企業兼大株主東急不動産ホールディングス東証プライム:3289】「不動産業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティ戦略

 当社グループは、グループの理念体系に基づき、事業活動を通じて社会課題を解決し、ステークホルダーとともに、サステナブルな社会と成長をめざします。2021年度に策定した長期ビジョン「GROUP VISION 2030」においては、ありたい姿「価値を創造する企業グループへ」の実現に向けて、非財務の取り組みを重要な経営課題と位置づけ継続的な強化を行いながら、持続的な企業価値向上を図り、次の世代、さらに次の世代を見据え、美しく豊かな環境の形成と、長く愛され続けるまちづくりを実現していきます。

 また、当社は国連グローバル・コンパクトを支持し、「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」からなる10原則に基づき責任ある経営を推進しており、「環境ビジョン」や「東急不動産ホールディングスグループ人権方針」(以下、人権方針)および「東急不動産ホールディングスグループサステナブル調達方針」(以下、サステナブル調達方針)を定めています。

<環境ビジョン>

・人権方針

 URL human_rights_policy_J(non).pdf (sustainability-cms-tokyu-s3.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com)

・サステナブル調達方針

 URL procurement_policy_J.pdf (sustainability-cms-tokyu-s3.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com)

①ガバナンス

 環境・社会課題に対する迅速な意思決定に向け、健全で透明性のあるガバナンス体制の構築を進めています。環境・社会課題への全社横断的な対応を図るため、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」および「リスクマネジメント委員会」を設置しており、年に2回定例会議を開催しています。また、各委員会においては、気候変動をはじめとする環境課題、社会貢献、DE&I、コンプライアンスなどの重要課題について、機会とリスクの評価・計画立案・実績確認を行ない、審議結果は取締役会に報告しています。

 取締役会では、上記の重要課題について、各委員会の報告を受けて業務執行内容の監督を行っています。取締役の選任に際しては「環境・サステナビリティ」を含む7つの専門性と経験が考慮されており、業務執行取締役の報酬決定に際しては、ESGへの取り組み等が総合的に勘案されています。

<体制図>

②戦略

 長期ビジョン「GROUP VISION 2030」の策定にあたり、重要な社会課題を抽出し、経営陣とステークホルダーの意向を踏まえ、6つのマテリアリティを特定しました。(※詳細はP12を参照)各マテリアリティは機会とリスクを整理し、2030年に目指す姿を定め、事業活動を通じて対応を行っています。

 また、自らの事業だけでなく、サプライチェーンおよびバリューチェーン全体における、テーマに沿った施策の実行によりお客さまや社会に多様な価値を創出することで、あらゆるステークホルダーの満足度向上を図り、サステナブルな社会や当社グループの価値向上をめざします。

<価値創造への取り組みテーマと対応>

 特に、マテリアリティのひとつである「サステナブルな環境をつくる」は、長期経営方針における全社方針「環境経営」において、「脱炭素社会」「循環型社会」「生物多様性」の3つを環境重点課題とし、注力して取り組んでいます。

<3つの環境重点課題>

 さらに、「多様な人財が活きる組織風土をつくる」は、人的資本経営による人財戦略を推進することで、グループの価値の最大化をめざしています。また人権を尊重し、人権デュー・ディリジェンスを実施することで人権リスクの未然防止と軽減に努めています。

③リスク管理

 気候変動リスクを含む8つの個別リスク(※詳細は3.事業等のリスクを参照)を重要性の高いリスクとして認識し、リスクマネジメント委員会において、グループ各社が担うリスクマネジメントを統括的に管理し、取締役会が監督しています。

 また長期ビジョン「GROUP VISION 2030」で定めた6つのマテリアリティに関連する重要リスクを特定し、「リスク管理基本規程」に基づき個別リスクごとの主管部署を定め、当該部署においてグループにおけるリスク管理体制および運用状況を統括しています。

8つの個別リスクのほかに、サステナビリティ委員会では、環境ビジョンにおける5つの環境課題や、人権・人的資本などに関する重要な課題について一体的に管理しています。

 気候変動リスクについては、サプライチェーン全体における現行および新規の法規制をはじめとする移行リスク、および気候変動の進行による物理リスクの影響把握、ならびに各事業における戦略への反映を行っています。

