企業兼大株主東北電力東証プライム:9506】「電気・ガス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 以下に記載の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。

   <東北電力グループ中長期ビジョンにおける今後の経営展開「よりそうnext+PLUS」>

 当社企業グループは中長期ビジョン「よりそうnext」の策定以降、電力供給事業の構造改革とスマート社会実現事業の収益化を重点課題としてビジネスモデルの転換に取り組んできました。スマート社会実現事業への取り組みを通じて、事業創出にチャレンジするマインドがグループ全体で醸成されるとともに、コーポレートPPAなど電気・エネルギー関連分野の新たな事業化が進展し、2つの事業ドメインである電力供給事業とスマート社会実現事業の融合も進みました。

 一方、2年連続して発生した福島県沖地震やウクライナ危機などにより財務基盤が著しく毀損し、グループを挙げて徹底した効率化に取り組みましたが、電力の安定供給に影響を及ぼしかねない非常に厳しい状況であったことから、ステークホルダーの皆さまに電気料金の値上げや減配・無配をお願いしたことにより、2023年度の収支・財務は改善に向かいました。しかしながら、連結自己資本比率は15.4%にとどまり、連結有利子負債残高は3兆円を超える高い水準にあるなど、依然として厳しい財務状況にあり、今後も地域の皆さまに電気を安定的にお届けし、さらなる付加価値を提供し続けていくために、事業の変革や財務基盤の強化を図っていく必要があります。

 また、内外無差別の進展などにより電気事業の枠組みが大きく変わるとともに、燃料や卸電力市場価格の変動が大きくなっていることに加え、カーボンニュートラルに向けた潮流の加速やデジタル化の進展などにより、将来の電力需要の拡大が見込まれるなど、当社企業グループを取り巻く事業環境は大きくかつ急速に変化しております。

 このような中、中長期ビジョンの後半期を迎えるにあたり、2030年に向けた今後の経営展開として「よりそうnext+PLUS」を策定しました。具体的には、「事業展開」、「財務基盤」、「経営基盤」の3つの方針を設定し、それぞれの取り組みを相互に連動させながら、事業を推進していきます。

 今後も東北電力グループは、電気・エネルギーを中心とした事業展開を通じて、地域の皆さまが快適・安全・安心なくらしを実感できるスマート社会の実現に貢献してまいります。

(1)事業展開

 電気・エネルギーを中心に事業を展開することとし、「発電・卸」、「グリーンビジネス」、「エネルギー・ソリューションサービス」、「送配電」、「関連領域」の5つの領域と11の事業区分を設定した上で、各事業が自律的に収益と成長を追求していきます。また、カーボンニュートラルやDXを成長の機会として捉え、イノベーションなどを通じた既存事業の強化・拡張や新たな事業領域の拡大にも挑戦していきます。


■発電・卸領域 -脱炭素化と経済性を両立した電気を社会に提供

 (火力発電事業)

 競争力強化を徹底するとともにカーボンニュートラルに長期的視点で戦略的に対応していく観点から、火力電源の脱炭素化に向けた実現可能性調査・実証試験の加速や経年火力電源の休廃止・リプレース、デジタルイノベーションによる新たな付加価値の創造・展開に取り組みます。また、需給最適化のさらなる推進と燃料調達・発電・卸売によるバリューチェーン全体での収益の拡大を目指し、燃料調達の経済性・弾力性・安定性向上に資する施策の深掘り・強化や、調整力としての火力電源の運用高度化、卸入札などによる内外無差別的な交渉機会の確保、先物市場拡大を見据えたトレーディング機能の最適化・事業機会の追求などにも取り組んでいきます。

  (原子力発電事業)

 安全確保を最優先に地域のご理解を得ながら原子力発電所の再稼働を進めるとともに、ベースロード電源として設備利用率の維持・向上及びコスト低減を目指します。女川原子力発電所第2号機については、安全対策工事が本年5月に完了いたしました。今後は、「燃料装荷」や「原子炉起動」に係る各種検査・試験などのプロセスがあることから、引き続き、安全確保を最優先に、本年9月頃の再稼働に向けて地域のみなさまからのご理解をいただきながら、一つ一つの取り組みを着実に進めてまいります。また、女川原子力発電所第1号機については、安全確保を最優先に廃止措置に取り組み、女川原子力発電所第3号機と東通原子力発電所第1号機については、早期再稼働に向け適合性審査・準備への着実な対応を進めていきます。

  ■グリーンビジネス領域 -再生可能エネルギーを最大限活用し、新たな電気の価値をお客さまにお届け

2030年代早期に200万kW以上の再エネ開発を目指すとともに、多様化する再エネニーズにお応えするサービスを幅広く提供することで、バリューチェーン全体でカーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目指します。

※大規模再エネ電源の新規開発に加え、既設電源の更新による出力増分やコーポレートPPAによる自社開発分も含む

 (再エネ発電事業)

 収益性を踏まえ、地域との共生も意識した新規電源の開発を推進するとともに、水力・地熱発電の経年設備の抜本改修などによる発電量の維持・拡大を目指します。さらに、風力メンテナンス事業の推進や太陽光パネルのリユース・リサイクルの事業化を検討し、バリューチェーン全体で収益拡大を推進していきます。

(次世代エネルギーサービス事業)

 分散型エネルギーリソース(自家用発電機や蓄電池、EVなど)を集約し、市場取引などで獲得した収益の一部をお客さまに還元するサービス(VPP)や再エネ発電事業者に発電予測や需給調整などのアグリゲーションサービスを提供していきます。

