栗田工業 【東証プライム:6370】「機械」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、特に断りのない限り、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)クリタグループのサステナビリティへの取組
当社グループはサステナビリティを、自然環境や社会システムの中に企業活動を位置づけそれらとの相互影響を踏まえて持続的な成長を図ることであると捉え、サステナビリティを経営の中核に据えて取組んでおります。
①ガバナンス
当社グループは、企業ビジョン実現に向けた重要課題を、サステナビリティに関するグローバルな課題を踏まえ中期経営計画ごとに特定し「クリタグループのマテリアリティ」として定めたうえで、指標及び目標を設定してこれに取組むこととしております。指標ごとに定めた活動所管部署は目標の達成に向けて活動を実行し、当社の執行役員であるサステナビリティ推進本部長を委員長とするサステナビリティ推進委員会は活動所管部署から活動状況の報告を受け、マテリアリティへの取組を統合して管理、推進するとともにその状況を原則年2回経営会議へ付議または報告することとしております。また、経営会議はマテリアリティへの取組状況を取締役会へ報告します。なお、取締役のインセンティブ報酬のうち、業績連動報酬である短期インセンティブ報酬算定の一部には、マテリアリティに紐づく一部の指標及び目標の達成度を評価する環境貢献係数が用いられます。
②戦略
当社グループは、中期経営計画PSV-27において「持続可能な社会の実現に貢献する『水の新たな価値』の開拓者」を企業ビジョンに掲げ、この実現に向けた当社グループの重要課題を「クリタグループのマテリアリティ」として定め、指標及び目標を設定してこれに取組んでおります。現中期経営計画におけるマテリアリティは以下のステップにより特定しました。
<Step1:サステナビリティ課題の抽出>
国際規範※1、法令と情報開示基準※2、および過去のステークホルダーエンゲージメント※3より得られた課題から、マテリアリティ候補となるサステナビリティ課題37テーマを網羅的に抽出しました。
※1 SDGs、UNGC10原則、OECD多国籍企業行動指針、WEFグローバルリスク報告書。
※2 GRIスタンダード、GHGプロトコル、SASBスタンダード、EUタクソノミー、SFDR、CSRD、TCFD、TNFDなど。
※3 顧客からのCSR調達アンケートへの回答、取引先アンケート結果、従業員エンゲージメント調査結果、株主・投資家への説明会、ESG評価機関からの調査への回答、社会貢献活動など。
<Step2:マテリアリティ・マトリクスの作成>
E&S委員会※4委員、社外取締役、監査役、E&S委員会※4事務局にアンケートを実施し、以下の2側面につきポジティブ側面・ネガティブ側面での影響度(発生可能性と影響の大きさ)評価を行いました。
(i) サステナビリティ課題がクリタグループの企業価値に与える影響
(ⅱ)クリタグループがサステナビリティ課題に取組むことで社会・環境に与える影響
評価結果を、上記(i)(X軸/横軸)および(ⅱ)(Y軸/縦軸)の2軸のマトリクスで整理し、X軸・Y軸ともに影響度の大きいテーマをマテリアリティ候補とし、7つのマテリアリティと複数のマテリアリティに共通する5つのサブテーマに絞り込みました。
※4 E&S委員会は現サステナビリティ推進委員会の旧称。
<Step3:妥当性の確認とマテリアリティの特定>
Step2で絞り込んだマテリアリティ候補を経営会議および取締役会へそれぞれ報告し意見を得た後、経営会議メンバーを中心とする新中期経営計画の検討を担う委員会で中期経営計画の検討と並行してマテリアリティの妥当性を確認し、最終的に8つのマテリアリティを、経営・事業活動の基礎とすべき「基礎テーマ」と、社会との共通価値創造に繋がる「共通価値テーマ」に分類し、特定しました。その後、取締役会にてこれを決議し「クリタグループのマテリアリティ」として従来の「CSRに関する方針」から変更しました。
また当社グループは、顧客、取引先、従業員、株主・投資家および地域社会といったステークホルダーとのエンゲージメントに取組み、エンゲージメントを通して把握した期待や懸念、評価を、「クリタグループのマテリアリティ」ならびにその指標及び目標の妥当性の検証や目標達成に向けた諸活動に生かしていくこととしております。サステナビリティ推進委員会は、エンゲージメントごとに定める関連部署よりエンゲージメント状況を集約し、これらの取組に反映します。