 また、人権および調達リスクについては、人権方針およびサステナブル調達方針に基づき、自社およびサプライチェーンを含むステークホルダーにおける人権リスク評価を行い、強制労働および児童労働などを重要な人権課題として特定しました。中でも、主に建設会社を重要なステークホルダーと捉え、サプライチェーンにおける優先すべき人権課題の解決に向け、人権デュー・ディリジェンスを実施しています。

<人権リスクマップ>

④指標と目標

 長期ビジョン「GROUP VISION 2030」において、マテリアリティごとに2030年度のKPI目標を設定しています。財務および非財務KPI目標の双方達成に向け、進捗状況のモニタリングを行い、PDCAサイクルとともにグループ横断で取り組みを進めています。

<マテリアリティとKPI目標>

※2022年度の実績は、第三者検証取得前の実績も含まれており、概算値になります。

(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組)

 当社グループでは、環境への取り組みを企業価値向上につなげるため、長期経営方針において「環境経営」を全社方針に掲げ、環境ビジョンにおける環境課題のひとつ「気候変動」への取り組みを通じて、脱炭素社会の実現と環境に寄与するライフスタイル創造に取り組みます。

 気候変動は、当社グループの事業活動にとってリスクであると同時に、新たな事業機会であると考えています。また、気候関連財務情報開示の重要性を鑑み、当社は2019年3月にTCFD提言に賛同し、TCFDの取り組みについて議論する国内組織である「TCFDコンソーシアム」にも参加しています。TCFDの提言を活用し、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の枠組みで各施策を推進しています。

①ガバナンス

 上記(1)サステナビリティ戦略①ガバナンスを参照。

②戦略

 気候変動課題についてはTCFD提言に沿い、当社グループの幅広い事業領域において気候変動の重要課題を認識し、3つのシナリオ(1.5℃、3℃、4℃)による分析を通じて機会とリスクを特定しました。また、事業戦略および財務計画への影響を把握することで重要度の評価を行い、各事業における対応策への反映を図っています。

 さらに、RE100(※1)、ZEB(Net Zero Energy Building)やZEH(Net Zero Energy House)の推進、建物環境認証の取得、インターナル・カーボン・プライシング(社内炭素税)の導入、再生可能エネルギー事業の拡大、グリーン資金調達などを実施しています。

URL  https://tokyu-fudosan-hd-csr.disclosure.site/ja/themes/57#279

(※1)世界で影響力のある企業や団体が、遅くとも2050年までに、自らの事業で使用する電力を再生可能エネルギー100%化することを目指す国際的イニシアチブ

<気候変動の重要課題>

<気候変動のシナリオ分析>

③リスク管理

 上記(1)サステナビリティ戦略③リスク管理を参照。

④指標と目標

 当社グループは、事業活動を通じて脱炭素社会の実現に貢献することをめざし、気候変動に関する中期・長期目標を掲げました。

 ・中期目標 2025年までに、自社(スコープ1・2)において、再生可能エネルギー事業などにおけるCO2削減量

 が、CO2排出量を上回る「カーボンマイナス」をめざす。

 ・長期目標 自社およびサプライチェーン(スコープ1・2・3)において、科学的根拠に基づく削減目標であ

 る「Science Based Targets(SBT)」の「1.5°C目標」を2030年までに実現し、2050年にはネットゼロエミッション達成をめざす。

 中期目標に関しては、2021年度において、早期達成を果たしており、今後も継続を目指します。

 また、東急不動産㈱では、自社で大規模展開する再生可能エネルギー事業の強みを活かし、国内事業会社では初めて(※1)、2022年12月に自社事業所及び保有施設(※2)における使用電力(※3)の再生可能エネルギー電力への切替が完了し、RE100の要件を達成しました。それにより、一般家庭約8万世帯分にあたる年間約15.6万トンのCO2排出量を削減します。

(※1)金融機関を除く

(※2)RE100の対象範囲とならない、売却又は取壊し予定案件及び当社がエネルギー管理権限を有しない一部の

 共同事業案件を除く

(※3)RE100が認めるグリーンガスが国内市場に存在しないため、コジェネレーション自家発電による電力を除

 く

<気候変動に関する目標>

 当社グループのGHG(Greenhouse Gas)排出量は以下のとおりです。

<GHG排出量の実績および目標と削減率>

<GHG排出量スコープ3 カテゴリー別内訳>

(3)人的資本経営

 当社グループにおける「人的資本経営」とは、「GROUP VISION 2030」及び「中期経営計画2025」の実現に向け、経営戦略と連動した人財戦略を策定及び実行することで、持続的な価値向上に取り組むことを指します。当社グループは100社超・約3万人の従業員の知識・スキルや意欲を「人的資本」と捉えて積極的に投資することで、「価値を創造し続ける企業グループ」と「誰もが自分らしく、いきいきと輝ける未来」を目指します。

