理研ビタミン 【東証プライム:4526】「食品業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは2022年4月に開始した中期経営計画の基本方針のひとつに「サステナブル経営の推進」を掲げ、経営戦略とサステナビリティ課題への取組みとの一体化を目指しております。
(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス
サステナビリティ課題に戦略的に取り組むため、代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会を設置しています。また、サステナビリティ委員会の下部組織として「TCFD部会」「GHG削減部会」「ダイバーシティ部会」「サステナブルテーマ推進部会」を設置しています。各部会では担当するサステナビリティ課題に関する様々なリスクおよび機会の認識、必要な議論および評価を行い、課題解決に向けた取組みを推進しています。委員会はその結果をとりまとめ、取締役会に報告しています。
取締役会は委員会の活動報告を確認し、目標や施策の進捗などを監督しています。必要な場合は、委員会への指示などの措置を講じることとしています。
(2) サステナビリティ全般に関するリスク管理
当社グループは業務執行に係るリスクの評価、予防および発生時の対処のためにリスク管理委員会を設定しています。サステナビリティに関連するリスクについてもリスク管理委員会を中心とする全社的なリスク管理体制に統合されています。
(3) 気候変動への対応(TCFD提言に基づく情報開示)
当社グループでは、農産物や水産物を主要な原材料として使用しており、気候変動への対応を重要な経営課題と認識しています。この認識のもと、2022年4月にTCFD提言への賛同を表明し、6月にTCFDのフレームワークに基づく初の情報開示を行いました。次回の情報開示は、2023年9月に発行予定の統合報告書および同時期の当社ウェブサイトへの掲載を予定しています。
[ガバナンス]
当社グループは、サステナビリティ課題に取り組むため、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。気候変動に関わるリスクと機会、対応策については、サステナビリティ委員会の下部組織であるTCFD部会においてグループ横断的な議論を行い、経営会議での審議を経て取締役会へ年1回以上報告する体制としています。
TCFD部会の構成メンバーは経営企画部、CSR推進部、経理部、生産推進本部、生産統括本部、調達部です。
[戦略]
当社グループは植物油脂や海藻など、様々な天然物を原料として、製品を製造・販売しています。
植物油脂関連原料のほとんどは海外から輸入されたものを商社や油脂メーカーから購入し、当社グループの工場で乳化剤などの製品に加工して、お客さまにお届けしています。
また、海藻関連製品の原料の多くを占める養殖わかめは、養殖期間中の天候や、海水の温度および栄養状態によって生産量が大きく変動します。このため、気候変動は事業の継続性の観点から重要な経営リスクであると認識しています。
2021年度は当社グループ事業のうち、植物油脂を主要原料とし国内外で生産する「改良剤」、および海藻・ドレッシング・スープなど国内で生産する「食品」について、リスクと機会の分析を行いました。これらを合わせた連結売上高中の構成比は9割弱です。
・2℃シナリオにおける主要なリスクと機会
想定リスク/機会 | 変動要因 | 当社グループ事業への影響 | |
移行リスク | 化石燃料への規制強化 | 炭素税の導入 | 全般的なコストの上昇 |
電気・ガス料金の上昇 | エネルギーコストの上昇、省エネへの投資費用の増加 | ||
バイオ燃料の需要拡大 | 植物油脂の価格上昇 | 調達コストの上昇、代替商品開発コストの発生 | |
機会 | 消費者選考の変化 | エシカル消費の拡大 | 植物由来化成品用改良剤の需要増加 |
・4℃シナリオにおける主要なリスクと機会
想定リスク/機会 | 変動要因 | 当社グループ事業への影響 | |
物理リスク/ 機会 | 気温/海水温の上昇 | 原材料の生産量減少 | 調達コストの上昇、調達先切替コストの発生、代替商品開発コストの発生 |
気候変動に対応した種苗供給による海藻の安定調達 | |||
水調達リスク | 生産拠点の水ストレス悪化 | 原材料調達先の操業停止、自社工場の操業停止による売上高減少 | |