ステークホルダー | エンゲージメントの方法 |
顧客 | ・ 顧客・サプライヤー評価機関からのCSR調査への対応。 |
・ 製品・技術・ビジネスモデルの開発段階におけるヒアリング。 | |
・ 顧客調査や提案活動によるコミュニケーション。 | |
取引先 | ・ 取引先アンケートの実施やサプライヤー評価機関を通した調査の実施。 |
・ 取引先ヘルプラインを通じた、匿名の相談・通報窓口の確保。 | |
・ 人権デューデリジェンスの実施を通した潜在的人権リスクの調査・是正。 | |
従業員 | ・ 従業員エンゲージメント調査の実施。 |
・ 自己申告制度等を活用した従業員との対話。 | |
・ コンプライアンス相談窓口、公益通報窓口の設置による、匿名の相談・ 通報窓口の確保。 | |
株主・投資家 | ・ 各種説明会の開催、カンファレンスへの参加、およびロードショーの実施 による株主・投資家との対話。面談や電話会議による証券アナリストや 機関投資家との個別対話。 |
・ ESG評価機関等からの調査への対応。 | |
地域社会 | ・ 事業拠点へ寄せられた苦情や謝意の確認。 |
・ 公益財団法人クリタ水・環境科学振興財団への出捐を通した水と環境に 関する科学技術の振興への貢献。 | |
・ WRC※5活動をはじめとする水資源および公衆衛生の問題改善や次世代の 育成等の社会貢献活動を通した社外組織・団体との連携。 | |
・ 事業拠点がある地域における自然保全、福祉、防災などに関する活動や、 災害・紛争発生時の被災地支援。 |
※5 Water Resilience Coalition、国連グローバル・コンパクトのイニシアチブの一つであるThe CEO Water Mandateが新たに設立した、世界各地域における水資源の問題が深刻な流域において産業界主導で水資源の保全・回復に取組む団体。当社は2020年7月に設立会員となりました。
③リスク管理
当社グループに関わるリスクの監視およびマネジメントは、経営管理本部長が推進しています。経営管理本部長は、「全社リスクマップ」に基づき、当社グループのリスクの分析・評価を定期的に行うとともに、継続的にリスクの監視を行うことで、その発生防止に努めております。
経営に重大な影響を及ぼすリスクが顕在化した場合は、経営管理本部長が対応の責任者と体制を立案し、代表執行役社長の承認を得て直ちに発令します。当該責任者は、速やかに対策を実行するとともに、リスクによる影響、是正状況および再発防止策について、代表執行役社長、経営管理本部長および取締役会または監査委員会に報告することとしております。
重大なリスクのうち、コンプライアンスや人権、気候変動等に関するものはサステナビリティ推進委員会委員長を、安全衛生に関するものは本部安全衛生委員会委員長を責任者としています。また、日常的な事業活動に直結したリスクへの対応は、各本部長・事業部長を責任者として実施しており、各本部・事業部は主管する業務およびグループ会社に関するリスクの特定・評価を行っております。その他、品質、災害、交通事故、環境、情報セキュリティおよび輸出規制等のリスクへの対応は、各担当部署が実施しております。経営管理本部長、各委員会委員長、各本部長・事業部長は、リスクマネジメントの推進状況を定期的に取締役会に報告しております。なお、リスクマネジメントの実施状況や改善状況のモニタリングは、監査室を責任部署として実施しております。
④指標及び目標
現中期経営計画における「クリタグループのマテリアリティ」の指標及び目標は、マテリアリティごとに定めた活動所管部署が策定の上、E&S委員会および新中期経営計画の検討を担う委員会での討議を経て、取締役会にてこれを決議しました。
| マテリア リティ | 意味するところ、 取組みの方向性 | 指標 | 目標(年度) | ||||
2023 | 2025 | 2027 | 2030 | 2050 | ||||
共 通 価 値 テ | マ | 1.水資源 の問題 解決 | 水に関する知を生かしたソリューションの提供と様々な組織との協働により水量、水質、水へのアクセスの側面から水資源の問題解決に取組むとともに、生態系サービスとしての水の適切な循環を維持する。 | コレクティブアクションを実施する延べ流域数と活動流域の延べ人口 | 3流域・ 130百万人 | 4流域・ 160百万人 | 5流域・ 600百万人 | 7流域・ 700百万人 |
