企業正栄食品工業東証プライム:8079】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 当社の経営の基本方針

 当社は、お客様に常に国内および海外から厳選された安全・安心な食品を提供することで、新たな食文化を創造し、社会に貢献することを目指しており、そのために、原料調達、生産・加工、流通・販売という一貫した機能を強化し、お客様の変化するニーズに的確にお応えしていくことを当社経営の基本方針としております。また、企業価値の最大化と企業の持続的成長を実現し、株主・取引先・従業員・地域社会等様々なステークホルダーとの適切な協働を図ってまいります。

(2) 目標とする経営指標

売上高に関しては、作柄や需要の変化を反映した現地価格の変動や為替相場の変動により、輸入食材の仕入単価が変動し、これを反映し販売価格も変動することから、販売量の増減とは別に売上高の増減要因となります。従って、経営指標としては、売上高よりも、売上総利益や営業利益での増益を主要な経営目標としております。また、企業価値の持続的な向上を目指し、資本コストを勘案し、ROE(株主資本利益率)で8%を目指す方針としております。工場の新設等の設備投資を積極的に行っており、減価償却費の計上等により現在は8%を下回っておりますが、中長期的に8%の達成を目指します。

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 当社の中長期的な経営戦略は以下のとおりです。

①  食品専門商社としての成長戦略

・主要商品におけるサプライチェーンの持続可能性の追求のため、新規開拓および産地多様化・分散化による仕入先多様化を進めてまいります。また、品質管理基準やリスク管理の共有、工程監査、定期会議、訪問等を通して仕入先との間での長期協力関係の実現に向けて取組みます。

・健康で豊かな食生活に向けた食の多様性提案に努め、健康志向、ヴィーガン、完全栄養食等の新しい需要へ対応した営業活動を積極的に進めます。また、健康素材の発掘を進め、食の多様性提案に向けた営業活動を強化してまいります。

・グローバル展開の強化を目指し、既存海外事業における中国ビジネスの黒字安定化および米国事業の強化を図るとともに、新興国市場の成長に合わせた輸出事業の開拓推進に取組みます。さらに海外現地需要に特化した商品開発に注力し、競争力のある商品群の構築を図ってまいります。

②  食品加工メーカーとしての成長戦略

・市場ニーズにマッチした付加価値商品の選定および設備投資による自社加工品の増産体制の構築を図ります。また、自社加工品の販売地域の拡張、新たな販路の開拓に注力してまいります。

・再生可能エネルギーの使用を検討し、食品ロス・廃棄物の削減および歩留り改善による廃材削減に努め、さらにリサイクル品の導入等、環境への負荷を減らす取組みを積極的に進めてまいります。

・持続可能な物流網の構築維持を目指し、物流課題への取組みをスタートさせ、既存物流網の見直しや「2024年物流問題」への適切な対策を図ってまいります。

・自社工場の品質管理・保証体制の強化を進めるとともに、協力工場、仕入先への品質監査体制の強化に注力し、安心・安全な食品の提供体制を維持してまいります。

③ サステナビリティ経営の推進

・カーボンニュートラルの実現に向けCO2排出量の蓄積データに基づき削減目標を設定し、CO2排出量の削減に努めます。仕入先の人権・環境対応等に関するCSR(企業の社会的責任)調査も継続的に実施し、職場における人権に関わる諸課題への対応も強化してまいります。

・ステークホルダーとの協働を目指し、環境への配慮、社会貢献、公正・透明な企業運営等のCSRへの対応を推進し、働き易い職場環境の整備、労働条件の改善や福利厚生の充実を図るとともに、地域社会への貢献を継続して促進してまいります。また、企業価値の向上を目指したIR活動の強化に努めます。

・情報開示の強化による企業の透明性と説明責任の確保に努め、ガバナンス委員会の活用と取締役会の実効性向上によるコーポレート・ガバナンス体制の一層の充実を図ります。リスク管理・コンプライアンスの徹底にも注力してまいります。

・DX推進による業務効率化の向上や自社社員のDXレベルの向上を目指すとともに、人事制度の再構築、人材多様性の追求、育成プログラムの構築を通して人的資本の最大限の活用を目指してまいります。経営戦略の実現に適合する人材戦略の構築を目指し、経営基盤の強化を図ります。

(4) 会社の対処すべき課題
①  ニーズの変化と多様化

 コロナ感染症の5類への移行に伴い、行動制約が緩和され外食需要が回復となりましたが、物価高の影響による節約志向への切替も予想されており、自炊や家庭内での食品需要が増え、単価の安いものにシフトする可能性が高くなっております。消費者の購買行動が鈍化する反面、健康志向や食品への安全・安心意識は高まり続けています。さらに環境問題への関心が高まり、ヴィーガン食、プラントベースフード等新しいトレンドが登場し、消費スタイルにもエシカル消費が増え、フェアトレード商品や環境に配慮した商品の購入が増加傾向となっております。健康で豊かな食生活に向けた食の多様性提案に貢献できるよう、需要に合った商品開発や業界ニーズへの対応に引き続き注力してまいります。

②  食材価格変動の拡大

 世界的な景気停滞や貿易摩擦、戦争等の国際情勢への不安や自然災害や気候変動の拡大、為替相場の大きな変動により、輸入原料・資源価格が大きく変動する状況が継続しております。商品仕入の産地多様化、分散化を進め、サプライヤーとの協力関係の強化により安定調達の確保に努めてまいります。

③  デジタル技術の進展

 社会全体でAI(人工知能)の積極的利用が既に開始されております。人手不足やエネルギー価格の上昇等により人件費、物流費等のコストが上昇しておりますので、これらへの対応のため、経営・営業戦略のDX化を早期に推進する必要があります。社員全体のDXレベルの向上を図り、DX推進による業務効率化を一層進めてまいります。

④  人材確保・育成、公正な人事評価の必要性

 経営環境が急速に変化する中、持続的に企業価値を向上させるためには、経営戦略の実現を支える人材戦略が問われています。デジタル化の進展やサステナビリティ経営の推進によって、人材に求められるスキル・能力が急速に変化しており、高度な専門性はもちろん、多様な視点から新たな発想を生み出せる人材がますます求められるようになっています。企業の競争力の源泉とも言える人材確保のため、公正的な人事評価制度の構築が必須となっていますので、経営戦略の実現に向けた人材育成も合わせて中長期人材戦略の構築を図ってまいります。

⑤  サステナビリティ経営への関心の高まり

 サステナビリティ経営は今では社会全体に求められている取組みであり、企業に関わる様々な人が持続可能性に注目し始めているのが現状です。持続可能な経済発展、社会開発、環境保護の3つの柱に沿って、環境や社会へ配慮した中長期戦略を立案し、継続的な企業成長の実現を目指して取組んでまいります。当社では「サステナビリティ基本方針」に基づき、仕入先との間で公正で適正な取引を行い、ともに繁栄できる関係の構築を目指しており、多様なステークホルダーと人権・労働環境・環境負荷等のサステナビリティ課題についてともに取組むことで、持続可能な社会への貢献を目指してまいります。コーポレート・ガバナンスについても一層の体制強化を図ってまいります。

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