東海カーボン 【東証プライム:5301】「ガラス・土石製品」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) T-2025 進捗状況
(総括)
当社グループにおいては、2023年2月に2023年から2025年までの3年間を対象とするローリング中期経営計画「T-2025」を策定・開示し、「主力事業の成長軌道回帰」「事業ポートフォリオの最適化(選択と集中)」「サステナビリティ経営基盤構築」の3つの基本方針を掲げ、事業活動を展開してまいりました。主力事業である黒鉛電極やカーボンブラックを中心に、原材料価格等の原価上昇を売価に転嫁することにより適正利潤確保を図るとともに、将来の需要拡大を睨んだ生産性の向上と生産能力の増強も着実に進めたものの、対面業界である鉄鋼・半導体の市況低迷や競争激化等により、T-2025初年度の2023年の実績については、当初想定した売上高4,100億円、営業利益450億円を下回り、売上高3,639億4千6百万円営業利益387億2千8百万円という結果となりました。
(主力事業の成長軌道回帰)
黒鉛電極事業は、世界的な鉄鋼景気の減速と電炉稼働率の低下による欧州を中心とした価格競争の激化や、安価な中国産黒鉛電極のアジア市場への流入により市場価格が下落する中、コスト削減や売価の維持・引き上げに取り組んできましたが、市況悪化を打ち返すには至らず、成長軌道回帰は道半ばという結果になりました。カーボンブラック事業は、半導体不足などサプライチェーンの混乱で低迷した自動車生産が着実に回復する中、環境設備投資等に着実に取り組む一方、原価上昇分の価格転嫁に取り組んだことにより、増収増益を果たし、当期当社業績を支えました。
(事業ポートフォリオの最適化)
2021年11月に決議した「事業ポートフォリオマネジメント基本方針」に基づき、自社の資本コストを踏まえた収益力・資本効率性の目標設定とモニタリングに加え、長期ビジョンとの整合性や中長期的な成長等の視点も加味して、適切に事業ポートフォリオの分析・評価を実施しております。成長事業であるファインカーボン事業や工業炉及び関連製品事業においては、将来の産業構造の変化も見据えた中長期的な成長を目指して、生産能力の増産投資を着実に実施しています。
(サステナビリティ経営基盤構築)
カーボンニュートラルの実現に向け、2022年1月に発足したカーボンニュートラル推進委員会を中心に、2050年カーボンニュートラル実現を果たすべく、2030年にはCO2排出量の25%削減(2018年比)を目指し、社内外関係者と協働した関連技術の探求・調査にも取り組んでいます。また、2023年度より、役員報酬にサステナビリティ・パフォーマンスを連動させることとする一方、従業員エンゲージメント・サーベイを活用したエンゲージメント向上策にも取り組んでいます。
② 対処すべき課題
2030年の長期ビジョン実現に向け、当社は、新たなローリング中期経営計画「T-2026」を策定・開示しました。「主力事業の収益基盤強化」「事業ポートフォリオマネジメントの高度化」「サステナビリティ経営の推進」の3つの基本方針を掲げ、取り組んでまいります。
「主力事業の収益基盤強化」のポイントは低迷を続ける黒鉛電極事業であり、抜本的な構造改革を断行し、事業体質の改善を図ります。
「事業ポートフォリオマネジメントの高度化」に関しては、資本コストや株価を意識した経営の実現に向け、事業の成長性と資本収益性を踏まえた「選択と集中」に取り組みます。
「サステナビリティ経営の推進」については、喫緊のカーボンニュートラル対応を推進する一方、人的資本を重視した経営にも取り組んでいきます。「サステナビリティ経営の推進」については、喫緊のカーボンニュートラル対応を推進する一方、人的資本を重視した経営にも取り組んでいきます。
これらの取り組みを通じ、2026年の売上高4,580億円、営業利益530億円、ROS12%を目指してまいります。
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