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CSVビジネスによる節水貢献量 | 125百万m3 | 200百万m3 | 300百万m3 |
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GHG排出量・節水貢献量比※1の削減割合(2022年度比) | 5% | 35% | 50% | |||||
取水量原単位(連結売上高比)の削減割合(2022年度比、超純水供給事業を除く) | 7% | 12% | 20% | |||||
水資源に関する関心向上のためにエンゲージした個人・組織・団体の数 | 前年度 以上 | 前年度 以上 | 前年度 以上 | |||||
2.脱炭素 社会実現 への貢献 | 産業・社会における温室効果ガスの削減に資するソリューションの開発・提供、低炭素な事業活動の実践により、サプライチェーン全体で脱炭素社会の実現に貢献する。 | Scope1+2の削減割合(2019年度比) | 17% | 52% | 73% | 100% | Net-Zero | |
Scope3の削減減割合(2019年度比) | 11% | 17% | 22% | 30% | Net-Zero | |||
CSVビジネスによるGHG削減貢献量 | 630千t | 1,000千t | 1,500千t |
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3.循環型 経済社会 構築への 貢献 | 限りある資源、再生可能な資源を最適な方法で有効活用・再利用する製品・サービスの開発・提供により、持続可能な産業・社会の構築と自然の喪失防止・回復に貢献する。 | CSVビジネスによる資源化貢献量・資源投入削減貢献量の増加割合(2022年度比) | 30% | 100% | 300% | |||
自社廃棄物のリサイクル化率 | 前年度 以上 | 前年度 以上 | 前年度 以上 | |||||
基 礎 テ | マ | 4.革新的な 製品・ 技術・ ビジネス モデルの 開発と 普及 | グループ内外の様々な人・組織の協働を通し、社会課題の解決に資する革新的な製品・技術・ビジネスモデルの開発と普及に努め、持続可能な社会の発展に寄与する。 | 革新領域※2への投資割合 | 15% | 25% | 30% |
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革新領域※2のテーマ件数割合 | 20% | 30% | 30% | |||||
革新領域※2に関するステークホルダーエンゲージメント件数 | 前年度 以上 | 前年度 以上 | 前年度 以上 | |||||
5.戦略的な 人材育成 と活用 | 企業理念に共感する多様な人材の育成を含めた確保と活用を通し、一人ひとりが能力を発揮し、顧客価値の最大化と社会との共通価値の創造に取組む企業グループであり続ける。 | エンゲージメントスコア(a.全業種平均を上回る会社の割合、b.調査した会社全体でのスコア) | a.50% b.前回調査以上 | a.65% b.前回調査以上 | a.75% b.前回調査以上 | |||
栗田工業の業務執行に係る経営層に占める[女性、外国人、経験者採用者]の割合 | 30% | 35% | 40% | |||||
開発人材、デジタル人材、知財人材の充足度 | 65% | 75% | 80% | |||||
6.高い品質 と安全性 の製品・ サービス の提供 | 多様な現場接点から得られる情報を基に、製品・サービスを生み出し、品質と安全を担保するための改善を継続し、社会からの信頼を高める。 | 顧客・社会に影響を与える事故の再発率の削減割合※3(前年度比) | 30% (栗田工業) | 20% (栗田工業、国内関係会社) | 20% (栗田工業、国内外関係会社) | |||
7.人権を 尊重した 事業活動 | 人権に関する国際規範を踏まえ、企業理念が示す「自然と人間が調和した豊かな環境」における「人間」への取組みとして、すべての人の人権を尊重することを目指す。 | サプライヤーへの人権デューデリジェンスの実施 | 実施 | 実施 | 実施 | |||
労働安全強度率※4 (栗田工業および国内関係会社) | 0.005以下 | 0.005以下 | 0.005以下 | |||||
人権に関する教育研修について対象者の受講率 | 100% | 100% | 100% | |||||
