企業東邦亜鉛東証プライム:5707】「非鉄金属 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループは以下4項目を経営理念とし、東邦亜鉛グループの経営を行っております。

① “顧客”を満足させる良質の製品・サービスを提供する。

② “株主”の期待に応える業績をあげ、企業価値の増大を図る。

③ “従業員”の生活を向上させ、働き甲斐のある会社にする。

④ “地域”の一員として認められ、地域にとって存在価値のある会社を目指す。

これらの経営理念を土台に、当社グループのサステナビリティ基本方針でもある「金属事業で培った技術・開発力をベースに、ニッチ分野での輝きと拡大に挑戦を続ける会社」の実現に向かって、グループ一丸となって取り組んでまいります。

(2) 経営環境

2023年度における当社グループを取り巻く経営環境は、具体的には「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績」の《経営環境》に記載したとおりであります。米国経済は金融引き締めのなかで底堅い雇用と所得環境により堅調に推移しましたが、日本経済は物価高・海外経済減速や円安傾向により景気回復に一服感が見られ、欧州経済は金融引き締め政策、また、中国経済は賃金上昇による輸出競争力の低下や不動産市場の低迷が影響するなど、世界経済は減速傾向にあり、ウクライナ情勢やイスラエル・ハマス紛争による中東情勢など国際情勢が不安定化し、エネルギー価格高騰懸念など、今後の経済見通しに不確実性が高まる状況となりました。こうした世界経済の減速感を反映し、当社の主力製品である亜鉛と鉛の金属相場は、年度末に向けて下落傾向が続きました。

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社がこれまで主力とする製錬事業においては、特に亜鉛製錬について、市況変動の大きさや価格転嫁が困難な事業環境の下、固定費抑制など徹底した操業コスト引き下げ等の努力を続けてきましたが、電力費やコークス等の副原料費の高騰により、高コストな事業構造となり、大きく収支が悪化しています。

 また、製錬事業に対する原料の長期安定的調達と自山鉱比率の引上げを目的として、豪州CBH Resources Ltd.による鉱山事業に進出しましたが、市況変動や鉱石品位による損益振幅が大きく、操業効率の改善施策等を講じてきたものの、長年に渡り厳しい収支が続いてきました。

 このような厳しい事業環境に対処するため、当社といたしましては、2023年11月に2030年ビジョンを策定し、亜鉛製錬については、リサイクル原料比率の引き上げにより収支を改善させること、資源事業については、一時的に多額の損失計上を強いられるものの、現在の当社の財務体力の観点から、収益変動の激しい鉱山事業からの撤退を基本方針として事業ポートフォリオを再構築すること、また、成長が期待される電子部材・機能材料事業の業態拡大を目指すことといたしました。

 しかしながら、当社を取り巻く経営環境は、ウクライナや中東情勢等の地政学リスクの高まりによる電力費とエネルギー価格の上昇、コロナ後の景気回復による大幅なインフレ進行に伴う原材料費や人件費の上昇、循環型社会や脱炭素を目指す社会的要請の高まりなど、想定を超えて大きく変化しており、今後もその厳しさを増すことが見込まれます。また、当社の財務基盤を回復させるためには、早期に当社の収益構造を改善させることが急務となっております。

 このような危機感から、今般、2030年ビジョンで目指した事業再生施策を大幅に見直し、外部専門家の支援も得ながら、ステークホルダーの皆様から信任いただける抜本的な当社事業再生計画を策定し断行することといたしました。現在、同計画詳細は策定の段階にありますが、骨子は次のとおりであります。

① 当社が目指す姿

 変化に挑戦する企業文化・意識改革を推し進め、当社の事業ポートフォリオを「循環型社会」「脱炭素」「環境問題対応の技術力」及び「顧客に認められる開発力」の観点から再構築し、新しい東邦亜鉛に向けて変革、成長する。

② 主要事業の見直し

 高コスト事業構造である亜鉛製錬事業は、現在取り組んでいるリサイクル原料比率の引き上げによる収支改善に留まらず、今後の事業のあり方をゼロベースで見直す。また、資源事業は、当社の財務体力の観点から継続することは難しく、保有鉱山の閉山や売却などにより早期に事業撤退する。

③ 新しい東邦亜鉛の柱となる基盤事業と成長事業

 抜本的な事業ポートフォリオの再編を行い、新しい東邦亜鉛の柱として、国内トップシェアである鉛事業(リサイクル原料比率引き上げによる生産増強と銀等の副産物回収強化)、国内シェアトップクラスの亜鉛リサイクル事業(電炉ダストを原料とする酸化亜鉛の生産効率向上)から成る基盤事業に加え、世界トップシェアの機能材料事業(電解鉄)と、市場拡大・新規案件獲得が期待される電子部材事業から成る成長事業に対して、経営資源を重点的にシフトし、成長と企業価値の向上を目指す。

④ 強固な経営基盤

 新しい東邦亜鉛へと成長するために、徹底的なコスト削減、効率的資金運用、保有遊休資産売却による収益性改善、事業環境の変化に対応し的確な経営判断を可能とする組織体制の再整備とガバナンス体制の強化を行う。あわせて、強固な財務基盤への早期回復を目指し、資本性資金の導入も検討する。

 本事業再生計画は現在鋭意策定中であります。外部環境の変化に対応して持続的成長を遂げる新生東邦亜鉛の道筋を、財務基盤の回復シナリオとともに、まとまり次第、追って公表いたします。

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