<人的資本経営の考え方>

①ガバナンス

 人財戦略を経営戦略と連動させるために、サステナビリティ委員会・リスクマネジメント委員会にて人財戦略の課題及びKPIの進捗を報告のうえ方針を経営層間にて討議し、その結果を取締役会にて報告しております。

 人財戦略の推進にあたっては、当社のグループ人事部が主要5社の人事部を統率して管理しています。具体的なモニタリングの機能としては、グループ人財会議を年2回開催し、グループ各社の課題及びKPIの進捗について報告・共有を行っております。さらに、ダイバーシティ・採用・労務マネジメントといったテーマごとに個別の分科会を行い、人財戦略を着実に実行できる体制を整えています。

<人財戦略の推進体制>

②戦略

 ありたい姿の実現に向け、当社グループは“すべての従業員が「挑戦するDNA」と「社会に向き合う使命感」をもち、サステナブルな社会づくりと成長を目指します”という人財理念を掲げました。その上で人財戦略として、『価値を創造する人づくり』『多様性と一体感のある組織づくり』『働きがいと働きやすさの向上』の3つの戦略を進めております。

 1つ目の『価値を創造する人づくり』は、グループ理念と経営戦略に基づいた、人財の育成に関する方針です。長期ビジョン「GROUP VISION 2030」の実現に向けてグループ理念の浸透を図るとともに、全社方針と連動するDX人財の育成と環境経営に基づく人財育成を掲げております。

 2つ目の『多様性と一体感のある組織づくり』は、グループの価値創造を支える社内環境整備に関する方針です。女性管理職比率向上をはじめとする女性の活躍推進や、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)の取組による多様な人財の活躍推進に加えて、イノベーティブな組織風土の醸成が、「挑戦するDNA」の体現やグループの価値創造には不可欠と考えております。

 3つ目の『働きがいと働きやすさの向上』は、従業員一人ひとりを支える社内環境整備に関する方針です。健康経営の推進や、ライフステージに応じた多様な働き方の支援に加え、働きがいという観点でのワークエンゲージメントの向上も重要な施策として取り組みモニタリングをしております。

 これら3つの人財戦略に取り組むことで、グループ従業員に対して、心も身体も健康にモチベーションと志をもって働ける環境を実現するとともに、生産性が高く広く社会に貢献する人財を輩出します。当社グループは人的資本経営に取り組むことで、2030年「価値を創造し続ける企業グループ」という未来へとつなげて参ります。

<人財理念と人財戦略>

 イ.価値を創造する人づくり

・グループ理念の浸透

 長期ビジョン「GROUP VISION 2030」のグループスローガンとして、「WE ARE GREEN」を掲げました。「WE ARE GREEN」は、グループが展開する多様なグリーンの力を融合させ、新たな価値創造につなげていく姿勢を表現しています。TVCMなどの広報活動や、社内報での情報共有、全従業員向けのEラーニング、グループ合同新人研修の実施など、一貫したメッセージの発信と認知・浸透の向上に取り組んでいます。

 特に、グループ各社の執行役員に対しては、2日間に渡る理念浸透・リーダーシップ研修を実施しています。計140名のグループ各社執行役員を対象としたEラーニングでは、どれだけ自身がグループ連携を実践できているかを示す「自分ゴト化」度を測定し、2022年度は84%の執行役員が実践していると回答しました。中期経営計画最終年度の2025年には、「自分ゴト化」度90%を目標として設定し、意識向上を図っております。

・DX人財の育成

 全社方針である「DX」に基づき、DX事例の創出を目指して、グループ横断プロジェクトの実行と実践型学習・研修の両輪で人財基盤の構築を行っています。2022年2月にはTFHD digital株式会社を設立し、デジタル専門人財の採用を行い、グループ各社およびグループ全体のDX支援を行う体制を整えており、そうしたDX推進に向けた組織・制度の整備や既存・新規ビジネスの双方での具体的なDX事例などが評価され、2023年5月に経済産業省・東京証券取引所及び情報処理推進機構による「DX銘柄2023」に選出されました。