人権侵害に関する救済窓口(グリーバンス・メカニズム)の設置 | -※5 | -※5 | 完了 | |||||
8.公正な 事業活動 | 公正・透明・誠実な行動を実践し、正々堂々と業務に取組むことで、クリタグループで働く人々の自分の業務への誇りを高めるとともに、社会からの信頼を継続的に高める。 | 内部通報窓口に関する教育研修について対象者の受講率 | 100% | 100% | 100% | |||
贈賄防止・競争法遵守等の法令・社内ルールに関する教育研修について対象者の受講率 | 100% | 100% | 100% | |||||
贈賄防止法および競争法に関する違反件数 | 0件 | 0件 | 0件 |
※1 クリタグループのScope3カテゴリ11および13を水処理装置のCSVビジネス(Scope3カテゴリ11および13を発生させる)による節水貢献量で除した数値。
※2 Deloitte 7 cells(Deloitte社の成長戦略策定の考え方)における「革新領域」を指す。
※3 2023年度は栗田工業、2025年度から国内関係会社、2026年度から海外関係会社にそれぞれ対象を拡大して取り組む。
※4 日本国外の指標および目標については、現地法令等を踏まえ、2025年度までに別途策定する。
※5 2027年度までの設置完了を目標とし、2023、2025年度は設置に向けた調査等を行う。設置後は周知に関する目標を設定する。
(2)人的資本(人材の多様性を含む)への取組
①ガバナンス
当社グループは、当社の執行役員であるサステナビリティ推進本部長が人的資本に関する取組全般の推進と統括を行い、組織文化醸成に関する取組は、各本部・事業部およびグループ各社と連携し推進しております。また、人材育成や活用に関する取組は、「クリタグループのマテリアリティ」のテーマ5に定めており、サステナビリティ推進本部長を委員長とするサステナビリティ推進委員会が管理、推進するとともに、人づくり委員会やDX委員会と連携して推進しております。サステナビリティ推進本部長、サステナビリティ推進委員会、人づくり委員会ならびにDX委員会は、人的資本に関する取組状況を経営会議へ付議または報告し、経営会議はその内容を審議し必要な施策を決定します。また、経営会議は人的資本に関する取組状況を取組全般の監督を担う取締役会へ報告します。
②戦略
当社グループは、企業ビジョン実現下の人材と組織の状態をD&Iビジョンとして「水と環境を大切に想う多様な人々が、互いの違いを受け入れ、相互作用することで、独創的価値を創造し続ける企業グループ」と定めております。
また、D&Iビジョンの実現を通じ、価値創造ストーリーを具現化する組織・人材のあり方を、人材戦略として策定しております。人材戦略は、人材ポリシーとこれを支える方向性で構成されております。人材ポリシーは価値創造ストーリーの基になっている「戦略ストーリー」に描かれている組織や人材の姿から抽出して整理し、「クリタグループの人材に求める、価値観や思考・行動の基本的な考え方」を表しています。これにグループ内外の環境変化を加味し、取組の方向性を「組織に関する方向性」と「人材活用に関する方向性」に整理しています。
<人材の多様性の確保に関する方針>
当社グループの中で多様性確保に課題の多い、当社での取組を重点的に推進しており、当社にD&Iの専任組織を設け、人事部、当社内組織ならびにグループ会社と連携し、施策を実施しております。
◇女性活躍
昨年度までに実施したラウンドテーブル・個別ヒアリング・アンケート等を踏まえ、2022年度には以下の取組を実施しました。
-積極的な女性総合職の新卒・経験者採用の継続、女性管理職の登用促進
-管理職登用までの3段階で抱く不安に沿った段階別ワークショップ
-専門職志向者向けの、女性専門職系人材の経験を共有する「つながる会」の開催
◇経験者採用者
2022年度はこれまでに経験者採用で入社した社員へのヒアリング結果を踏まえ、選考時の業務・キャリアパス説明の強化や経験者採用受入プログラム(約3日間)を開始しました。
<人材の育成に関する方針>
2021年度のエンゲージメント調査より当社従業員から体系的なキャリア形成支援が求められていることを踏まえ、若年層のキャリア形成支援とキャリア形成を考慮した異動・配置の検討〔経験〕、部下の挑戦を潰さず支える管理職の育成〔助言〕、「実効性ある学習機会」と「自主的に学習できる環境」の提供〔研修〕の観点で、2022年度に人材育成施策の方向性を整理し、これに則した育成施策を開始しました。具体的には以下の取組を行っております。
