沖電気工業 【東証プライム:6703】「電気機器」 へ投稿
企業概要
OKIグループ(当社及び連結子会社)のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてOKIグループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般
OKIグループは企業理念に基づき、「社会の大丈夫をつくっていく。」企業としてサステナビリティの取り組みを推進しております。商品・サービスを通して社会課題・環境課題の解決に貢献するとともに、自社拠点におけるCO2排出など環境負荷の低減、多様な人材が前向きに活躍できる職場づくりなどを進め、これらの活動を支えるガバナンスを整備してまいります。
ガバナンス | ● OKIグループは気候関連リスクをはじめとするサステナビリティ関連リスクを管理し、特定したマテリアリティに基づく取り組みを推進するため、2020年度に代表取締役社長を最高責任者とするサステナビリティ推進ワーキンググループ(WG)を設置しました。2023年4月には同WGをサステナビリティ推進部として専任組織化し、新たにサステナビリティ担当役員を設置しております。 ● サステナビリティに関する重要事項については、経営会議において決定しております。上述の推進組織は、マテリアリティを具体化した環境・社会・ガバナンスの取り組み状況や課題について、経営会議への報告を行っております。 ● 取締役会に対しては、事業に大きな影響を及ぼす事項が報告されます。2022年度は、「OKI環境ビジョン2030/2050」の改定、及び「OKIグループ人権方針」の制定などについて審議が行われました。 |
リスク管理 | ● OKIグループはサステナビリティ関連リスクを含む企業活動に関連するリスクを的確に把握し管理するため、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会を設置しております。同委員会はリスク管理に関する基本方針を審議・決定するとともに、これに基づいて管理すべきリスクとそのリスク主管部門を特定し、その顕在化予防のための方針、及び危機が顕在化した場合の対応に関する方針などを審議・決定しております。 ● 各社、各部門に存在するリスクは、経営レベルで検討すべきリスク(経営リスク)、事業に関連し認識・特定すべきリスク(事業リスク)、及び各社、各部門に共通に存在しグループ横断的に管理すべきリスク(共通リスク)の三つに定義・分類しております。このうち共通リスクについては管理すべきリスクを選定し、統括主管部門が顕在化予防のための施策をグループ内に展開して、その実施状況をコンプライアンス委員会が定期的に確認するマネジメントサイクルを構築・運用しております。 |
(2)気候変動への対応
OKIグループは、気候変動が深刻化するなか、社会課題の解決を通してより良い地球環境を次世代に継承することをミッションと捉え、環境に関連する経営上のリスクや機会を中長期の視点で考慮し、環境経営を推進しております。
<気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD※1)に沿った開示情報>
OKIは経済と環境の好循環の観点から2019年5月にTCFDに賛同し、気候関連のリスクや機会とそれらへの対応策を組織的に管理するとともに、その内容の情報開示の充実を図っております。
ガバナンス | (1)サステナビリティ全般の記載をご参照ください。 |
戦略 | 以下のとおり、シナリオ分析によるリスクと機会の特定及び対応を実施しております。 ● 国際機関が発行する気候変動に関するレポートなどを踏まえて、物理的/移行リスクを特定し、気温上昇が4℃になった場合の気候変動の激甚化、気温上昇を1.5℃に抑えるための社会変動を念頭にシナリオ分析を行っております。 ● シナリオ分析においては、後述のとおり気候変動、資源循環、汚染の予防の観点も網羅し、これらのシナリオ下におけるリスクと機会を特定、対応策を設定して、今後発生しうる事象への柔軟な対応力の向上を図っております。 |
