東鉄工業 【東証プライム:1835】「建設業」 へ投稿
企業概要
(1)経営方針
当社グループは、「経営理念」、「事業ビジョン」及び「コーポレートメッセージ」を次のとおり定めており、これを経営の基本方針として「持続的な成長」と中長期的な「企業価値の向上」を図ってまいります。
①経営理念
~安全はすべてに優先する~ 東鉄工業グループは、鉄道専門技術の特性を活かした総合建設業として、
|
②事業ビジョン
・鉄道の保守・改良など鉄道関連工事を中心とした交通インフラメンテナンスの リーディングカンパニーとして、 ・その高い専門的技術力と高品質な施工実績による信頼を基に、 ・健全なインフラの構築・維持及び良好な環境の創造と保全を通じて、 ・すべてのステークホルダーが安全・安心して暮らせる、地球環境に配慮した 社会創りに貢献するため、持続的成長を実現し、 ・専門プロ集団として、鉄道工事業界において「ナンバーワン」、建設業界において 「オンリーワン」であり続けます。 |
③コーポレートメッセージ
「誠実で☆キラリと光る☆ナンバーワン&オンリーワン」 | |
[誠 実 で]: [キラリと光る]: [ナンバーワン]: [オンリーワン]:
| ステークホルダーから信頼される「誠実な経営」の推進 「安全・安定輸送」を支えるスペシャリストとして、最高レベルの安全と品質を提供 他社をはるかに凌駕する鉄道工事施工ノウハウでナンバーワン 鉄道工事で磨いた高付加価値な施工力を活かし、社会インフラ全体の課題解決に、線路、土木、建築、環境の独自性と相互シナジーを発揮、建設業界におけるオンリーワン |
(2)経営環境、経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
わが国の経済の先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されております。ただし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
建設業界を取り巻く環境は、民間住宅建設投資は前年度を上回ると予測されるものの、政府建設投資、非住宅建設投資ともに前年並みと予測され、建設投資全体としても前年並みとなることが予測されております。
また、中長期的には安全・安心、利便性を求める社会的ニーズの高まりによって、安全対策、防災・減災、交通インフラの長寿命化などの当社グループの特徴を活かせる経営環境が続くものと思われます。さらに、鉄道関連においても、大規模地震に備えた耐震補強対策、激甚化する自然災害への対応として降雨防災対策、ホームドア等のバリアフリー設備の整備促進、新幹線大規模改修工事等、安全・安定輸送確保のニーズの拡大が見込まれております。
一方、技能労働者不足や働き方改革への対応が喫緊の課題となるなかで、当社グループ及び協力会社の人材確保のための賃上げや従業員のスキルアップに繋げる研修等、人的資本への積極的な投資を推進しつつ、施工体制を維持・強化していくとともに、サプライチェーンからの価格転嫁要請にも誠実に対応してまいります。
このような経営環境のなか、当社グループにおきましては、2023年5月に来る創業100周年に向けた長期ビジョン『TOTETSU VISION 100』を策定いたしました。2043年に目指す姿を「交通インフラメンテナンスのリーディングカンパニー」と定め、その実現のために5つの戦略「安全戦略」「受注戦略」「生産性向上戦略」「人材戦略」「ESG戦略」を軸とした取組みを推進しております。それらを基として、2024年度からは新たな中期経営計画『アクションプラン2029』を策定し、中長期的な企業価値の向上を目指すとともに、すべてのステークホルダーと共に「持続的成長」を実現してまいります。
①長期ビジョン
