松屋フーズホールディングス 【東証プライム:9887】「小売業」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは「食」を取り巻く環境が多様化する中、「店はお客様の満足を得るために存在する」という考えを経営理念としております。そして、「安全・安心で、おいしさを追求した価値観のある商品」「高い付加価値のサービス」を提供することを基本方針としており、食のグローバル企業として限りない美味しさと共感を、人と社会に贈ることを目指しております。目まぐるしい変化を遂げている外食シーンを見据え、変革を取り入れ、経営効率・企業価値・ブランド力の向上に取り組んでまいります。
(2)経営戦略等
牛めし業態「松屋」、とんかつ業態「松のや」、カレー業態「マイカリー食堂」に加え、すし業態「すし松・福松」、中華業態「松軒中華食堂」、ステーキ業態「ステーキ屋松・ステーキ定食松牛」、カフェ業態「テラスヴェルト」の磨き込みに注力しております。また、パスタ業態「麦のトリコ」を開発、新たな業態確立を進め、業容の拡大と充実に取り組んでまいります。
(3)経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、収益性の指標として売上高経常利益率・ROE(自己資本利益率)等を、安全性の指標として自己資本比率を参考としております。また、FLコスト(売上原価と人件費の合計。FOODとLABORに係るコスト)の売上比を適正化することを店舗採算上重要と考えております。この他、ROI(投資利益率)を新規出店の基準として検討し、その改善に取り組んでおります。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 |
売上高経常利益率 | 3.7% | 4.7% | 1.0% |
自己資本利益率 | 3.1% | 6.8% | 3.8% |
自己資本比率 | 52.0% | 48.1% | △3.8% |
FLコスト | 65.8% | 65.8% | 0.0% |
(4)経営環境
現在、脱コロナが明確となり、社会活動、経済活動の正常化が進む中、緩やかに回復しつつある一方で、不安定な国際情勢や物価高の長期化などから依然として先行き不透明な状況が続いております。外食業界におきましては、インバウンド需要回復への期待感はあるものの、原料、資材、エネルギー単価の高騰等により、経営環境は依然厳しい状況が続いております。
このような環境の中で、当社グループは、“みんなの食卓でありたい”をスローガンに、アフターコロナの新たな食のインフラとしての責務を果たすべく、「新規出店」「既存店改装」「人材投資」の持続的成長投資に重点を置き、以下のような諸施策を推進し、業容の拡大と充実に取り組んでまいりました。また、食のグローバル企業として限りない美味しさと共感を、人と社会に贈ることを目指しております。原材料価格の高騰や人件費、エネルギーコストの上昇、及び為替変動による影響など、目まぐるしい変化が続く状況下、変革を取り入れ、経営効率・企業価値・ブランド力の向上に取り組んでまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
① お客様の利便性の向上
様々なメニューを用意してお客様にご満足いただくにあたり、当社はタブレットを活用し、オーダーから支払いまで当社独自の『タブレットセルフ』システムを構築しております。既存の券売機システムも改良を進めており、店舗環境に応じてシステムを使い分け、ご注文からお支払いまでストレスフリーな、食環境づくりを目指しています。
②原価率の適正化
原材料費高騰や為替変動等による価格上昇のリスクを想定し、仕入先・仕入地域の多様化・分散化、直接購買の推進に取り組み、適切な商品価格を見極め、適正な原価率の維持に努めています。また、嵐山工場・富士山工場・川島生産物流センター・六甲生産物流センターと4工場体制で、稼働率向上と効率化、分散によるリスク回避を推進してまいります。
③新業態展開による成長
牛めし・定食(松屋)、とんかつ(松のや)、カレー業態(マイカリー食堂)に加え、すし業態(すし松・福松)、中華業態(松軒中華食堂)、ステーキ業態(ステーキ屋松・ステーキ定食松牛)、カフェ業態(テラスヴェルト)の磨き込みに注力しております。それぞれの業態で多店舗展開の準備が整っており、積極的な成長を実現します。また、2023年には、パスタ業態(麦のトリコ)を開発、新たな業態確立を進め、より多角的な成長を図ってまいります。
④海外展開・M&A展開
海外におきましては、上海・台湾(台北)において、新規出店を推進してまいります。また、新たに香港・ベトナムへの現地法人を設立。新たな海外展開として東アジアを中心に展開してまいります。
M&Aにつきましては、長期の経営計画上では重要事項と捉え、シナジーがある案件について取り組んでまいります。
⑤SDGsの取り組み
SDGsに関して当社がマテリアリティ(最重要課題)と捉えているのは、食品廃棄物についてです。SDGsエコ・アグリ推進室によって新たに挑戦を開始した食品残渣リサイクルループの一環に位置付ける養豚事業においては、2023年度は39百頭の出荷実績となっており、今後更に規模を拡大して取り組んでまいります。
気候変動への対応としましては、各工場及び店頭にて、太陽光発電装置の設置を進め、CO₂削減についても積極的に取り組んでいます。
TCFDに基づく環境影響の開示等、サステナビリティを巡る課題への対応を協議・推進する体制構築を行いました。今後も、取組みの推進及び開示内容の充実について、引き続き実施してまいります。
⑥人的資本に関して
環境変化が激しい昨今においても、当社が存続し、お客様に喜んでいただけるサービスを提供できているのは、2万人を超える店舗従業員や、約2千人の社員をはじめとした人材があってこそだと考えております。2023年3月に社員研修体制の一新を行っております。今後の成長の為、教育・人材確保への投資を、尚一層拡充してまいります。2023年8月には、グループの健康経営の考え方を定め、労働環境の改善及び健康増進を全社的に推進しております。
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