東京センチュリー 【東証プライム:8439】「その他金融業」 へ投稿
企業概要
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組の状況は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) ガバナンス及びリスク管理
① ガバナンス
(サステナビリティ共通)
企業価値の最大化には、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが重要な経営課題であるとの認識のもと、経営環境の変化に迅速かつ的確な判断を可能とし、健全で透明性の高い経営体制の実現に取り組んでおります。
とりわけ、サステナビリティ経営戦略は、当社の事業活動における重要な骨格であり、事業を通じて社会課題の解決に貢献し、社会と当社の持続的な成長と企業価値向上を図るサステナビリティ経営を進めるため、SDGsに対応するマテリアリティの取り組みを推進し、進捗状況を確認するPDCAサイクルを構築しております。
具体的には、当社はサステナビリティ経営に関わる審議機関としてサステナビリティ委員会を設置し(2018年4月)、原則年2回開催しております。サステナビリティ委員会で審議された重要事項については、経営会議及び取締役会に報告・審議を行い、取締役会の監督を受ける体制を構築しております。サステナビリティ委員会は取締役経営企画部門長が委員長を務め、サステナビリティを重要な経営課題と認識して取り組みを進めております。
なお、コーポレート・ガバナンス全般については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)1) 企業統治の体制」もご覧ください。
(気候変動)
2022年度において、気候変動に関して特に重要性の高いテーマとして、当社グループの温室効果ガス(GHG)排出量実質ゼロを目指す「2040年度カーボンニュートラル方針」の検討をいたしました。本方針は、サステナビリティ委員会で審議・承認された後、経営会議及び取締役会にて審議・承認され、2022年9月に「2040年度カーボンニュートラル方針」として公表しております。(内容詳細は、「(2) 重要な戦略並びに指標及び目標 ②指標及び目標 (気候変動)」をご参照ください。)
② リスク管理
(サステナビリティ共通)
当社取締役会は、当社の適切なリスク管理を行うため、「リスク管理の基本方針」を定めております。当社に係るリスクを全体として把握・評価し、必要に応じ定性・定量それぞれの面から、適切な対応を行うため、総合リスク管理委員会を設置し、同委員会規程に基づき、総合的なリスク管理を実施しております。
企業のサステナビリティと特に関係の深い非財務リスクは、オペレーショナルリスクとして、総合リスク管理部がリスクの抽出・計量化、対応策の見直し等を行うとともに、総合リスク管理委員会において、総合的な管理を実施しております。当社は、オペレーショナルリスクとして、以下の図に記載のとおり、11項目を特定し、管理しております。なお、2023年4月1日より昨今の国・地域における政治・経済・社会情勢の変化や国際的な制裁・法規制の変更をより適切に把握する観点から、従来、信用リスクとして管理していたカントリーリスクを大分類のリスク項目といたしました。
リスク管理体制の整備の状況の全般については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)2) 内部統制システム及びリスク管理体制の整備の状況」もご覧ください。
(気候変動)
当社グループは、経営理念に掲げる「環境に配慮した循環型経済社会の実現」に向けて、気候変動への対応を重要な課題として認識しております。この認識の下に、2021年4月28日に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明しております。また、TCFDコンソーシアムにも加盟し、気候変動への対応を進めております。
気候変動リスクの管理については、非財務のリスクカテゴリー「オペレーショナルリスク」の一つに位置付け、年2回、「非財務情報のリスク指標」として総合リスク管理委員会を通じて取締役会にモニタリング結果を報告する体制を構築しております。
当社では、中・長期的な気候変動リスクとして、台風・豪雨等の異常気象による緊急性の物理的リスク及び炭素税の導入・法規制の強化といった移行リスクが存在し、社会的に多大な影響を与える気候変動が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があると認識しております。
具体的には、TCFD提言に準拠したシナリオ分析の実施と情報開示を開始するなど、気候変動への対応を進めている中で、当社グループとして主に以下の気候変動リスクを特定しております。
● 「環境・エネルギー事業(太陽光発電事業)」に関しては、台風・豪雨等の異常気象による緊急性の物理的リスク及び炭素税の導入・法規制の強化といった移行リスク。
● 「航空機事業(航空機リース事業)」に関しては、異常気象の激甚化の影響により被る物理的リスク及び各国の炭素排出目標や航空業界独自の規制といった移行リスク。
● 「オートモビリティ事業(法人・個人向けオートリース事業)」に関しては、異常気象の激甚化の影響による物理的リスク(洪水・大雨の影響による車両生産の遅延等)及びガソリン車・ディーゼル車からEVへシフトすることに伴う移行リスク(給油から充電への変化等)。
なお、シナリオ分析の詳細は、以下のURLから「気候変動への対応とTCFDへの賛同」(シナリオ分析の対象事業別実施内容)をご覧ください。
