企業兼大株主王将フードサービス東証プライム:9936】「小売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社の社会的使命は「快適な食空間、心温まる接客、そして美味しい料理は人々を『幸せ』にします。私たちは、それらを高品質で提供しながら、低価格で実現する努力を行う事によって、より多くの人に『幸せ』を感じてもらう事を使命とします。」と定めています。そして、その使命を全うするために『お客様から褒められる店を創ろう!』というわかりやすい言葉を経営理念としております。

 お客様から褒められる店舗づくりを実現する為には、顧客ニーズをくみ取り、それに応えていく必要があり、そのためには従業員の「考える」「発言する」「行動する」「反省する」という主体性が不可欠です。当社は創業当時よりそうした「自奮自発の精神」を大切にし、従業員が自己成長することをサポートすることで、真のお客様サービスの追求と実践を行ってまいりました。今後もこの精神を伝承し、従業員の成長をもって会社の持続的な成長を実現してまいります。

(2)目標とする経営指標

 当社は美味しい料理を提供して、より多くの人に幸せを感じてもらいたいという社会的使命に基づき、着実な「増収」を目標とするとともに、原価率の適正な水準やコスト管理を重視する方針から、「売上高営業利益率」を重要な指標としております。当期の「売上高営業利益率」は10.1%と、目標水準である8%を大きく上回る成果を上げました。

 同時に、企業価値のさらなる向上を図るため、将来の事業展開を目的とした設備及び人的資本に対する成長投資を推進するとともに、資本効率を重視し、安定的かつ持続的な配当による株主還元の向上に努めてまいります。

(3)会社の経営戦略・優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社は店内調理、しかもオープンキッチンにこだわっています。それは、お客様の目の前で、一流の腕を持った料理人が強火で鍋振りをして、心を込めてシャカシャカと音を立てて料理を作っている。熱した鉄板に餃子を並べ、水を入れたとたん、ジュワーっと音も出れば蒸気も立つ。お客様はそういうライブ感、ワクワク感を五感で体験できる。それが美味しさを2倍にも3倍にもしてくれるからです。そして、美味しい料理と心温まる接客。これらが全て含まれて、当社独自の価値を構成しているのであり、当社は「人が価値を創る」会社です。

 そのため、人口減少と少子化が急速に進んで広範な業種で労働力不足が顕著になっている現下、「人が価値を創る会社」である当社にとって、今後のさらなる成長を支える人材の確保と育成がますます重要になっています。

 この課題に対して、当社は自動釣銭機やセミセルフレジの導入、テイクアウトモバイルオーダーの開発など、顧客利便性とともに、省力化や生産効率向上などに役立つデジタル技術の導入を積極的に進めております。

 当社のDX戦略は、従業員の成長を目的としたeラーニングを含めた人材育成から始めて、従業員の働き方の改革まで目指すものです。

 最終の目標は、「デジタル技術が創り出す価値」の導入による「人にしか創り出せない価値」の最大化であり、当社は引き続き、DX戦略を積極的に推進してまいります。

 課題解決のために取り組んでいるもう一つが、以下に述べます人的資本への積極的な投資です。

 一つ目は、「新規採用の強化」と「ダイバーシティの実践」です。

 採用の強化では、時代に合った効果的な採用チャネルと採用手法の改善、結果検証を踏まえた求人広告媒体等の見直し、インターンシップの活用、学生アルバイト等を対象にしたインナー採用の強化、面接官となる社員の面接スキルの向上などに着手しております。その上で、大卒初任給は52,000円の引き上げを実施し、278,500円と業界最高水準にまで高めました。大卒初任給の引き上げは、採用人数だけでなく、応募者の幅を拡げ、当社が求める多様な人材の確保に寄与しています。さらに、各店舗でも、活き活きと当社店舗で働く従業員をモデルにして、「全ては人で決まる。」をモチーフに制作した動画を店内で放映し、パート・アルバイトの採用に成果を上げました。

 また、ダイバーシティでは、障がいのある社員が能力を最大限に発揮できる職場を作ることを目的に、特例子会社王将ハートフルを設立し、その事業を展開し、障がい者雇用に積極的に取り組んでいます。さらに、重要ポジションへの女性の積極登用や、外国人労働者の特定技能制度の利用開始など、当社は多様な人材の活躍の場を提供しております。

 二つ目は、「人材の育成」です。一人一人の従業員が成長し、生産性が上がれば、新規採用と同等のマンパワーを確保することができます。そのためには、従業員の仕事や会社に対するエンゲージメントを高めることが不可欠であると考えています。当社は毎年実施している専門業者による従業員満足度調査(ES)を、エンゲージメントを可視化するものとして重視し、その結果を経営に活かすように努めています。調査結果では、従業員の総合満足度は年を追うごとに着実に向上しておりますが、さらに満足度を引き上げるための方策を実行しています。そのために当社が最も注力しているのが、「各種研修機会の提供」です。従業員満足度調査によると、待遇や労働環境の改善とともに、「できない仕事ができるようになった時」や「お客様からお褒めの言葉をいただいた時」に働き甲斐を感じるとの結果が出ました。そのため、このような機会をたくさん与えられるように、社内組織である王将アカデミーが中心になって、従業員の成長、スキルアップに全社を挙げて取り組んでいます。

 例えば、王将アカデミーによる調理実地研修、調理知識研修、接客応対研修、マネジメントセミナーなど、各種研修を受講する機会が幅広く従業員に提供されています。本年4月の新入社員研修では、外部コンサルタントを利用しながら、王将アカデミーによる手作りのプログラムによって、「全ては感謝の心から、これからのライフワークとして」をテーマに、当社社長も参加する密度の濃い4日間の研修を行いました。こうした機会が、従業員の成長と生産性向上に直接役立つとともに、ワークエンゲージメントの向上に大きく寄与し、それが仕事への情熱となって、新たな価値創造につながっています。

 三つ目が、「処遇面の大幅な引き上げ」です。当社は2023年、2024年とベースアップを実施し、2024年はベースアップと定期昇給により、全企業の中でトップクラスとなる一人当たり平均約11.5%の月例給与の引き上げを実施いたしました。この実施により、直近3年間の賃上げ率は約22%となります。また、賞与でも、夏季、冬季賞与以外に、これまで決算賞与、コロナ禍においてはコロナ慰労金、新生活支援金等を支給しております。2023年冬季賞与では特別加算賞与を上乗せして支給するとともに、期末には好業績に伴って決算賞与を支給したことから、2024年3月期通期の賞与支給額は前期を12.8%上回って過去最高額となりました。こうした対応が、従業員エンゲージメントを高め、定着率の向上につながっています。

 このように、今後の当社の成長に必要な人材について、「量」と「質」の両面で着実に確保を図ってまいります。エンゲージメントをより高め、従業員が情熱をもって業務に取り組むことで、お客様に対して、これまで以上に高い価値、美味しい料理をご提供していく、その先に、当社の目指すゴールがあると考えています。

 「ゴールはずっと先にある。情熱が最高のエンジンだ。おいしい力が未来を変える。」2024年の当社スローガンを全役職員が胸に抱き、当社はさらなる飛躍を目指してまいります。

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