東急 【東証プライム:9005】「陸運業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。
(1)グループ理念
当社グループは、「美しい時代へ―東急グループ」をグループスローガンとして掲げるとともに、「グループを共につくり支える志を持ち、共有する理念」として、以下のとおり「グループ理念」を定めております。
(グループ理念)
「存在理念」:美しい生活環境を創造し、調和ある社会と、一人ひとりの幸せを追求する。
「経営理念」:自立と共創により、総合力を高め、信頼され愛されるブランドを確立する。
〇市場の期待に応え、新たな期待を創造する。
〇自然環境との融和をめざした経営を行う。
〇世界を視野に入れ、経営を革新する。
〇個性を尊重し、人を活かす。
もって、企業の社会的責任を全うする。
「行動理念」:自己の責任を果たし、互いに高めあい、グローバルな意識で自らを革新する。
(2)サステナブル経営の方針
当社は、「安全・安心」、「まちづくり」、「生活環境品質」、「ひとづくり」、「脱炭素・循環型社会」、「企業統治・コンプライアンス」をサステナブル重要テーマ(マテリアリティ)として設定しており、これらに向き合い、「未来に向けた美しい生活環境の創造」および「事業を通じた継続的な社会課題解決」に取り組んでいくという“サステナブル経営”を経営の基本姿勢としています。
(3)中期3か年経営計画
2024年度を始期とする中期3か年経営計画を2024年3月に発表しました。
本計画では、今後起こりうる経営環境変化に能動的に対応すべく、安定的で成長力ある事業ポートフォリオを構築しながら資本効率向上と財務健全性維持の両立を図るとともに、株主資本コストを意識した経営を推進し、持続的な企業価値の向上と事業間連携の深化によるコングロマリットプレミアムの創出を図ります。
また今回、『Creative Act.創造力でしなやかに“世界が憧れるまち”を』を、本計画期間に限らないビジョンワードとして設定しました。従業員ひとりひとりが輝ける会社となり、お客さまへの優れたサービスの提供と明るい未来の創造を目指していきます。
本計画の概要は以下の通りです。
(目指すビジネスモデル)
交通/不動産を軸とした事業間シナジーと再投資により持続的成長を実現する長期循環型事業
(基本方針)
外部環境の変化が継続する中、本計画の3か年を再起動の期間と位置づけ、事業戦略・コーポレート戦略の推進により経営基盤を強化するとともに資本効率等を重視する経営への転換を図り、持続的な企業価値の向上につなげる。
(重点施策)
1)既存事業の収益力向上による内部成長の実現(各事業の利益創出力・競争力の強化)
・「移動」を通じた社会価値提供と収益性の両立
・バリューアップ投資と事業間連携による利益創出力の強化
2)持続的成長のための「成長投資継続」(事業領域の拡大)
・不動産開発事業を通じたエリア価値の継続的な向上
・不動産販売事業拡大とバリューチェーン強化、資産ポートフォリオ戦略
・海外事業の継続推進、GX投資
3)連結経営/事業推進基盤の強化
・人材戦略、デジタル戦略の推進、事業ポートフォリオ管理と経営資源配分の最適化
(経営指標)
具体的な数値目標については以下のとおりです。
なお、2023年度実績を踏まえ、2024年度の数値目標については2024年5月公表業績予想を記載しております。
定量指標 | 2024年度 予想 | 2025年度 計画 | 2026年度 計画 |
EPS | 100.14円 | 96.00円 | 116.00円 |
ROE | 7.4% | 7.0% | 8.0% |
ROA (総資産事業利益率) | 3.3% | 3.2% | 3.5% |
東急EBITDA | 1,969億円 | 2,000億円 | 2,100億円 |
営業利益 | 880億円 | 850億円 | 950億円 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 600億円 | 580億円 | 700億円 |
有利子負債/ 東急EBITDA倍率 | 6.2倍 | 6.3倍 | 6.1倍 |
従来は、規模の指標として、「営業利益」、「東急EBITDA」、健全性指標として「有利子負債(※)/東急EBITDA倍率を重視して参りましたが、本計画では資本効率を重視する経営へ深化させ、最も重視する経営指標を、「EPS」、「ROE」、「ROA(総資産事業利益率)」の3つと定めております。また、「EPS」、「ROE」の分子となる「親会社株主に帰属する当期純利益」も、重視する指標に加えております。当社の株主資本コストは、2024年3月時点推計値として、CAPM(資本資産価格モデル)および株式益利回りより算出し、5.1%~6.5%と認識しており、規模拡大のみならず効率性や財務健全性を重視し、株主資本コストを意識した経営を推進してまいります。
〇経営指標(当社独自の指標等)採用に関する補足
「ROA(総資産事業利益率)」の分子とする事業利益は、営業利益に、収支が会計ルール上、営業外収益で計上されてしまう海外事業や空港運営事業等の利益も加算した利益を指しております。
なお、事業利益の算出方法は、以下のとおりです。
事業利益=営業利益+上場会社を除く持分法投資損益+不動産事業等に係る受取配当
東急EBITDAは、大規模工事の竣工等による営業利益の変動を補正したうえで、事業スキームの多様化を反映し、当社の稼ぐ力をより正確に表す指標として採用しております。
なお、東急EBITDAの算出方法は、以下のとおりです。
東急EBITDA=営業利益+減価償却費+固定資産除却費+のれん償却費+受取利息配当+持分法投資損益
※ 有利子負債:借入金、社債、コマーシャル・ペーパーの合計
(投資計画・株主還元の考え方)
投資計画については、3か年合計で約5,100億円を計画しております。内訳としては、鉄道事業投資に1,500億円、バリューアップ投資を含めた既存事業投資として1,300億円、不動産開発投資を始めとした成長投資として2,300億円を見込んでおります。2024年度は中期3か年経営計画の方針に基づき、約1,400億円の設備投資を予定しております。
また、株主還元の考え方について、配当方針としては、安定配当を継続するとともに、利益成長に応じた配当金の持続的な増加に取り組み、中期3か年経営計画期間中の下限を21円と設定しております。その上で、2024年度はこの考え方に基づき年間22円の配当を予定しております。また、中長期的には、業績や資金状況もふまえつつ、配当性向30%を意識してまいります。これに加え、資本政策を機動的かつ積極的に実施していきます。本計画3か年通算での総還元性向も勘案しつつ、自己株式取得の実施時期、規模を検討いたします。
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