リスク管理 | OKIグループ全体のリスク管理については(1)サステナビリティ全般の記載をご参照ください。気候変動関連リスクについては当該箇所に記載した「共通リスク」として、以下の対応を実施しております。 ● 年に1回以上、気候変動に関連する最近の事象を抽出し、これらがもたらすリスクや機会の影響度/頻度/発生時期などを評価し重要度を特定しております。 ● 上記のリスクと機会に対する対応策を検討し、環境経営のグループ全体の計画を策定し、各組織や各拠点の環境実行計画に落とし込んでおります。これらの計画の実行状況は内部監査などによりチェックされ、必要に応じて是正されます。このプロセスはOKIグループ全体の環境マネジメントシステムにおいて統合的に管理されております。 |
指標及び目標 | <使用する指標> ● 自社拠点を含むサプライチェーンにおける事業活動に伴うCO2排出量(SCOPE1+2、SCOPE3) ● 環境貢献売上高 <目標> ● CO2排出量2030年度目標(SBT※2準拠):自社拠点のCO2排出量※3 42%削減、調達先と製品使用時のCO2排出量※4 25%削減(いずれも2020年度比)としております。 ● 環境貢献売上高2030年度目標:対グループ全体売上高比率 50%としております。 <実績> ● 当社Webサイトをご参照ください。2022年度の各指標に関する実績は、統合報告書「OKIレポート」発行時(2023年10月予定)に掲載いたします。 ・Webサイト 環境への取り組み:https://www.oki.com/jp/eco/ |
※1 TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures):気候変動に対する企業の対応について、投資家への情報開示の必要性を勧告する提言
※2 SBT(Science Based Targets):パリ協定が求める水準と整合した、温室効果ガス排出削減目標基準
※3 SCOPE1(燃料由来)+SCOPE2(電力由来)
※4 2020年度SCOPE3実績の67%以上を占める、SCOPE3のカテゴリー1(購入した製品・サービス)とカテゴリー11(販売した製品の使用)の合計
<シナリオ分析を踏まえた戦略>
気温上昇を1.5℃に抑えるための社会の変化が進むと、炭素税などの法制、技術進化、市場ニーズの変化などが生じ、OKIグループの脱炭素ソリューションへのニーズが高まると分析しております。気温上昇が3〜4℃となった場合、気候変動の影響による激甚災害に伴う物理的リスクが高まり、OKIグループの自社拠点を含むサプライチェーンに重大な影響が生じる可能性があります。また、激甚災害の予防策としての防災情報システムなどのニーズが高まると考えられます。
シナリオ分析 | 戦略・施策 | |||
カテゴリー | 想定する事象 | リスク/機会 | 将来の財務への影響 | |
気候変動 1.5℃シナリオ <移行リスク>
IEAの持続可能な開発シナリオ(SDS)とIPCCのSSP1-1.9と1-2.6を参照 | 脱炭素ニーズの一層の高まり、広範囲化 | リスク | ● ハードウェア製品に対する省エネ基準や顧客要求未達による販売機会の喪失 ● 製造プロセスに対するお客様からの再生可能エネルギー使用の要請への対応 ● 事業拠点における脱炭素強化に伴うコストアップ | ● SBT1.5℃に準拠したCO2排出量削減目標の設定と以下の施策の推進 ●商品:ハードウェア製品の省電力化 ・ 規制強化を先取りした開発目標の設定 ・ 研究開発や技術開発の強化及び商品化の加速 ●拠点:CO2排出ゼロ(ZEBなど)に向けての下記の施策を推進 ・ 省エネの徹底:拠点の生産設備、ファシリティの高効率化、全業務の効率化 ・ 省エネの導入:自拠点での再エネ設備設置、再エネ由来の電力契約など |
