楽天銀行 【東証プライム:5838】「銀行業」 へ投稿
企業概要
当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当行グループが判断したものです。
(1) 重要なサステナビリティ課題への対応に関する基本的な方針
1.ガバナンス
当行は、楽天グループの一員として、「イノベーションを通じて人々と社会をエンパワーメントする」というミッションのもと、企業価値を高めながら、社会に貢献し、社会と共生していくことをサステナブル経営基本方針としています。
当行では、取締役会がサステナビリティ経営に関連する基本方針の決定、多角的な視点や長期的な時間軸での意見交換、態勢構築等を実施しています。経営会議では、サステナビリティ経営に関連する取締役会決議事項の審議機関として、また、基本方針に基づく業務執行機関としての役割を果たしています。上記ガバナンス態勢の下で、行内横断的な会議体としてサステナビリティ推進会議を設置するほか、サステナブル経営の推進に向けて、当行における人材の育成や従業員の啓発、職場環境の整備に当たるとともに、環境や社会の課題の解決に資するお客さまの取組を支援する施策を推進しています。
サステナビリティ推進会議は、代表取締役社長を議長として、各業務執行本部長、リスク管理本部長等が参加する会議体として開催しており、当年度は5回開催しました。当該会議では当行のサステナブル経営基本方針及び各施策の策定の検討等、中長期的なサステナビリティ課題への対応方針や取組計画等を協議し、重要な事項があれば経営会議、取締役会へ内容を報告することとしています。
2.リスク管理
当行ではリスク管理本部を中心とした統合的なリスク管理態勢を構築しており、月次でリスク管理委員会を開催し、市場・信用リスク管理、資金流動性リスク管理、オペレーショナル・リスク管理等といったリスク管理に関する事項について、統合的リスク管理の観点から管理態勢・運営方針の策定及びその管理状況等について協議及び報告を行い、経営会議、取締役会へリスク管理状況を報告しています。リスク管理委員会は、統合的なリスク管理の一環として、サステナビリティに関連する項目も含めて、年次でリスクプロファイルの評価及び見直しを行い、経営会議、取締役会に報告を行いました。
上記リスク管理体制の下、当行は2022年5月に「環境・社会に配慮した投融資方針」を制定し、環境や社会に対する影響を勘案のうえ、審査基準に照らし融資判断を行っています。
(2) 重要なサステナビリティ課題への取組及び指標
当行が気候変動、人的資本に関して行っている取組は以下のとおりです。ガバナンス及びリスク管理体制については、「(1) 重要なサステナビリティ課題への対応に関する基本的な方針 1.ガバナンス、2.リスク管理」をご参照ください。
1.気候変動
当行は、2022年3月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言への賛同を表明し、構成されるバリューチェーン全体での脱炭素化を目指して、温室効果ガス(以下、「GHG」という。)プロトコルに沿ったGHG排出量の計測及びRE100への取組を着実に進めています。
当行における気候変動の機会、物理的リスク、移行リスクへの検討と対応状況は以下のとおりです。
リスク及び機会 | 概要及び対応策 |
機会 | 気候変動関連ビジネスへの支援が不可欠な中、当行では、革新的な金融サービスの提供により、お客さまのカーボン・ニュートラルに向けた対応を支援していきます。 |
物理的リスク | 近年の大規模自然災害の発生状況も睨みつつ、気候変動が財務に与える影響を分析していきます。 |
移行リスク | 気候変動政策や規制、技術革新等により生じるリスクをモニターしていきます。なお、当行では「環境・社会に配慮した投融資方針」に基づき炭素関連(電気、ガス、エネルギー)資産の集中するプロジェクトへの投融資は実行しません。 |
上記に伴う指標として、環境関連投融資残高とGHG排出量(連結グループにおけるスコープ1、2、3)を採用しています。それぞれの指標と目標は以下のとおりです。
(i) 環境関連投融資残高(注)
2027年3月31日 目標年度 | 2022年3月31日 実績 | 2023年3月31日 実績 | 2023年3月31日 達成状況 |
1,000億円 | 116億円 | 557億円 | 55.7% |
(注) 環境関連投融資の範囲には、以下①及び②に係る投融資案件が含まれます。
① 国際原則又は政府の指針に適合する投融資、及びそのリファイナンス
・ グリーンボンド原則(国際資本市場協会<International Capital Market Association>)
・ グリーンボンドガイドライン(環境省)
・ 気候ボンド基準(Climate Bonds Initiative)
・ クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック(国際資本市場協会)
・ クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針(金融庁、経済産業省、環境省)
・ グリーンローン原則(ローンマーケット協会<Loan Market Association>ほか)
・ グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン(環境省)
・ サステナビリティボンド・ガイドライン(国際資本市場協会)
・ サステナビリティ・リンク・ボンド原則(国際資本市場協会)
② ①に準じる投融資として資金使途が以下に限定されている投融資やそのリファイナンス
・ FIT法に基づく認定を受けた事業への投融資であって、森林法、自然環境保護法を含む各種法令を遵守した投融資(リファイナンスを含む)
例:気候変動リスクを低減する省エネルギー・再生可能エネルギー事業(太陽光発電施設・設備、風力・水力・バイオマス発電施設)など
・ ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)への融資(住宅ローン、投資用マンションローン)
(ii) GHG排出量
| 単位 | 2021年12月31日 実績(注1) | 2022年12月31日 実績(注1) |
合計(注2) | t-CO2 | 239,329 | 4,675,576 |
スコープ2 | ロケーション基準 | 1,585 | 1,379 |
マーケット基準 | 1,247 | 178 | |
スコープ3 | 238,082 | 4,675,399 |
(注) 1.GHG排出量は暦年(1月1日~12月31日)で集計しています。
2.合計値に含めるスコープ2はマーケット基準のみ加算しています。
3.算定及び推移の詳細については、当行ホームページにて公開される予定のESGデータブック2022を参照ください。
2.人的資本
当行が人的資本に関して行っている取組と指標及び目標は以下のとおりです。人的資本の指標及び目標は提出会社である当行単体の数値を記載しています。
(i) 人材育成
当行は、業務に必要な知識、有用なスキルについて研修を行うと共に、各人の自律的な能力開発をサポートしています。全従業員を対象に毎年実施している全社研修のほか、管理職向けのマネジメント研修や年次別の研修等、充実した研修制度で従業員一人ひとりの成長を支援しています。また、各種資格取得や英語学習のサポート体制も整えています。
人材育成に関する指標と目標は以下のとおりです。
| 2023年3月31日 実績 | 2024年3月31日 目標 |
全社研修参加率 | 99% | 100% |
金融コンプライアンス・オフィサー2級認定率 (注) | 98% | 100% |
(注) 日本コンプライアンス・オフィサー協会が実施しており、金融機関の初級・中級管理職及び一般行職員を対象として、日常業務において直面するコンプライアンスに関する諸問題に対処するために必要な実務知識の習得度合いを判定する試験です。
(ii) 社内環境整備と人材の多様性確保
当行は、性別、国籍、ライフステージを問わず多様性あふれる行員が生き生きと活躍できるよう、ダイバーシティを促進しています。Englishnizationに取り組む他、子育て世代に向けて短時間勤務を小学校を卒業するまでの間認める制度、不妊治療に活用頂ける特別休暇制度等を整備しています。また、障がい者の雇用確保にも取り組み、法定雇用率は継続して達成しています。
女性活躍推進法に基づく行動計画と指標及び目標は以下のとおりです。詳細は当行ホームページの女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画(https://www.rakuten-bank.co.jp/policy/action2.html)をご覧ください。
取組計画
働きやすい職場環境の整備 | ・ 短時間勤務の子どもの対象年齢を、「小学校就業の始期に達するまで」から「中学校就業の始期の達するまで」に延長。 ・ 引き続き残業時間抑制を徹底。 |
有給休暇の取得促進 | ・ 引き続き会議等において年次有給休暇取得状況を共有する。 ・ 従業員全員が有給休暇取得率70%以上となるよう、従業員への促進啓発を行う。 |
勤務歴が浅い社員を対象とした研修の実施 | ・ 若手の労働者に対する多様なロールモデル・多様なキャリアパス事例の紹介。 |
指標及び目標
| 2023年3月31日 実績 | 2024年3月31日 目標 |
管理職に占める女性労働者の割合 | 「第1 企業の概況 5従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」をご参照ください。 | 33%以上 |
平均勤続年数の男女差異 (女性平均年数/男性平均年数) | 73.9% | 72%以上 |
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