 事業会社においてDX推進の中心的な役割を果たす人財を「ブリッジパーソン」と定義し、育成を強化している他、データ・AI活用やデジタルマーケティングなど様々なデジタルスキル習得のためのプログラムで育成にあたってます。また、開発事業を担うブリッジパーソン向けの実践型研修である「TLC-Xプログラム」では未来のデジタル事業構想を不動産開発の現場社員が参加してアイデア創出を行っています。

 これらの取り組みを基盤に、「デジタル活用によるビジネス件数」は、2022年度実績で13件、累計43件に至りました。2030年度は、計100件以上という成果創出を目指している他、東急不動産㈱では全社員を対象にITパスポートの取得を促し、2030年度取得率100%を目指しています。

・環境経営に基づく人財育成

 全社方針である「環境経営」に基づき、Eラーニングやサステナブル・アクション・アワードを通じて啓蒙を行っています。サステナブル・アクション・アワードは、事業活動を通じた環境・社会課題解決の具体的な取り組みを表彰し、そのアクションの輪をグループ全体に広げ、収益貢献に繋げることを目的に創設されました。2022年度は19社123案件の応募が寄せられ、当社グループの掲げるマテリアリティに応じた最も優れた取り組みとして合計12件を表彰しました。毎年応募50件、2025年度で累計応募300件を目指して継続していきます。

 これらの取り組みを基盤に、「事業を通じた環境取り組み件数」は、2022年度実績で14件、累計36件に至りました。2030年度は、計100件以上という成果創出を目指して、環境経営に基づく人財育成に取り組み続けます。

<価値を創造する人づくり>

 ロ.多様性と一体感のある組織づくり

・女性の活躍推進

 女性の活躍推進については特に重要なテーマと捉え、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)の基本理念に則り、性別にかかわらず個性と能力を十分に発揮できる環境づくりに取り組んでいます。KPIとして「新卒女性採用比率」「女性管理職比率」および「女性管理職候補比率」を設定し、目標達成に向けてグループ一体となって取り組んでおります。

 「新卒女性採用比率」は2023年4月実績46%であり、採用面では多様な人財確保ができていると考えております。2030年度目標は50%と設定し、現状程度の採用を継続する予定です。「女性管理職比率」は2023年4月実績8%に対し、2030年度目標を20%以上、「女性管理職候補比率」は2023年4月実績18%に対し、2030年度目標を20%以上と設定しております。「女性管理職比率」は実績から一定の乖離がある目標値ではありますが、「女性管理職候補比率」の底上げを図るとともに、女性が活躍しやすい制度・風土づくりに取り組んで参ります。

 具体的な活動としては、採用担当者の女性比率増(㈱東急コミュニティー)、産休・育休取得者に対応した昇格プログラム運用(東急不動産㈱)、育児サポート制度・パートナー制度による目標軽減・休日シフト・複数担当制(東急リバブル㈱)などに取り組んでいます。会社を越えたネットワーキングを行い、これらの各社制度や工夫をグループ内で横展開することで、グループ全体でのKPI達成を目指します。

・多様な人財の活躍推進

 当社グループはDE&Iビジョンを策定しております。多様な属性の違いをお互いに認め、差別をなくすと共に公正な活躍機会を提供し、誰もが自分らしくいきいきと働ける環境作りを進めることで、イノベーションを生み出し、価値創造に取り組みます。「DE&I」の理解深化に向け、グループポータルサイトでの社長発信や、役員向け研修などを実施しています。従業員に対してはEラーニングを実施し、受講率をKPIとして設定、2030年度は受講率100%を目指しております。

 また、多様性を担保するためのKPIとして、「キャリア採用者管理職比率」を設定しております。現状、主要事業会社の管理職のうちキャリア採用者が46%となっており、キャリアの観点からは既に多様な人財確保ができていると考えておりますが、引き続き登用を続ける方針として、2030年度50%という目標を定めております。