-「専門技術者部会」による専門技術者の後継者育成、「DXマスターカレッジ」によるデジタル人材育成
-人材特性(資質)と各人の心の状態の可視化による、上司・部下間のコミュニケーションの質向上
-研修動画の拡充、人材育成コンテンツの一元化とグループへの公開
<人材の採用及び維持に関する方針>
当社は、競争力の源泉の一つである結束力を継承する新卒人材を一定数確保しつつ、専門性や多様性を拡充する人材である経験者採用を推進し、また、豊富な経験、スキル、実績を有するベテラン層の活躍機会の拡大を図ることを通して、人材の採用および維持を進めてまいります。
③リスク管理
当社グループに関わるリスクの監視およびマネジメントは、経営管理本部長が推進しております。経営管理本部長は「全社リスクマップ」に基づき、グループのリスクの分析・評価を定期的に行うとともに、継続的にリスクの監視を行うことで、その発生防止に努めております。人的資本に関連するリスクは全社リスクマップに統合され、サステナビリティ推進本部長を責任者として、(1)③リスク管理に記載の全社のリスク管理体制に基づきリスクの低減を推進しております。
④指標及び目標
当社で人材戦略の進捗を定量的に把握しながら施策を実行するため、2022年度に設定したKPIとKGIは、以下のとおりであります。この中で、エンゲージメント調査(2年毎に実施予定)から導く当社独自の指標として、「D&I実行度」(当社グループで定めた「D&Iビジョン実現のための推奨行動」の実行度を表す)や、「人事制度運用度」(人事制度の効果的な運用状況を表す)を定めており、これらの計測を通して人材戦略の実効性を高めてまいります。
| 方向性等 | 指標 | 分類※1 | 現状※2 | 目標/水準 | |||
2023年度 | 2025年度 | 2027年度 | 2030年度 | |||||
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Outcome (価値創造ストーリーを実現する人材、組織) | ||||||||
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KGI | - | エンゲージメントスコア(a.全業種平均を上回る会社の割合、b.調査した会社全体でのスコア) | MA | a. 50% (4社※5) | a. 50% 査以上 | a. 65% 査以上 | a. 75% 査以上 | - |
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Input/Output (人的資本拡充/活用) | ||||||||
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KPI | 組織文化 | 当社の業務執行に係る経営層に占める[女性、外国人、経験者採用者]の割合 | MA | 27% | 30% | 35% | 40% | - |
当社管理職の女性割合 | T | 4.1% | - | - | 10%程度 | - | ||
当社総合職採用の女性割合 | T | 29% | - | - | 3割から 4割程度 | - | ||
当社の経験者採用社員割合 | T | 10.6% | - | - | - | 30%程度 | ||
当社の男性育児休業等取得率 | T | 68% | - | - | 8~9割 程度 | - | ||
当社の男性育児休業等取得期間 | T | 23日 | - | - | 2~8週間程度 | - | ||
D&I実行度 | MO | 51% (4社※5) | - | - | 前回調査 以上 | - | ||
組織体制 | 海外子会社幹部の現地社員割合※3 | MO | 73% | - | - | 8割程度 | - | |
当社の本社機能の管理職相当※4におけるグローバル人材割合 | MO | 32% | - | - | - | 50%程度 | ||
人材の確保・活用 | 開発人材、デジタル人材、知財人材の充足度 | MA | 59% | 65% | 75% | 80% | - | |
人事制度 | 人事制度運用度 | MO | 43% (4社※5) | - | - | 前回調査 以上 | - |
※1 MA:マテリアリティとして重視する、T:達成目標を設定する、MO:中期的に傾向をモニタリングする指標を表します。
※2 2022年度の情報を中心に、一部は2021年度の情報を含みます。