社会経済の変化のスパンが短期化し、価値観の多様化が進むこの時代に、当社グループは創業80周年を迎え、来る「創業100周年」を展望し、当社グループが結束して事業をより力強く推進するために「長期ビジョン」を策定いたしました。2043年に目指す姿を「交通インフラメンテナンスのリーディングカンパニー」と定め、その実現のために5つの戦略を軸とした取組みを推進してまいります。
「事業ビジョン」にも定めている通り「安全・安心で地球環境に配慮した持続可能な社会の実現に貢献」することは当社グループの社会的使命であると認識しております。建設業界全体を取り巻く課題の深刻化など、外部環境の大きな変化はあるものの、すでに始まっているプロジェクトもあり、長期的な見通しは明るいと認識しております。時代の転換期を迎えた中で、「専門プロ集団」としての意識を今一度高めるよう従業員に対して「ギアチェンジ」を促すと共に、「鉄道工事で磨いた高付加価値な施工力」と、人材育成・技術開発への積極的な投資を通じて「強靭でレジリエントな組織力」を向上させてまいります。今こそ創業時の精神に立ち返り「経営基盤の徹底強化を通じて、安全と安心(安定)を守り抜く」ことで、すべてのステークホルダーと共に「持続的成長」を目指し「創業100周年に向けたJump」へ臨みます。
[長期ビジョン「TOTETSU VISION 100」]
<当社グループの目指す姿> 交通インフラメンテナンスのリーディングカンパニー
<創業100周年に向けたJump> ・鉄道工事業界においてナンバーワン、建設業界においてオンリーワンであり続ける ・すべてのステークホルダーが安心して暮らせる社会創りに貢献するため持続的成長を実現 |
②アクションプラン2029
このたび、創業100周年の目指す姿に向け、今後5年間で実施する具体的な重点施策として、長期ビジョンで定めた5つの戦略を軸とした『アクションプラン2029』を策定いたしました。東鉄工業グループ社員とその家族、協力会社の満足度向上により、顧客のニーズに応えるとともに、インフラを利用するお客様の幸せを通じて、地域社会の活性化に貢献してまいります。
その上で、資本コストや株価を意識した経営を推進し、中長期的な企業価値の向上を目指すとともに、すべてのステークホルダーと共に「持続的成長」を実現してまいります。
[成長に向けたストーリー]
(a)社会課題に寄与する事業拡大
鉄道工事は、これまで以上に「安全」「高品質」「低コスト」を実現させ「ナンバーワン」をゆるぎないものといたします。東日本全体の鉄道インフラのライフサイクルの担い手として、更なる事業拡大を目指してまいります。一般建設工事は、鉄道工事で磨いた高付加価値な施工力を活かし、交通インフラの長寿命化、災害時の緊急対応など、社会インフラ全体の課題解決に寄与する会社として「オンリーワン」の存在感を発揮し、成長につなげてまいります。
(b) 経営基盤の徹底強化
「鉄道の安全・安定輸送」を支えるスペシャリストとして、IT、AIなど新技術を積極的に取り入れながら、DXによる「安全確保」「生産性向上」に挑みます。また過去最大規模の人的投資を実施し、担い手不足の環境下において業界を牽引する人材の育成を目指すことと併せて、社員の「働き方満足度」の向上を目指してまいります。「強靭でレジリエントな組織力」を高めることで、経営基盤の徹底強化につなげてまいります。
ユニークなビジネスモデルと強靭な経営基盤で建設業界にゆるぎないポジションを確立し、交通インフラメンテナンスのリーディングカンパニーを目指してまいります。鉄道工事と一般建設工事のシナジー効果を最大限発揮することで「当社グループおよび社会の持続的成長と価値向上」を実現し、それがステークホルダーへの還元に帰結すると認識しております。「長期ビジョン」の実現に向け、会社一丸となって「アクションプラン2029」で定めた取組みを推進してまいります。
[5つの戦略]
戦略 | 取組みの方向性 |
安全戦略 | ・お客様・従業員の死亡事故ゼロの実現 ・IT、AI、DXを積極的に活用し、ハード・ソフトの両面より事前予防・対策を強化 |