異常気象の激甚化 | 洪水・豪雨の頻度上昇 | サプライチェーンの寸断、自社工場の操業停止による売上高減少 |
[リスク管理]
当社グループでは、業務執行に関連するリスクの評価、予防および発生時の対処のために、リスク管理委員会を設置しています。特定した気候変動に関わるリスクについても全社のリスクマネジメント体制において管理しています。
[指標と目標]
2030年度GHG排出量(Scope1+2)2018年度比40%削減
(4) 人的資本への対応
[人材育成方針]
当社は、社員一人ひとりが自立性を高め、高度な専門性で課題を解決する「プロ人材」となることを目指しています。
その実現に向け、社員に対し階層別研修、キャリア研修、各部門別研修を実施するとともに、自己啓発支援として、外部ビジネススクール受講や会社奨励資格受験料、ならびに通信教育受講の補助制度を設けています。
一方で、入社後の人事異動や海外勤務など、多様な経験もプロ人材育成のために重要であると捉えています。人事部が定期的に主催する「人材最適化検討会」では、人的資源の各事業への適切な配分と、後継者候補の育成プランやキャリアパス等の全社的な視点も交えた議論を行い、その内容を踏まえた人事異動案を取締役会で決議しています。
[社内環境整備方針]
①ダイバーシティ&インクルージョンの推進
当社は2015年度から「ダイバーシティ推進」を掲げ、多様な人材が能力を十分に発揮することでイノベーションが起こる風土づくりを行い、新たな価値創造型企業になることを目指しています。
特に最近では、多様な経験や考えを持つ従業員が互いに意見を言い合える、心理的安全性の高い職場づくりに向けた取組みを行っています。行動規範にあるダイバーシティ&インクルージョンの考え方に関して職場で読み合わせを行うほか、色覚多様性についての勉強会や、育児・介護の両立支援についてのeラーニング等により、種々の多様性への理解を深めています。
○女性活躍の推進
当社は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づく行動計画を策定し、実行しています。女性の管理職比率は2024年3月に6%とすることを目標としていますが、2023年3月末時点では3.8%となっています。
主な取組みとして、キャリア育成に関する研修会の定期的な実施、仕事と育児・介護の両立支援制度の整備、ならびにダイバーシティの重要性について認識を深めるための管理職研修を行っています。
また、仕事と家庭の両立については、特に育児関連を重点に整備し、厚生労働省の算定方法による男性の育児休業等(育児目的休暇を含む)取得率は111.5%(2023年3月時点)と、目標である100%をクリアしています。
主な取組みとして、男性育休推進のためのガイドブック作成や研修会を通じて育児休業取得を推進しています。なお、両立支援制度として、育児・介護休業、短時間勤務、フレックスタイム、カムバック制度等多様な働き方の選択を可能にしているほか、2022年11月には在宅勤務を新しい働き方の一つとして恒久化し、就業場所の多様化を図りました。
②健康経営の推進
当社は2018年度に「健康経営」を導入し、「働き方改革」と合わせて従業員が心身ともに健康で意欲的に活躍できる環境づくりに取り組んでいます。特に社内では生活習慣病やストレス疾患の予防についての健康指標に対して目標を定め、毎年効果を検証して向上を図っています。例えば、ストレス疾患の予防について、ストレスチェック受診率90%以上を目標にしていますが、2021年度は94.0%と目標を達成しました。また、ストレスチェック実施後の管理者教育の強化などを行っています。
なお、2023年3月には「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」(経済産業省と日本健康会議共同主催)に認定されました。
③グローバル人材の活躍支援
当社は現中期経営計画の基本方針の一つに「アジア・北米での展開を加速」を掲げ、グローバルな視点を持った従業員の育成を課題としています。英会話スクールやオンライン英会話レッスンの受講料全額補助の制度を有するほか、海外勤務への挑戦意欲を確保するため、海外赴任者規程により国内勤務よりも高いインセンティブや福利厚生を設定しています。
当社では海外事業または関連事業の従事者およびその候補者をグローバル人材と定義しており、2030年度にその比率を10%とすることを目標にしています。2023年3月時点での比率は8.4%に達しており、今後も更なる育成を進め、早期の目標達成を目指しています。
- 検索
- 業種別業績ランキング