東京ラヂエーター製造 【東証スタンダード:7235】「輸送用機器」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ
①ガバナンス
当社グループは気候変動に係る対応を経営上の重要課題と認識し、2023年度より当社全役員とグループ企業の社長で構成されるサステナビリティ推進委員会を発足させ、この委員会を中心とするガバナンス体制を構築しております。
②戦略
当社グループでは、サステナビリティを巡る取組について基本方針を策定しており、気候変動に係る取組についても、中期経営計画「TRS Vision-2025」において公表しております。
③リスク管理
気候変動に係るリスクの管理は、経営企画室担当役員を委員長とするサステナビリティ推進委員会にて識別・評価し、定期的な経営レビューを実施してまいります。
④指標および目標
脱炭素社会実現への貢献としては、中期経営計画「TRS Vision-2025」の最終年度にあたる2026年3月期までに、生産に関わるCO₂排出を2019年3月期比で20%削減する事を目指しております。
(2)気候変動
当社は、気候変動対策を重要な経営課題の1つに位置付け、持続可能な社会の実現を目指しています。
2021年には中期経営計画「TRS Vision-2025」のESG目標の1つとして具体的CO₂削減目標を定め取締役会で承認し公表しました。
①ガバナンス
環境管理統括役員を委員長とする環境管理委員会で気候変動対策に関する基本方針や重要事項を検討・審議しています。
当委員会で決定した基本方針に基づき、気候変動に伴う「リスクと機会」を特定し具体的な取組を進め、CO₂削減をはじめとした各指標の進捗をモニタリングしています。
②戦略
当社の事業における気候変動に関する課題は、製品の生産過程を主とした事業活動において発生する温室効果ガスであるCO₂の排出量の削減です。
このCO₂排出量の約80%は電気の使用に由来しており、この現状を踏まえた取組として以下の三つに重点を置くことが重要であると考えます。
a.エネルギー効率を高めた生産工法の確立
b.省エネ設備や自社創電設備の導入
c.再生可能エネルギーへの置換
③リスク管理
当社は気候変動を含めた環境課題に関するリスク及び機会をISO14001環境管理プロセスの中で識別し、目標及び達成するための管理計画策定、運用、評価、環境管理統括役員によるレビューを行っています。気候変動を含めた環境課題に関するリスクとして、脱炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)と、異常気象や気候パターンの変化等に伴う物理的な被害が生じるリスク(物理的リスク)に分類しています。
これらのリスクは代表取締役社長が委員長を務めるグローバルリスク管理委員会での審議を経てリスクマップに反映され、影響が特に大きく全社に及ぶリスクを「重大リスク」として重点管理しています。
リスク・機会の種類 | リスク | 機会 | 対応策 | ||
移 行 リ ス ク | 政策 | GHG排出規制強化 炭素税等の導入 | Co2削減対策による生産コスト増 材料、部品、エネルギー価格の高騰 | - | 高効率設備、省エネ設備の導入 最適調達、自社創電設備の導入 |
市場 | 内燃料機関車(ガソリン・軽油)市場の縮小 NEV市場の拡大 | 内燃機関(ガソリン、軽油)用製品の需要減 | NEV用製品の需要増 | NEV用製品の開発 | |
技術 | 車両(自動車、トラック、建機)のゼロエミッション化 省エネ生産技術の普及 | NEV用製品開発の遅れ 設備の省エネ対応、新工法の開発遅れ | NEV用製品の新規開発、受注拡大 低炭素対応の製造ラインの構築 エネルギー効率を高めた工法の採用 | NEV用製品の開発 高効率設備、省エネ設備の導入 省エネ工法の開発 | |
評判 | 顧客によるサプライヤー評価の変化 投資家による評価の変化 | CN化対応遅れによる顧客・投資家からの評判低下による企業価値低下 | 早期CN対応による企業イメージ向上 | 省エネルギー推進 再生可能エネルギーの積極的な導入 | |
物 理 的 リ ス ク | 急性 | 異常気象の発生頻度増加 | 超大型台風、局地的豪雨による被害増 原料、部品、エネルギーの調達停止 | BCM・BCP対応の強化による顧客の信頼拡大 | 被害想定毎の対策策定と訓練の実施 |
慢性 | 地球温暖化の進行 | 顧客の製品要求性能アップへの対応遅れ | 製品耐久性、性能の向上(付加価値増)によるビジネス拡大 | 高性能・高耐久製品の開発 |
※ GHG(Greenhouse Gas):温室効果ガス
NEV(New Energy Vehicle):新エネルギー車
CN(Carbon Neutral):カーボンニュートラル(炭素中立)
BCM(Business Continuity Management):事業継続マネジメント
BCP(Business Continuity Plan):事業継続計画
④指標と目標
a.指標
生産に関わるCO₂削減
b.目標
・2025年目標 2019年3月期比20%削減
・2030年目標 2019年3月期比35%削減
・2050年目標 CO₂排出ゼロ(カーボンニュートラル)
(3)人的資本と多様性
当社グループを取り巻く環境は、大きな構造変化と社会課題に直面しています。特に自動車業界においては、CASEやカーボンニュートラルなど社会課題の解決につながる新たな価値を創造していく必要があります。
そのため当社グループは今後も成長を継続していくために、お客様である自動車メーカーに対して積極的に提案していきたいと考えています。
当社はこれまで、自動車メーカーのニーズに応えるべく、技術開発や品質・コスト・納期の継続的な改善に取組み、成長を続けて来ました。これからは従来の取組に加え、新たな価値やサービスの提供に取組むことで自動車メーカーだけでなく全てのステークホルダーの期待に応えてまいります。
①戦略
このような大きな環境変化の中で、当社グループのさらなる成長を支える人材の育成は最重要のテーマです。経営理念とコーポレートビジョンを実現させるための行動指針として『TRSWAY』を掲げ、今後も浸透と徹底を図ってまいります。従業員一人ひとりの意識転換と能力開発を図るとともに、組織全体として風通しの良い、多様な人材が活躍できる明るく前向きな職場風土を築く活動に取組んでいます。
a.人財育成の促進
製造現場の技能力向上、TRSWAYの浸透、360度サーベイ、キャリアプラン(自己申告制度)の充実
b.多様な人材の活躍
女性管理職の登用、キャリア採用、再雇用制度の充実、障がい者雇用
c.働きやすい職場風土
『働き方改革』
メンター制度の充実、テレワーク制度の活用、育児介護の両立支援、有給休暇取得促進、長時間労働の削減
『エンゲージメント』
サーベイ結果による課題の明確化と対策実施、ハラスメント研修の実施
『健康経営』
ヘルスリテラシーの向上、生活習慣病の予防・運動習慣の醸成、受動喫煙防止、禁煙推進
ストレスチェックの実施と職場改善、メンタルヘルス教育の実施、EAPプログラムによる相談体制の整備
②指標と目標
区分 | 項目 | 2022年度実績 |
多様な人材の活躍 | 管理職に占める女性労働者の割合(注)1. | 2.0% |
障がい者雇用率 | 2.4% | |
働きやすい職場風土 | 有給休暇取得率 | 67.3% |
ハラスメント研修受講率 | 17.6% |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.多様な人材の活躍については、従前より、様々な職歴をもつキャリアの採用、女性管理職の登用、海外子会社に於ける現地人材の幹部登用など、多様性の確保に努めてきたことから、特段数値目標は掲げておりません。
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