東京衡機 【東証スタンダード:7719】「精密機器」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、①技術への挑戦と顧客からの信頼、②人間性の尊重、③地域社会への貢献を企業理念とし、「技術と知識で豊かな社会の実現に貢献する」ことを目指しており、1923年創業当初からの試験機事業をはじめとして、社会インフラの安全・安心を支えるエンジニアリング事業などの事業を展開しております。
(2)経営戦略等
試験機事業では、マーケットシェアの拡大と収益基盤の強化に向けて、標準製品のブラッシュアップや代理店網を活用した営業基盤の強化、顧客の様々な試験ニーズに応えるための製品・技術開発力の強化、オーダーメイドの特殊製品の受注拡大、安定的な取引の継続が期待できる修理・校正・メンテナンスサービスの拡充等に取り組んでおります。エンジニアリング事業では、道路業界、建築業界、鉄道業界、電力業界等の既存顧客の深耕、海外を含む新規顧客の開拓、顧客との共同製品開発による売上の安定的拡大、生産性の向上等によりインフラマーケットへのさらなる浸透を進め、着実な成長を目指しております。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、持続的な成長と安定的な収益の確保による企業価値の向上を基本的な経営目標としており、中長期的な経営指標としては、成長性の指標として売上高成長率10%以上、収益性・効率性の指標として営業利益率7%以上、ROE(自己資本利益率)5%以上を目標としております。
(4)会社の対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、ウィズコロナの下で、政府の各種政策の効果もあって、景気は緩やかな回復が続くことが期待されますが、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念、ロシアのウクライナ侵攻や中東地域をめぐる情勢、物価の上昇や金融資本市場の変動等の影響に十分留意すべき状況となっております。
このような状況の下、当社は、2024年2月27日に2025年2月期から2027年2月期までの3ヵ年を対象とする中期経営計画を策定・公表いたしました。当該中期経営計画では、「未来志向の経営戦略」として、以下の3点を掲げております。
①デジタル化の推進
ハードウェア一辺倒の事業から、ソフトウェア、AI、ネットワーク等のデジタル化技術との融合を提案するハード・ソフトを一体化した事業体への発展を目指します。
②持続的成長のための投資
事業の基本である「先行投資⇒差別化製品開発⇒高付加価値提供⇒高収益」という本来あるべき企業体へ生まれ変わるための3ヵ年といたします。
③人財教育への投資
人財育成ほど確実な投資はありません。高付加価値を生み出し、提供できる人財を育成いたします。
また、各事業年度のミッションは以下のとおりとしております。
①2025年2月期のミッション:「事業拡大のためのプラットフォーム作り」
(主な戦略)
・社内デジタル化推進による業務効率化
・顧客サービスのデジタル化推進による高付加価値製品提供
・リスク管理体制の強化と収益性の高い事業への投資
②2026年2月期のミッション:「収益基盤の拡大」
(主な戦略)
・売上増加に寄与する核となる事業の特定と強化
・コスト構造の最適化と効率化
③2027年2月期のミッション:「市場の期待に応える」
(主な戦略)
・マーケットシェアの拡大と競争優位の確保
・カスタマーエクスペリエンスの向上と顧客ロイヤルティの構築
当社グループのコア事業である試験機事業とエンジニアリング事業は、産業の基盤と社会インフラの「安全・安心」を支える事業であり、社会に必要不可欠な製品・商品・サービスを提供する企業グループとして今後も成長していくために、顧客満足度の向上を目指して製品の品質・サービスの向上に取り組むとともに、コア事業の発展が期待できる他社との業務提携や事業シナジー効果が期待できる分野への進出も検討してまいります。この点、当社は、2023年4月21日に試験機事業のさらなる磨き上げを目的として、CAE(Computer Aided Engineering)ソフトウェアの開発およびその受託解析・開発業務を行っている㈱先端力学シミュレーション研究所と業務提携契約を締結し、新たな収益機会の創出や事業の開発について定期的に会合を行い、両社協働によるCAEソフトウェアを組み合わせた試験装置の引合いの獲得など提携効果の実現に向けて協力関係を築いてまいりましたが、今後、デジタルツイン技術を駆使したソリューションを提供する企業としての地位を確立することを目指し、提携関係をさらに強化するために、2024年3月18日に資本提携についての基本合意書を締結し、最終契約締結に向けて協議をすることになりました。
また、当社は、2023年3月30日付で㈱東京証券取引所より、当社株式について特設注意市場銘柄(現在は「特別注意銘柄」に名称変更)の指定を受けたことから、上場維持とステークホルダーの皆様からの信頼回復に向けてガバナンス・内部管理体制の整備・強化を進めるべく、2023年8月28日付で「改善計画・状況報告書」を策定・公表し、グループの役職員一丸となって内部管理体制等の改善に向けて取組みを進めました。その後、当社は、2024年4月1日に内部管理体制確認書を東京証券取引所に提出するとともに、同年4月2日に改善措置の実施状況および運用状況を更新した改善計画の進捗状況を公表いたしました。
当社は、上場会社としてステークホルダーの皆様の信頼の下で事業の発展を目指すために、引き続きコンプライアンス・ガバナンス強化に努めてまいります。
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