https://www.tokyocentury.co.jp/jp/csr/environment/tcfd.html#anc_03
(2) 重要な戦略並びに指標及び目標
① 戦略
(サステナビリティ共通)
当社のサステナビリティの根源は、金融・サービス企業としてステークホルダーの皆さまとともに持続的な成長と企業価値の向上を図り、循環型経済社会の実現に貢献することにあります。SDGsの目標を読み解き、10年後・20年後の未来を想定し、必要とされる金融・サービスの創出を志向するバックキャスティングのもと、サステナビリティ経営を推進しております。
当社は、事業を通じて社会課題の解決に貢献し、社会と当社の持続的な成長と企業価値向上を図るサステナビリティ経営を進めるため、SDGsに対応する5つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、取り組みを進めております。
なお、当該マテリアリティを特定するに当たっては、SDGsを踏まえた、ステークホルダーからの優先度と当社にとっての優先度を勘案のうえ、「マテリアリティマップ」を策定し、サステナビリティ委員会、経営会議及び取締役会での議論を経て決定しております。
(当社マテリアリティに係る2022年度の事業上の代表的な取組事例)
当社のマテリアリティに関係する2022年度の代表的な事業の事例として、以下の取り組みが挙げられます。
脱炭素社会への貢献:
● タイ、フィリピン及びインドネシアでの二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)資金支援事業のうち設備補助事業の採択
● 国内精密機器メーカーの工場における寄付型のコーポレートPPA(自家発電サポートサービス)の提供開始
● カーボンクレジット付きリースの提供開始
技術革新に対応した新事業創出:
● 食品流通のDXを推進するスタートアップ企業への出資
社会インフラ整備への貢献:
● 交通事故につながる可能性の高い場面を自動検知する次世代AIドライブレコーダーサービスを提供するIT企業との業務提携による交通事故削減の支援
持続可能な資源利用への対応:
● 当社連結子会社CSI Leasing Inc.のドイツ、デンマーク及びスウェーデンにおける現地企業の買収によるIT機器のライフサイクルマネジメントサービスの更なる推進
● 電力会社との電動車の使用済み電池利活用に係る業務提携契約の締結
人材力強化につながる職場環境整備:
● 従業員同士のコミュニケーション活性化を目的とする交流会「TC-Mee+(ミータス)」をスタート
(気候変動)
5つのマテリアリティ(重要課題)のうち、特に気候変動に関係する項目として「脱炭素社会への貢献」を掲げております。当社グループでは、気候変動・環境への取り組みを通じたクリーンエネルギーの普及への貢献を重点取り組みとして、太陽光発電事業をはじめとする再生可能エネルギー事業を通じて気候変動緩和への取り組みを進め、脱炭素社会の実現に向けて貢献しております。
例えば、営農併設型太陽光発電事業や水上型太陽光発電事業への参入、コーポレートPPAによる電力サービスの拡充など、これまでに蓄積してきた再生可能エネルギーの知見を活かして新たな領域に取り組みを広げています。更に海外でも、環境省及びその執行団体である公益財団法人地球環境センター(GEC)による「二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)」への取り組みを通じて、日本の環境技術を活用したアジア地域における脱炭素社会に向けた貢献を進めております。
また、オフィスでは、当社グループでのカーボンニュートラルに向けた取り組みの一環として、2023年1月から、当社及びグループ会社が入居する秋葉原所在のビル3棟における使用電気の100%を再生可能エネルギー由来に変更いたしました。
当社グループは、今後とも国内・外において環境に優しいクリーンエネルギーの普及による脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。
② 指標及び目標
(サステナビリティ共通)
当社では、サステナビリティ経営の戦略に紐づく、5つのマテリアリティ(重要課題)に係る非財務のKPIを設定し取り組みを進めております。
本欄(「サステナビリティに関する考え方及び取組」)には、5つのマテリアリティ(重要課題)に係る非財務のKPI等のうち、特に代表的な取り組みのKPI等を記載しております。
マテリアリティ | KPI | 対象 | 目標年度 | 目標 | 2021年度実績 |
脱炭素社会 への貢献 | 連結子会社4社(※1)の太陽光発電事業推進を通じたCO2削減への貢献 | 年間発電量 | 2022年度 | 478,900MWh以上 | 482,795MWh |
CO2削減量(通常火力発電対比) | 2022年度 | 191,321t-CO2以上 | 192,877t-CO2 | ||
JCM(二国間クレジット制度)の想定GHG削減量(累計) | GHG(温室効果ガス)の想定削減量(累計) | 2025年度 | 56,000t-CO2 | 35,457t-CO2 | |
技術革新に 対応した 新事業創出 | 経済産業省が認定する「DX認定制度(※2)」の認定維持 | - | - | - | 2021年3月にDX認定事業者として認定を取得 |
社会インフラ 整備への貢献 | テレマティクスサービス導入台数 | NCS・NRS・OAL(※3) | - | - | 74,180台 |