・イノベーティブな組織風土の醸成

 「挑戦するDNA」を継承し、会社の枠を超えたイノベーションを創出するために、「STEP」というグループ共創型社内ベンチャー制度を設立しております。「STEP」は「S(Start/Sustainable/Shibuya)」+「TFHD(東急不動産ホールディングス)Entrepreneur Program」の略称です。2019年度にグループ従業員を対象として開始し、2023年度には第5期を迎えました。2022年度時点で応募累計253件、内3件が事業化決定しております。2021年に事業化第一弾としてTQコネクト株式会社、2022年にサステナブル・デザイン株式会社、K.627株式会社を設立。グループの幅広い事業リソースを活用し事業展開に取り組んでいます。「STEP」は中期経営計画における事業化件数をKPIとして設定し、2025年度まで毎年事業化1件以上を目標としております。

 また、「外部知見の獲得とグループ内ノウハウ共有」を目的とした風土醸成イベントとして、「ナレッジ・フォーラム」等を定期的に開催しております。累計108回開催しており、2025年度まで毎年4回以上開催を中期経営計画期間中の目標とし、活動を継続していきます。

<多様性と一体感のある組織づくり>

 ハ.働きがいと働きやすさの向上

・健康経営の推進

 従業員の幸福と健康維持・増進を重要な経営課題と捉えて、心身の健康に繋がる様々な施策に取り組んでいます。2030年度の目標として、健康診断受診率100%・ストレスチェック受検率100%・男性育児休暇取得率100%を目標に掲げ、セミナーや啓蒙活動などに取り組んでいます。

 ストレスチェックについては、グループ各社(一部除く)において、㈱イーウェルによる定期的なストレスチェックを実施し、当該ストレスチェックによるデータに基づき、従業員のメンタルヘルス状況を社外専門機関により検証・モニタリングしています。検証の結果を、従業員の健康と安全の改善に向けた取り組みに繋げています。

・柔軟な働き方の支援

 効率性・生産性の向上とワーク・ライフ・バランスの実現のため、柔軟な働き方を支援しています。主要5社(東急不動産㈱、東急リバブル㈱、㈱東急コミュニティー、東急住宅リース㈱、㈱学生情報センター)ではテレワーク制度およびフレックス勤務制度(またはスライド勤務制度)を導入し、ITを活用して場所や時間にとらわれないフレキシブルな働き方を実現しています。多くの従業員が活用し、効率性・生産性および従業員満足度も向上しています。また、テレワーク制度およびフレックス勤務制度(またはスライド勤務制度)の規程整備率100%(主要5社対象)をKPIとして設定することで、柔軟な働き方の支援をアップデートし続ける姿勢を掲げております。

・ワークエンゲージメントの向上

 グループ各社では定期的なストレスチェックと合わせて、ワークエンゲージメントの調査を行っております。さらに、各社の状況に応じた、個社ごとの従業員エンゲージメント・サーベイを定期的に実施しています。

 東急不動産㈱では、年2回のサーベイを実施し、全社結果を社内外に開示しております。また、各組織単位(ユニット・本部・部・グループ)のサーベイ結果を各組織長にフィードバックすることで、各組織におけるPDCAを回しながら、エンゲージメントの維持・改善に取り組んでおります。2017年度より全社を対象に導入し、2022年度は上期がスコア58.5・レーティングA、下期がスコア61.9・レーティングAAという結果で、2030年度目標を前倒しで達成しました。今後も、継続的なスコアの維持・改善に取り組んで参ります。

 なお、サーベイ結果を踏まえた東急不動産㈱の全社施策は、「理念の現場浸透度」の向上を図った長期ビジョン説明会や全社員面談、「部下への支援行動」の向上を図った1on1・360度フィードバック・ナナメンター(部門間メンター)制度などがあります。2022年度から新人事制度を導入、昇格を手上げエントリー制にすることで、多様な人財がより挑戦しやすい環境づくりを行っています。リーダーシップ開発・後継者育成の観点で設けたCDP(キャリア・デベロッピング・プログラム)は、多くの従業員のキャリア開発の機会になっています。

<働きがいと働きやすさの向上>

③リスク管理

 人財戦略の推進におけるリスクとしては、経営戦略と実際の人財施策に乖離が生じることを想定しております。そのため、各施策に対応する人財KPI(後述)を指標として設定し、サステナビリティ委員会にて進捗を報告しております。経営層が人財戦略の方針について議論することで、経営戦略と現場の施策が一貫したものとなるよう担保しております。

④指標及び目標

<KPI表>

※2022年度及び2023年4月の実績は、第三者検証取得前の実績も含まれており、概算値になります。

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