栃木銀行 【東証プライム:8550】「銀行業」 へ投稿
企業概要
当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループ(当行及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当行は、「豊かな地域社会づくりに貢献し、信頼される銀行を目指します」、「新たな時代に柔軟に対応できる強い体力のある銀行として発展します」、「明るい働きがいのある職場を作ります」を経営理念に掲げ、地域金融機関として地域の皆様に親しまれ、信頼される銀行として地域の発展とともに歩んでまいりました。
当行グループを取り巻く市場環境は、人口減少、高齢化、キャッシュレスの拡大、デジタル化の進展など、大きく変化しております。そのような中、これまでの銀行機能を提供するだけでは、地域及び当行グループの持続的成長は困難であり、当行グループ自身も変化していかなければなりません。
当行グループの役割が大きく変化する中、経営理念と並ぶ重要な指針として、2022年12月の創立80周年を機に、当行グループの全役職員からのアンケートを行い、当行グループのパーパス(存在意義)を「困りごとを「ありがとう」に変えながら、“笑顔”と“幸せ”を守りつづける」と制定しました。パーパスを判断・行動軸として全組織、全役職員が同じ方向を向いて歩みを進めることで当行グループの存在価値を高めてまいります。
また、「10年後の当行グループの目指す姿」として、長期ビジョンを「「リレーション」と「ソリューション」で、地域の未来を共創する企業グループ」 と制定しました。長期ビジョンには、当行グループの強みである「親しみやすさ」を活かすことで地域・お客さまと顔の見える関係を築き、広く地域社会の課題を解決していくことで地域社会の持続性を高め、地域と一緒になって未来を創造するという想いが込められています。
今後も、コンプライアンス態勢の確立とリスク管理態勢の強化を図り、資産の健全化を一層推進するとともに、ディスクロージャーを更に充実し、経営の透明性を高めてまいります。また、一層の経営の合理化・効率化により収益力の強化を図るとともに、お客様の多様なニーズに応え、お客様が抱える課題や困りごとを解決するため、対話を重視した訪問型営業を強化してまいります。
(2) 経営環境
当期の経済情勢は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下、当該感染症)の感染症法の位置づけが「5類感染症」に移行したことにともない、経済的な影響は縮小し、経済活動は回復局面に転じました。そして大企業を中心とした賃上げの動きと、家計の消費意欲の高まり等を背景に、2024年3月19日、日本銀行によるマイナス金利政策が解除となり、賃金と物価の好循環が期待される状況となりました。
しかしながら、ウクライナや中東における地政学リスクの高まりのほか、人手不足問題をはじめ資源・エネルギー価格の高騰等の影響が続いており、経済情勢の先行きは不透明な状況が続いております。
当行の主たる営業基盤である栃木県ならびに埼玉県経済においても、同様の影響を受けており、地域経済の先行きについても依然不透明な状況となっております。
金融情勢につきましては、世界的なインフレ傾向のもと、各国中央銀行による金融引締めが継続する中、為替相場では内外金利差などから円安基調で進行するとともに、日本の長期金利(10年国債利回り)は、2023年10月には一時0.955%台まで上昇いたしました。
株式相場では、底堅い米国経済、円安を背景に2024年3月22日、日経平均株価の終値は市場最高値の40,888円となりました。
これらの経済情勢、金融情勢は、銀行業務を中心とした当行グループの事業や、主たる営業基盤である栃木県、埼玉県経済に大きく影響しており、今後、当行グループの業績へ影響を及ぼす可能性がある状況となっております。
(3)中長期的な経営戦略
<第11次中期経営計画>
2023年4月から当行グループの第11次中期経営計画がスタートしました。第11次中期経営計画では、「新たな価値提供の実現」をテーマに掲げ、「徹底した地域への信用創造」と「既存の金融の枠組みを超えた新しい事業領域への挑戦」を図り、グループ一体となり持続可能な地域の未来の創造に取り組んでまいります。
計画の実現に向けて、人材、DX、システム、店舗、新事業、グループ会社等に積極的に成長投資を行い、「人にしか出来ない仕事」に注力してまいります。また、失敗を恐れずに取り組むチャレンジ精神、柔軟な発想や素早い対応、そしてそれを後押しする組織風土を醸成してまいります。職員がいきいきと自分らしく働きがいをもって意欲的に取り組める職場環境を整えることで、当行グループの大きな変革を実現してまいります。
第11次中期経営計画では、地域金融機関として地域の皆様に親しまれ、信頼される銀行として地域の発展とともに歩んでいくために、収益性の代表的指標である当期純利益と、銀行の本業利益を示す指標の一つであるコア業務純益を目標としたほか、自己資本比率、ROE、OHRを目標としております。
なお、各数値については有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
項 目 | 2026年3月期計画 |
| 2024年3月期実績 |
当期純利益(連結) | 55億円以上 |
| 21億円 |
コア業務純益(投信解約損益除く) | 85億円以上 |
| 74億円 |
自己資本比率(連結) | 11%台 |
| 11.43% |
ROE(連結、株主資本ベース) | 3.0%以上 |
| 1.20% |
OHR(投信解約損益除く) | 72%台 |
| 74.52% |
※当期純利益(連結) :親会社株主に帰属する当期純利益
※コア業務純益(投信解約損益除く):業務純益+一般貸倒引当金繰入-国債等債券売却損益
※自己資本比率(連結) :自己資本(連結)÷リスク・アセット(連結)
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当行グループを取り巻く環境は、2023年5月に当該感染症の感染症法の位置づけが「5類感染症」に移行したことにともない経済活動は回復局面に転じておりますが、海外情勢や資源・エネルギー価格の高騰等、経済先行きは不透明な状況が続いております。
また、少子高齢化の進展と金融デジタル化の進展をはじめとする外部環境の変化により、他金融機関との競争激化が予想される等、経営環境は大きく変化しております。
このような中、2023年4月よりスタートさせた第11次中期経営計画では、当行グループ全組織、全役職員の判断や行動における軸として、「パーパス」(困りごとを「ありがとう」に変えながら、笑顔と幸せを守りつづける)を制定しております。同計画では、「収益力強化」、「体制強化」、「人的資本投資の強化」の3つの基本戦略をもとに「新たな価値提供の実現」を目指してまいります。
そして、10年後の目指す姿としての「長期ビジョン」(「リレーション」と「ソリューション」で地域の未来を共創する企業グループ)を定めております。
この「長期ビジョン」実現のためには、より盤石な経営基盤を作る必要があります。そのため、当行の資本コストや資本収益性を的確に把握するとともに、改善に向けた取組みを進め、企業価値向上を図っていかなければなりません。
これらの取組みにより当行グループは、お客様の安定した資産形成や、企業の持続的な事業価値の維持・向上に貢献するなど、お客様の人生や経営にとってなくてはならない存在を目指してまいります。
また、SDGs・ESGと企業活動の整合性を高め、環境・地域社会・経済へのインパクトを考慮した経営を実践し、地域社会と当行グループの持続可能性を確保していくため、2021年12月に制定した「サステナビリティ方針」に基づき、持続的に地域社会の発展・成長と当行グループの企業価値向上を推進する取組みを行っています。
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