機会 | ● OKIグループの以下の商品に対する需要の拡大 ・脱炭素/省力化ソリューション ・再生可能エネルギー普及を支援する技術 ・ハードウェア製品に対する再生可能エネルギー駆動型製品 | ● 商品:環境貢献商品の拡大と創出 ・ 環境貢献売上高の見える化と訴求 ・ IoTやAIを活用した脱炭素/省力化ソリューションの創出 例:交通分野、建設/インフラ分野、金融・流通分野、海洋分野、ビジネスコミュニケーション分野、ビルエネルギー管理分野 ・ 業務受託によるお客様業務の効率化支援 例:ATMのフルアウトソースサービス ・ 再生可能エネルギー駆動型ハードウェア製品の拡大 例:ゼロエナジーゲートウェイ ・ 研究開発の強化(AI軽量化など) ・ 社内における脱炭素タスクフォースの立ち上げ | ||
気候変動 4℃シナリオ <物理的リスク>
IPCCのSSP5-8.5を参照 | 異常気象の増加と激甚化(風水害の増加/極端な熱波・寒波/落雷増加) | リスク | ● 拠点・調達先:工場や調達先の被災による、事業所資産の損失/稼働停止/サプライチェーンの寸断 ● 拠点:気温上昇に伴う装置故障 | ● 拠点:気候変動BCP/BCMの強化 ・ 止水板の設置、設備の嵩上げ ・ 製造設備の落雷時停止装置 ・ 検査装置における空調設備の冗長化 ● 調達先:調達BCPの強化 ・ 調達先に対する気候変動リスクの調査の強化 |
機会 | ● 商品:OKIグループの防災・減災高度化対応商品への需要の拡大(防災分野、海洋分野) | ● 商品:防災情報システムなどの事業展開強化 |
シナリオ分析 | 戦略・施策 | |||
カテゴリー | 想定する事象 | リスク/機会 | 将来の財務への影響 | |
化学物質による 汚染の予防 | 対象法令物質の拡大、複雑化 | リスク | ● 商品:含有化学物質の基準違反 ● 拠点:施設老朽化に伴う汚染 | ● 商品:グループ全体の運用共通化の強化 ● 拠点:施設の点検・交換基準の見直し |
機会 | ● 商品:化学物質管理の効率化需要の拡大(製造分野) | ● 商品:製品含有化学物質の分析サービス、調査システムの展開 | ||
資源循環 | 海洋プラスチック、マイクロプラスチック対応の法令強化 | リスク | ● 拠点:廃棄物処理費用の高騰、処分業者による引き取り拒否 ● 商品:資源の枯渇リスク、部材の供給不足リスク | ● 拠点:廃棄物削減 ・ プラスチック梱包材のリユース ・ 金属素材からの採取率向上による廃棄率削減 ● 商品:広域認定処理制度を活用した使用済み製品からの部品回収とリユース |
機会 | ● 商品:省資源製品やリサイクルサービスの需要拡大 | ● 商品:広域認定処理制度を活用した使用済み製品回収によるお客様負担の軽減 |
(3)人的資本・多様性
OKIグループは、人材を最も重要な経営資源の一つと位置づけ、多様な人材が最大限能力を発揮できる環境の整備と人材育成に取り組んでおります。
戦略 | ● 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針 OKIグループは、多様な人材が前向きに活躍することが持続的な成長の鍵であるとの考えに基づき、そのための環境づくりと、適材の確保・育成・配置を実現する人材施策を推進しております。 ・多様な人材が前向きに活躍できる環境づくり 1)ダイバーシティ&インクルージョンの推進 多様な人材がやりがいを感じながら仕事に取り組み、最大限に能力を発揮できる企業文化の醸成に向け、社内の啓発活動や多様性に配慮した制度の構築、効率性を高める柔軟な働き方の実現、一人ひとりを評価し任用する仕組みの整備などに取り組んでおります。 2)多様な働き方を実現する人事制度や労働環境の整備によるエンゲージメント向上 誰もが仕事とプライベートの両立を目指すために、労使で労働時間や休暇取得状況を確認するとともに、仕事と育児・介護などの両立を支援する各種制度を整備しております。各施策が社員一人ひとりの働きやすさ、働きがいにつながっているかは、年1回、OKIグループ全社員を対象とした意識調査で確認し、改善の検討につなげております。 ・事業環境の変化に合わせた適材の確保・配置・人材育成 1)人材の採用、配置 持続的成長の観点から、新卒採用の拡大・継続とキャリア採用の拡大に取り組み、既存ビジネスにおける人材確保と同時に新しいビジネスを創出するための人材採用を進めております。また、キャリア・デベロップメント・プログラム(CDP)による上長との年1回の面談やFA制度の利用により、社員が納得して働ける環境や配置を実現しております。 2)「自律型社員」の育成 自らの役割に応じて柔軟な対応ができ、周囲の人を巻き込んで成果を創出する「自律型社員」を育成するため、「業務経験を通じた人材育成」と「研修・学習を通じた人材育成」を両輪として社員一人ひとりの自己成長を促進しております。
