永大産業 【東証スタンダード:7822】「その他製品」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは経営の基本理念に『木を活かし、よりよい暮らしを』を掲げ、地球、社会、人との共生を通じて、豊かで持続可能な社会の実現に貢献する企業であり続けることを目指しております。
「持続可能な森林の木を使う」「木を無駄なく使う」「木を循環して使う」という3つの循環の輪に沿った事業を展開するとともに、地球環境に配慮した製品を開発することにより、社会課題の解決に貢献してまいります。
また、すべての世代の安全と使い勝手に配慮した製品を提供することにより、豊かな住環境を創造するとともに、国際社会の一員として国や地域の多様性を尊重し、雇用の確保や製品の提供等を通じて地域社会の発展に貢献することで、ステークホルダーの皆様に報いてまいりたいと考えております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは事業の継続性とともに、株主に対する安定配当を持続するためにも収益の確保が最も重要と考え、売上高を増大させながら売上高経常利益率を高めることにより、収益基盤を強化してまいります。
当面の経営指標として売上高経常利益率3%以上を目標とし、業容拡大に取り組んでおります。
(3)経営環境
今後のわが国経済は、雇用・所得環境が改善するなか、国内経済は各種政策の効果によって緩やかな回復基調を維持するものの、過度な為替変動や地政学リスクの高まり、海外経済の下振れ懸念など、景気を下押しするリスクに留意が必要な状況が続くと見ております。
住宅業界におきましては、政府による住宅取得支援策が引き続き住宅需要を下支えするものの、住宅価格の上昇や住宅ローン金利の先高観により住宅取得マインドが低下しており、建築コストの上昇が住宅需要を抑制する状況にも大きな変化が見られないことから、新設住宅着工戸数は低調な推移が続くと考えております。さらに、人口減少や単身世帯の増加といった構造的な問題は残されており、特に少子化は当初の想定より速いペースで進行しております。こういった状況を踏まえると、住宅需要の早期回復は困難な状況にありますが、一方では、住宅内装部材においては住宅購入者の年齢層や世帯構成、ライフスタイル等によりニーズの多様化が進んでおり、それらの需要を取り込むための製品開発は、当社グループが事業を拡大するうえで引き続き重要なポイントになると考えております。
このような状況の中、住宅内装部材メーカー各社は、最新のトレンドを反映した色柄やデザイン、機能を取り入れた新製品開発を強化し、新製品の市場投入サイクルを短縮するとともに、生産拠点においては生産能力の強化を図ってきました。こういった企業間の熾烈な競争によって住宅内装部材の需給バランスは供給過多の状況が続いており、原材料や資源・エネルギー価格が高騰、高止まりする昨今の状況においては、想定した期間内に販売価格の改定を浸透させることが難しくなっております。
(4)経営計画、経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、2018年9月の台風被災により大きく悪化した業績を立て直すため、中期経営計画「EIDAI Advance Plan 2023」を策定し、各施策に取り組んでまいりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大、ウッドショックといった外部環境の変化への対応が遅れたことから目標達成には至らず、収益力が大きく低下し、業績はさらに悪化する結果となりました。2024年3月期は、主力の住宅資材事業において高付加価値製品の販売拡大に取り組むとともに、適正な販売価格への改定が徐々に市場に浸透した効果もあり、6期ぶりに営業黒字を計上いたしましたが、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するためには、安定した経営基盤の構築と収益力の強化が喫緊の課題と改めて認識しております。一方、2023年2月以降、当社において2件の重大事故が発生するなど、安全衛生管理面の課題が浮き彫りとなりました。このような事故を再発させないよう、全ての従業員が安全に業務を行うことができる職場環境の整備についても課題認識をしております。
当社グループではこのような現状を踏まえ、物流・運送業や建設業における「2024問題」により、物流コストの上昇や建設業の人手不足が顕在化する状況においても、確実に利益を計上することができるよう安定した経営基盤の構築と収益力の強化を図るため、2025年3月期を初年度とする新たな中期経営計画「EIDAI Advance Plan 2026」を策定いたしました。
(3)経営環境に記載のとおり、当社グループを取り巻く環境は厳しさを増しておりますが、当社グループでは、お客様にご満足いただける製品品質の維持向上と併せて、資材の安定調達と製品の安定生産、安定供給に引き続き取り組んでまいります。これらの取組を前提として、主力の住宅資材事業では、更なる製造原価の低減や販売価格の適正化、販売構成の改善により収益性の改善を図るとともに、多様なニーズを取り入れた製品開発とライフスタイルの変化に合わせた製品の拡充を図り、SNSを含めたより効果的な販売促進策を通じて、販売拡大に努めてまいります。さらに、リフォーム需要の獲得や非住宅分野での販売を強化することにより、新築依存からの事業構造の転換を進め、事業領域の拡大と収益力の強化を図ります。