受注戦略 | ・鉄道設備メンテナンスをはじめ、改良プロジェクト工事の着実な施工で存在感を高める ・高度かつ豊富な機械力、施工ノウハウで官民鉄道事業者のメンテナンス体制の受け皿に ・鉄道工事で培った技術・経験で鉄道インフラ以外のインフラ老朽化に対応 |
生産性向上戦略 | ・中長期的に予測される施工技能者の減少及び将来の受注増に対応 ・当社新技術とICT・IoTを絡めて生産性の向上を目指す |
人材戦略 | ・社員・協力会社の優秀な人材確保 ・持続的な能力開発 ・「東鉄工業グループと協力会社の社員」が、やりがいを持って働ける職場環境整備 |
ESG戦略 | ・2050年カーボンニュートラルへの挑戦 ・インフラの防災・減災・長寿命化等、社会課題に対応 ・攻め(収益/資本効率)と守り(リスク管理)の両方を重視したコーポレートガバナンス経営の 推進・強化 |
[数値目標]
(a)連結売上高・ROE・DOE・株主還元方針
積極的な人的投資と施工キャパシティの維持向上に努め、最終年度である2029年3月期には、過去最高の売上高に挑戦してまいります。資本効率はROE8%以上、株主還元はDOE3%以上、累進配当を基本方針とすることで、積極的かつ安定的な株主還元を図ってまいります。
(連結) |
|
売 上 高 (2029年3月期) | 1,700億円以上 |
ROE | 8%以上 |
DOE | 3%以上 |
株主還元方針 | 累進配当を導入 |
(b)投資計画
長期ビジョン「TOTETSU VISION 100」達成に向けた当社独自の強固な収益基盤を確立するべく、成長のための投資を5年間で700億円を計画しております。
①人的投資(体制強化・教育研究費・賃金水準向上)
主な内容 | 投資総額 |
施工体制強化(社員・協力会社) 組織体制強化による工法・技術・コストダウン・提案力強化(エンジニア・積算) 安全・教育研修費の充実 ベースアップ、処遇改善 協力会社の賃金水準向上、労働環境改善支援 | 200億円 |
②技術開発・機械化投資(DX・GX投資、機械・システム開発、維持更新費用)
主な内容 | 投資総額 |
大型保線機械増備、機能向上更新 効率化・省力化機械開発 新幹線大規模改修の工法、材料、施工機械開発 (JR東日本と共同開発を推進しているプロジェクトも含む) IT・AIの本格導入 デジタル化による業務効率化 脱炭素技術強化 社内システム更新、設備強化 協力会社の機械化推進支援 | 500億円 |
(c)非財務KPI(ESG/SDGsへの取組み)
事業における「安全・品質力」を向上させるとともに、ESGの観点から、企業価値の向上を図り、「TOTETSU VISION 100」におけるSDGsの達成を目指してまいります。
区 分 | 指 標 |
安全・品質第一の徹底 | ・重大事故、致命的労災件数(発生件数 0件) |
環境への取組み | ・CO₂排出量削減率(2023年度比) (2030年度 Scope1+2▲42% Scope3▲25%) (2050年度実質ネットゼロ) |
社会課題への対処 | ・人権への負の影響を防止する基本方針に基づく取組みは継続実施 (人権デューデリジェンス等継続実施) ・当社調達方針に基づくサプライヤーとの公正な取引は継続実施 ・事業を通じた地域社会への貢献 (線路メンテナンス、災害復旧、防災・減災、ホームドア、駅舎のバリアフリー等) ・従業員と家族の幸福のため健康経営の積極的な推進 ・ワークライフバランスとダイバーシティを推進し、女性管理職増加に取り組む 女性技術者数(2023年度比1.5倍) 男性育休取得率(配偶者出産休暇含む100%) 年次有給休暇取得日数(積立含む15日以上) |
企業統治の強化
| ・コーポレートガバナンス体制については、経営環境の変化に柔軟な対応を検討 ・女性役員比率の増加に継続的に取り組む ・重大な法令違反件数(発生件数0件) |
- 検索
- 業種別業績ランキング