※3 海外事業を展開する主な子会社における代表者とその直下の人材に占める現地社員割合を表します。
※4 管理職を含む、専門職・経営補佐職・特別専門職。
※5 調査実施会社数を表します。
当社グループの中で多様性確保に課題の多い当社を中心とした多様性に関する指標の推移は、以下のとおりであります。
①女性 | 2018年度 | 2020年度 | 2022年度 |
| 2027年度 | 2030年度 | |||
| 実績 | 実績 | 実績 |
| 目標 | 目標 | |||
当社 | 女性管理職割合 | 12月1日時 | 1.1% | 2.4% | 4.1% |
| 10%程度 ('28年4月) |
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総合職採用の 女性割合 | (新卒) | 4月入社時 | 21% | 33% | 31% |
| - |
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(新卒・経験者) | 通年 | 通年 | 12月末 累計 |
| 27年度 通年 |
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| 15% | 33% | 29% |
| 3割から 4割程度 |
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<参考>各年度の12月1日時データ | 2018年度 | 2020年度 | 2022年度 |
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〇女性管理職割合 | 当社(a) | 1.1% | 2.4% | 4.1% |
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国内連結子会社(b) | 4.4% | 5.5% | 5.1% |
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海外連結子会社(c) | 17.2% | 19.0% | 21.9% |
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| 合計(a+b+c) | 8.5% | 11.5% | 13.2% |
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〇全従業員の女性割合 | 当社グループ | 24.1% | 24.5% | 25.3% |
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②経験者採用 |
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| 2022年12月 |
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| 2031年4月 | |
当社 | 経験者採用社員割合 | 10.6% |
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| 30%程度 | ||||
| 管理職相当※1に占める経験者採用社員割合 | 12.5% |
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| - |
※1 管理職を含む、専門職・経営補佐職・特別専門職。
(3)気候変動問題への取組
当社グループは、気候変動問題を世界共通で取組むべき喫緊の課題と捉えており、TCFD提言に基づき、事業活動に伴って発生する温室効果ガス(GHG)の排出の継続的な削減と、事業を通したお客様におけるGHG排出削減に取組んでおります。
①ガバナンス
当社グループは、当社の執行役員であるサステナビリティ推進本部長を委員長とするサステナビリティ推進委員会を設置し、グループにおける気候変動問題への取組を統括、推進しています。サステナビリティ推進委員会は、気候変動問題への取組状況を原則年2回経営会議へ付議または報告することとしており、経営会議はその内容を審議し必要な施策を決定します。また、経営会議は気候変動問題への取組状況を取組全般の監督を担う取締役会へ報告します。
②戦略