また、連結子会社であるENボード株式会社の事業を早期に軌道に乗せることが喫緊の課題と認識しております。同社のパーティクルボードを、グループ外から調達している合板などの木質材料の代替として住宅資材事業の製品へ積極的に採用するなど、材料から製品までを一貫して生産できる体制を構築し、調達コストと製品供給の安定化を図ってまいります。一方、構造用やフローリング基材用のパーティクルボードは、合板の代替として需要の拡大が見込まれているため、最新鋭の設備を駆使して生産した高品質なパーティクルボードを提案することにより、新たな販売先を開拓してまいります。さらに、パーティクルボードの新たな用途開発を推進し、住宅資材と木質ボードの両事業の相乗効果により、業績と企業価値の向上に取り組んでまいります。
<基本方針>
当社は、「木を活かし、よりよい暮らしを」という基本理念のもと、地球・社会・人との共生を通じて豊かで持続可能な社会の実現に貢献する企業であり続けることを目指しております。さらに、健全で透明性の高い経営とステークホルダーから信頼される事業活動を通じて、サステナビリティを巡る課題に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。
<数値目標>
①当社グループの目標
| 単位 | 2023年3月期 (実績) | 2024年3月期 (実績) | 2025年3月期 (計画) | 2026年3月期 (計画) | 2027年3月期 (計画) |
売上高 | (百万円) | 69,787 | 71,665 | 72,000 | 74,500 | 76,500 |
営業利益 | (百万円) | △1,143 | 368 | 250 | 800 | 1,000 |
経常利益 | (百万円) | △1,309 | 321 | 50 | 600 | 800 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | (百万円) | △1,104 | 3,219 | 200 | 500 | 550 |
EBITDA(注) | (百万円) | 1,473 | 3,830 | 3,850 | 4,500 | 4,750 |
売上高経常利益率 | (%) | - | 0.4 | 0.1 | 0.8 | 1.0 |
ROE | (%) | - | 7.6 | 0.6 | 1.4 | 1.5 |
PBR | (倍) | 0.24 | 0.29 | 0.29 | 0.29 | 0.34 |
(注)EBITDA=税金等調整前当期純利益に特別損益、支払利息および減価償却費を加算した値です。
②資本政策・収益計画の基本方針
1)資本政策の基本方針
資本政策の基本方針は、株主価値の持続的成長を目指し、事業拡大の機会を迅速、確実に捉えるために必要となる十分な株主資本の水準を保持するとともに、安定した配当を確保しつつ、自己株式の取得を必要に応じて検討することとしております。
2)収益計画に関する目標
2018年9月の台風被災以降は業績の低迷により、株価、ROEともに低い水準で推移しており、PBRは1倍を下回る状況が続いております。当社グループは、中期経営計画の達成による収益力強化を図り、ROE、PBRの向上に努めてまいります。
なお、収益力に関する目標につきましては、将来的に売上高経常利益率3%以上を目指してまいります。
<重点施策>
(5つの重点施策(5つの柱))
① 安全についての取り組み
2023年の2件の重大事故を教訓とし、二度とこのような事故を再発させないよう、グループ一丸となって、従業員の安全意識の高揚を図るとともに、全ての従業員が安全に業務を行えるよう職場環境整備を推進してまいります。
② お取引先様及びエンドユーザー様にご満足いただける製品品質とサービスの提供
当社では、設計、製造から販売に至るまで、「お取引先様及びエンドユーザー様にご満足いただくこと」を最優先とし、お客様の声に耳を傾け、各施策を実行し、製品品質とサービスを高め、供給責任を果たすことにより、さらなる信頼の向上に努めてまいります。
③ 住宅資材事業でのシェアアップと新設住宅着工戸数に依存しない事業構造への転換
1)住宅分野でのシェアアップ
今後も新設住宅着工戸数は低水準での推移が見込まれますが、当社の主力である住宅分野においては、多様なニーズを取り入れた製品開発とライフスタイルの変化に合わせた製品の拡充に取り組み、効果的な販売促進策を通じて、これまで以上のシェアアップと売上の拡大を図ってまいります。
2)新設住宅着工戸数に依存しない事業構造への転換
グローバルリスクによる市況の悪化、さらには人口減少や世帯構成の変化といった構造的な要因により、新設住宅着工戸数は低水準での推移が見込まれますが、当社のさらなる売上の拡大と将来の事業基盤を強固なものとするため、各施策を実行することにより、事業構造の転換を加速し、事業領域の拡大と収益力の強化を図ってまいります。
④ 木質ボード事業の強化、拡大及び住宅資材事業との相乗効果の発揮
ENボード株式会社の事業計画を必達させるとともに、同社を最大限に活用し、各施策を通じて、木質ボード事業の拡大と収益向上を図ってまいります。
⑤ サステナブル経営の推進
「木を活かし、よりよい暮らしを」という基本理念のもと、健全で透明性の高い経営とステークホルダーから信頼される事業活動を通じて、サステナビリティを巡る課題に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。
なお、中期経営計画の詳細につきましては、当社ウェブサイトに掲載しております。
(参考URL https://www.eidai.com/profile/ir/management.html)
注)経営計画等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
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