標

目標年度

目標内容

温室効果ガス排出量

(Scope1・2)

2030年

温室効果ガス排出量の90%削減(2019年度比)

2050年

カーボンニュートラル

(b/c)温室効果ガス排出量(Scope 1・2)

 当社における温室効果ガス排出量実績は以下のとおりです。

 

温室効果ガス排出量(t-CO2)

2019年度

2020年度

2021年度

Scope 1

817

665

716

Scope 2

3,818

4,227

1,419

Scope 1・2 合計

4,635

4,892

2,134

算定範囲:当社単体

電力の排出係数:環境省・経済産業省「電気事業者別排出係数」の各年度分

電力以外の排出係数:環境省・経済産業省「温室効果ガス算定・報告マニュアル」を参照

 2021年4月より、本社社屋で使用する電力を「再生可能エネルギー100%」に切り替えました。その後、開発センター・生産センター、一部の営業所も順次切り替えを実施しました。その結果、温室効果ガスの排出量を大幅に削減しました。

(4)人的資本に関する取り組み

①戦略

(a)採用及び人材の育成について

 採用では、性別や国籍、価値観などにとらわれることなく、多様な経験・技能・キャリアを有する人材を積極的に採用しております。

 人材の育成では、階層別研修や教育訓練、部門ごとのスキルアップ研修など目的別に成長機会を提供しております。また、自立的な成長支援として、人事制度によるキャリアパスの提示や語学や多岐に渡る資格取得奨励金制度などを導入しております。

 キャリアプランと階層別研修については、当社ウェブサイトの採用ページに掲載されておりますのでご覧ください。

(b)社内環境整備について

 従業員個々のバックグラウンドやライフスタイルに応じた多様な働き方(リモートワーク、短時間勤務、時間単位年休など)を整備し、研修や教育訓練、社内イントラを通じて多様性の受容に関する啓蒙や諸制度の情報発信を行うことで、従業員同士の相互理解を深め、多様な人材が働きやすい環境や組織風土の醸成に取り組んでおります。

②指標及び目標

―中核人材の登用等における多様性の確保に関する指標と目標―

(a)女性の中核人材への登用等について

 「次世代育成支援対策推進法及び女性活躍推進法に基づく行動計画」において、女性採用比率25%以上を目標に掲げ積極的に女性の採用を行っております。

 2023年3月末時点で女性従業員は全従業員の15.9%、女性管理職は全管理職の3.8%です。積極的な採用や中核人材への登用を推進し、2030年までに中核人材に占める女性割合5%以上を目指してまいります。

(b)外国人の中核人材への登用等について

 海外市場シェア拡大の事業戦略の下、適宜、外国人の採用を行っております。

 2023年3月末時点で外国人従業員は全従業員の0.8%、外国人管理職はおりません。現在は外国人従業員の比率が低く、中核人材への登用が進んでおりませんが、事業戦略に基づき外国人採用を強化し、外国人従業員の比率を高めて中核人材への登用を推進してまいります。

(c)中途採用者の中核人材への登用等について

 即戦力の専門人材や経験者を積極的に採用しており、各部門や海外子会社の中核人材への登用等を行っております。

 2023年3月末時点で中途採用者の管理職は全管理職の27.8%です。なお、中途採用者は、現状一定の採用数を確保できており、中核人材への登用等も一定数いることから、特段の目標は設定しておりません。

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