当社グループは、IPCC SR1.5およびIPCC RCP8.5などで描かれる2種類のシナリオ(1.5℃および4℃)※1に基づき、「発生可能性」と「影響度」の2軸で短期・中期・長期※2のリスクと機会を特定し、クリタグループの施策を策定するとともに一部のリスクと機会については事業への財務影響を評価しています。
分類 | リスク・機会の内容 | 時間軸 | 事業への財務影響・施策 | |
政策と法 | リスク | 炭素税の導入や増加 | 中~長期 | <事業への財務影響(2050年度時点)> ・1.5℃:22億円*3 ・4℃:なし <施策> ・Scope1+2:2030年度までに推定で約11億円の費用を投じ、電気自動車の導入や再生可能エネルギーの採用などにより100%削減。 ・Scope3:2030年度までにCSVビジネス※4の推進に加え、低炭素原料の調達などにより基準年比30%削減。 |
リスク | GHG排出量の多い製品やサービスへの規制 | 中~長期 | <施策> ・デジタル技術の活用や設計などの見直しによる製品やサービスの低炭素化。 ・電気自動車の導入や再生可能エネルギーの採用などによるScope1および2の削減。 ・バイオマス発電、エネルギー回収、資源回収、排ガス処理、CO2回収、電池関連事業などGHG削減に寄与するCSVビジネスの展開・拡大。 | |
機会 | GHG排出量の少ないエネルギーへの転換を支援する政策インセンティブの普及 | 中~長期 | ||
テクノ ロジー | リスク/ 機会 | GHG排出量の少ない製品やサービスへの転換が進む | 短~長期 | |
市場 | リスク | 化石燃料関連セクターからの需要減少 | 中~長期 | <施策> ・デジタル技術の活用や設計などの見直しによる製品やサービスの低炭素化や、バイオマス発電、エネルギー回収、資源回収、排ガス処理、CO2回収、電池関連事業などGHG削減に寄与するCSVビジネスの展開・拡大による事業のシフト。 |
リスク | 原料、エネルギーコストの高騰 | 中~長期 | <施策> ・デジタル技術の活用や設計などの見直しによる製品やサービスの低炭素化。 ・電気自動車の導入や再生可能エネルギーの採用などによるScope1および2の削減。 ・バイオマス発電、エネルギー回収、資源回収、排ガス処理、CO2回収、電池関連事業などGHG削減に寄与するCSVビジネスの展開・拡大。 | |
機会 | DXの加速による電子産業の需要増加 | 中~長期 | ||
物理的な影響 | リスク | サイクロンや洪水などによる工場停止や工期遅延の増加 | 短~長期 | <事業への財務影響(2020年度以降)> ・1.5℃と4℃共通:リスクがあると特定した国内生産拠点で約157億円/年 <施策> ・約14百万円を投じ、1拠点で止水板を設置済。 ・水害対策など、自然災害に備えた事業継続体制の継続的強化。 |
機会 | 冷却設備の稼働率増加 | 短~長期 | <施策> ・デジタル技術の活用や設計などの見直しによる製品やサービスの低炭素化。 ・バイオマス発電、エネルギー回収、資源回収、排ガス処理、CO2回収、電池関連事業などGHG削減に寄与するCSVビジネスの展開・拡大。 | |
資源効率 | 機会 | 効率的な生産や流通プロセスの普及 | 短~長期 | |
機会 | 水使用量の削減 | 短~長期 | ||
エネル ギー源 | 機会 | GHG排出量の少ないエネルギーの普及 | 短~長期 | |
機会 | 分散型エネルギー源への転換 | 短~長期 |
製品と サービス | 機会 | GHG排出量の少ない製品およびサービスの需要増加 | 短~長期 | <事業への財務影響(2027年度以降)> ・1.5℃:約3,500億円/年*5 ・4℃:なし <施策> ・デジタル技術の活用や設計などの見直しによる製品やサービスの低炭素化。 ・電気自動車の導入や再生可能エネルギーの採用などによるScope1および2の削減。 ・バイオマス発電、エネルギー回収、資源回収、排ガス処理、CO2回収、電池関連事業などGHG削減に寄与するCSVビジネスの展開・拡大。 |
機会 | GHG排出削減に向けた多様な技術ニーズの増加 | 短~長期 | ||
レジリエンス | リスク/ 機会 | 燃料、水資源などの代替や多様化 | 短~長期 | <施策> ・デジタル技術の活用や設計などの見直しによる製品やサービスの低炭素化。 ・電気自動車の導入や再生可能エネルギーの採用などによるScope1および2の削減。 ・バイオマス発電、エネルギー回収、資源回収、排ガス処理、CO2回収、電池関連事業などGHG削減に寄与するCSVビジネスの展開・拡大。 |