 (グリーンエネルギーサービス事業)

 再エネを切り口としたコーポレートPPAや蓄電池サービス、需給運用代行などの様々なエネルギーソリューションを組み合わせて最適なサービスを提案します。また、家庭向けの太陽光・蓄電池サービスも拡大していきます。

 ■エネルギー・ソリューションサービス領域 -快適・安全・安心なサービスを提供し、お客さまの豊かさを最大化

   (電力小売事業)

 お客さまニーズに合わせた最適な料金プランをご提供するために、市場動向・需要動向を的確に捉えて、相対取引・市場取引等を組み合わせた最適な電源構成を実現するとともに、電化推進や販売体制を強化することでカーボンニュートラルやDX潮流を踏まえた販売活動を展開していきます。

   (ソリューションサービス事業)

 家庭向けにはキャッチフレーズ「きょうを照らし、あしたをつくる。」のもと、ライフスタイルのサポートにつながるご提案を強化していきます。具体的には、「家のライフサイクル」を軸としたお客さまのニーズやお困り事等が起点の商品・サービス開発によりバリューチェーンを構築するとともに、提供エリア拡大等も行っていきます。また、東北電力eライフリースやあおぞらチャージサービス等のグループ企業商材を含めた提供等による安心・快適、エコな電気を賢く使う「スマートライフ電化」のご提案も強化していきます。

 法人向けにはお客さまのサステナブルな事業運営を支援するソリューションサービスの提案を強化していきます。具体的にはエネルギーマネジメントやレジリエンス向上などのビジネスニーズを的確に捉えたサービス開発・提案をしていきます。カーボンニュートラルを見据えたトランジション燃料である天然ガスについても、エネルギーに関わる問題解決をご支援するソリューションとして提供していきます。

■送配電領域 -電力の安定供給を通じ、地域社会の安全・安心・快適な暮らしを支える

(送配電事業)

 安全最優先のもと効率的な送配電設備の形成やデジタル技術を活用した運用高度化を進めながら、ハード・ソフト両面の災害対応力の維持・強化を図ることで、電力の安定供給を確保していきます。また、再エネ導入拡大に向けた大規模基幹系統整備や日本版コネクト&マネージなどによる既存系統の有効活用、再エネ出力予測精度向上といった送配電設備の高度化によりカーボンニュートラルへ貢献していきます。さらに、保有資産やノウハウを活用した収益機会の獲得と新たな事業の創出、地域接点機能を活用してエリア需要の拡大に向けた企業誘致の支援も推進していきます。

■関連領域 -エネルギー事業で培ったノウハウ・アセットを活用し、幅広いサービスを提供

(総合設備エンジニアリング事業)

 事業基盤である東北・新潟でのエンジニアリング事業の更なる深化と「東北・新潟以外」、「海外」での事業展開を図っていきます。具体的には、今後需要拡大が見込まれるオフィスビルのリニューアルに伴う電気・空調・通信設備工事の一括受注や再エネ関連工事などに注力するほか、ベトナム事業を起点にODA案件を含めた海外事業の受注・収益拡大などを目指していきます。

(不動産事業)

 グループの保有資産を有効活用することで収益拡大を目指します。具体的には、仙台市中心部に立地し、当社グループのシンボルでもある「電力ビル」一体の再開発事業に参画するほか、当社グループが、仙台圏や県庁所在地等に保有する資産の活用による収益拡大等を目指していきます。

(情報通信事業)

 通信事業や情報システム事業で培ったアセットやノウハウを活用し、今後も需要拡大が期待できるDX関連分野での成長を目指します。ビジネスマッチングサイト「よりそう東北コネクト」による地域課題解決にも貢献していきます。

(2)財務基盤

(新たな財務目標の設定)

 現在の財務目標である「2024年度に連結キャッシュ利益※13,200億円以上」を達成した上で、電力の安定供給の維持に必要な財務基盤の回復を早期に実現するとともに、資本コストを上回る企業価値を創出し、利益・投資・成長の好循環を形成していくために、「連結経常利益」、「連結自己資本比率」、「連結ROIC※2」を指標とした新たな財務目標を設定いたしました。


※1 連結キャッシュ利益=営業利益+減価償却費+核燃料減損額+持分法投資損益(営業利益は燃料費調整制度のタイムラグ影響を除く。)

※2 ROIC(投下資本利益率)=税引後営業利益/(株主資本+有利子負債)×100

(キャッシュ配分の考え方)

 新たな財務目標達成に向けた取り組みを通じて得られた利益・キャッシュフローは、有利子負債の削減や、カーボンニュートラルなどに対応しながら、今後もお客さまに電気を安定的にお届けし、さらなる付加価値を提供していくための投資に活用します。また、配当については、財務基盤の回復とのバランスを考慮しながら、当面はDOE(株主資本配当率)2%を目安として安定的な株主還元を実現していきます。

※ DOE(株主資本配当率)=年間配当総額/株主資本×100


(3)経営基盤

 持続的に事業を展開していくための土台として経営基盤を強化していきます。具体的には、サステナビリティ経営を推進し、ESGを中心としたサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)の解決に中長期的な視点で取り組みます。特に、電気事業の果たす役割が大きいカーボンニュートラルへの長期的かつ戦略的な対応(CN戦略)や、DXを活用したイノベーション・業務変革(DX戦略)、そして成長の源泉である人的資本の強化(人財戦略)に重点的に取り組んでいきます。詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。


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