● 社内環境整備に関する方針 OKIグループ行動規範に「労働安全衛生に関する法令や社内規則を遵守し、安全で清潔な職場環境づくりに努める」ことを掲げるとともに、労働法関連リスクを(1)サステナビリティ全般「リスク管理」に記載した「共通リスク」として、社員の健康と安全に取り組んでおります。 ・労働安全衛生の取り組み OKIは、労使で構成する「安全衛生委員会」を各地区に設置して安全衛生体制を構築し、計画的に社員の危険及び健康障害の防止・健康増進対策を進めております。また、年に一度、「中央安全衛生委員会」を開催し、各地区の活動の評価や水平展開を行っております。 ・健康経営への取り組み 心身ともに健康であることによって社員一人ひとりが十分な力を発揮できることを目指し、「OKIグループ健康経営宣言」のもと、産業保健スタッフを含む会社と健康保険組合が連携する「コラボヘルス」体制で健康経営を推進しております。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
指標及び目標 | 上記戦略に記載した項目のうち、以下について具体的な指標・目標を定めております。 ● 人材の多様性の確保を含む人材の育成 ・多様な人材が前向きに活躍する環境づくり 1)ダイバーシティ&インクルージョンの推進 OKIの女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画(2020年4月1日~2023年3月31日)の目標と実績は以下のとおりであります。いずれの指標についても、2022年度の目標は未達となりました。正社員の時間外労働時間に関しては、新たな制度やプロジェクトへの対応のため労働時間が増加したことが、また女性管理職比率に関しては、登用の対象層において育児・介護などライフイベントとの両立が課題となり、計画通りに登用が進まなかったことが、未達の背景にあると認識しております。 <女性活躍推進法の事業主行動計画における目標と実績(OKI)>
※ 2019年度月平均以下を目標値としております。
2)多様な働き方を実現する人事制度や労働環境の整備によるエンゲージメント向上 国内グループ全社員を対象とした意識調査の「働きがい(働きやすく、働きがいをもって働けるか)」項目について、ポジティブ回答※を70%とすることを目標としております。実績は以下のとおりで、悪化傾向となりました。この背景には、コロナ禍を受けたリモートワークなどの環境整備状況や新たな環境における業務遂行プロセスの変化など、働きがいに影響を与えた複数の要因が考えられます。 <国内OKIグループ全社員を対象とした意識調査結果。()内はOKIの数値>
※ ポジティブ回答:とてもそう思う/どちらかと言えばそう思う
OKIは上記1)、2)に記載した目標未達に関する課題認識にたち、2023年4月に人事総務部 組織風土改革室を新設しました。同室を中心に、ダイバーシティ&インクルージョンの施策推進や、アフターコロナも踏まえた社員の働きがい向上などに取り組んでまいります。
● 社内環境整備に関する方針 ・健康経営への取り組み OKIグループが重点的に取り組むべき健康課題を「からだ」「こころ」「いしき」の3つの観点で整理し、2021年度から5年間の計画で指標と目標を設定して健康づくりの施策を推進しております。目標及び実績の推移(国内OKIグループ)は以下のとおりであります。
※ 1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施している社員の割合
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