※1 気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)が予測する、工業化以前の水準からの気温上昇が1.5℃となるシナリオおよび最も気温上昇が高いシナリオ。
※2 短期(1~3年)、中期(3~5年)、長期(5~20年)と設定。
※3 (事業展開地域のScope1および2排出量+Scope3カテゴリ1排出量)×(事業展開地域の炭素価格)の2050年度予測に基づく試算。
※4 従来に比べ節水・GHG排出削減・廃棄物の資源化および資源投入量の削減に大きく貢献する製品・技術・ビジネスモデル。
※5 GHG削減に寄与する新規のCSVビジネスのSAM(Serviceable Available Market)を試算。
③リスク管理
当社グループに関わるリスクの監視およびマネジメントは、経営管理本部長が推進しております。経営管理本部長は「全社リスクマップ」に基づき、グループのリスクの分析・評価を定期的に行うとともに、継続的にリスクの監視を行うことで、その発生防止に努めております。気候変動に関連するリスクは全社リスクマップに統合され、サステナビリティ推進本部長であるサステナビリティ推進委員会委員長を責任者として、(1)③リスク管理に記載の全社のリスク管理体制に基づきリスクの低減を推進しております。
④指標及び目標
当社グループは、気候変動問題への取組を「クリタグループのマテリアリティ」のテーマ2に定めております。2023年度には、SBTi※6が示す手法に沿い、「Net-Zero」へと長期目標を改定し、Scope1、2およびScope3の削減に取組んでおります。さらに、CSVビジネスによるGHG削減貢献量の中期目標も新たに設定し、産業・社会におけるGHGの削減に資するソリューションの開発・提供、および低炭素な事業活動の実践により、サプライチェーン全体で脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
基準年となる2019年度における当社グループのCO2排出量は、Scope1+2が約2%、Scope3が約98%でした。Scope1+2は、その大半はScope2の電力由来のCO₂排出であるため、再生可能エネルギーの採用を進めると共に、ガソリン車から電気自動車に順次切り替えていきます。Scope3は、約70%はカテゴリ11「販売した製品の使用」(主に水を送るために用いられるポンプなどの回転機)によるCO2排出であり、当社グループの競争優位性向上との両立を図るため、CSVビジネスの仕組みを活用してお客様に提供するソリューションの低炭素化を推進してまいります。
有価証券報告書提出時点で最新の実績を確認できる年度である2021年度は、Scope1+2は顧客需要の回復に伴う生産拠点の稼働率の上昇により前年比で微増となりました。一方で、Scope3は主要排出源となっているポンプ類の調達実績の減少により前年比で減少しました。2022年度は、Scope1+2は上記施策の実施により前年比で減少し、Scope3は受注増による増加が低炭素化による削減を上回るため前年度より増加する見通しです。
マテリアリティ | 指標 | 中・長期目標※7 | 実績※7 | ||||
2027年度 | 2030年度 | 2050年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | ||
2.脱炭素社会 実現への貢献 | Scope1+2 | 73% | 100% | Net-Zero | - (44千t-CO2) | 7% (41千t-CO2) | 5% (42千t-CO2) |
Scope3 | 22% | 30% | Net-Zero | - (2,584千t-CO2) | 6% (2,440千t-CO2) | 22% (2,027千t-CO2) | |
CSVビジネスによるGHG削減貢献量 | 1,500 千t-CO2 | - | - | 279 千t-CO2 | 294 千t-CO2 | 367 千t-CO2 |
※6 企業に対し、気候変動による世界の平均気温の上昇を、工業化以前と比べ1.5℃に抑えるという目標に向けて、科学的知見と整合した削減目標を設定することを推進するイニシアチブ。
※7 Scope1+2および3は2019年度(基準年)からの削減割合。
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