持続可能な資源 利用への対応 | リファービッシュ事業の推進 | 中古PC年間販売台数 | 2024年度 | 210,000台以上 | 247,456台 |
人材力強化に つながる 職場環境整備 | 男性の育児休業取得率 | TC単体 | 2022年度 | 100% | 100% |
管理職に占める女性比率 | TC単体 | 2022年度 | 30% | 9.7% |
※1 連結子会社4社:太陽光発電事業会社「京セラTCLソーラー合同会社」他3社が対象
※2 DX認定制度:2020年5月に施行された「情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律」に基づく認定制度
※3 NCS:日本カーソリューションズ株式会社、NRS:ニッポンレンタカーサービス株式会社、OAL:株式会社オリコオートリース
詳細は以下のURLからサステナビリティデータブック2021(p12‐17)をご覧ください。
https://www.tokyocentury.co.jp/download/pdf/jp/csr/databook2021_all.pdf#page=13
(気候変動)
2020年10月、わが国政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、いわゆる「カーボンニュートラル宣言」を表明しましたが、当社は、政府の目標達成年よりも早いカーボンニュートラルを目指す意欲的な目標として、2022年9月に「2040年度カーボンニュートラル方針」を策定・公表いたしました。当社のカーボンニュートラル方針は、周南パワー株式会社(連結子会社)のトランジション・ロードマップを含む、当社グループのスコープ1及びスコープ2の温室効果ガス(GHG)排出量実質ゼロを目指すものとなっております。
また、当社グループの2021年度の温室効果ガス(GHG)排出量の実績は以下のとおりです。当社においては、カーボンニュートラルを目指す社会的な潮流や企業に対する気候関連情報の開示要請が高まっている状況を踏まえ、スコープ1及び2の排出量のみならず、スコープ3の排出量の把握範囲の拡大に努めるとともに、温室効果ガス(GHG)排出量の削減のための方策も引き続き検討してまいります。
| 単位:t-CO2 |
スコープ区分 | 2021年度 |
スコープ1(直接排出) | 10,963 |
スコープ2(エネルギー起源の間接排出) | 9,177 |
スコープ3(サプライチェーンなどスコープ1、2以外の排出) | 6,195,446 |
合計 | 6,215,586 |
※1 スコープ1及びスコープ2は、東京センチュリーグループ(合計60社)で算定。スコープ3は、原則として東京センチュリー単体で算定。
※2 詳細なスコープ1、2及び3の対象範囲は以下のURLからサステナビリティデータブック2021(p03‐04)をご覧ください。
https://www.tokyocentury.co.jp/download/pdf/jp/csr/databook2021_all.pdf#page=4
※3 スコープ3のカテゴリー別内訳は以下のURLからサステナビリティデータブック2021(p23)をご覧ください。
https://www.tokyocentury.co.jp/download/pdf/jp/csr/databook2021_all.pdf#page=24
当社の「2040年度カーボンニュートラル方針」の詳細は以下のURLからプレスリリースをご覧ください。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/8439/tdnet/2178430/00.pdf
(3)人的資本(人材の多様性を含む)に関する戦略並びに指標及び目標
1)戦略
「中期経営計画2027」のKey ConceptであるTC Transformationの要素として、人材・組織Transformation(HRX)を推進し、経営戦略・事業戦略を支える人材/組織戦略を着実に遂行してまいります。
人材/組織戦略に基づく、人材育成の方向性、社内環境整備の方向性は以下のとおりであります。
〈人材育成の方向性〉
従業員一人ひとりが個々の人間力を磨きながら成長し、自らを変革し、変化を創造することのできる人材を育成します。
① 自己変革力 自らのなりたい姿を実現するために進化を続け「変革する」力を高められること
② 創造力 過去の自分を超えて新しい価値を生み出す「創造力」が豊かであること
③ 挑戦心 様々なことに関心・意欲がある「挑戦心」を持ち続けられること
〈社内環境整備の方向性〉
当社が持つ高い組織実行力を維持しつつ、個々人が自由な発想力で働くことのできる環境を整備します。
① 多様な人材が健やかでやりがいを持ち前向きに働ける組織づくりの整備
② 社会情勢やライフステージ、事業環境の変化に応じた学び・学び直しの場の整備
③ 従業員同士のコミュニケーションが円滑に行える職場環境の整備
2)指標及び目標
当社では、経営戦略・事業戦略を支える人材/組織戦略の遂行のため、以下の人材育成・社内環境整備に係るKPI、指標・目標を設定し取組みを進めております。
① 「中期経営計画2027」における経営目標及び主要KPI
| 目標・KPI | 直近実績 | |
1 | エンゲージメント指数(経営目標) | 従業員エンゲージメント調査における肯定的回答率の維持・向上 | 63% |
2 | 人材確保・育成に向けた投資(単体)(KPI) | 「研修費用」+「研修時間× 人件費」+「人材採用費用」 2027年度:8億円以上 | 4億円 |
3 | 新卒採用に占める女性比率(単体)(KPI) | 新卒に占める女性比率維持 | 42.1% |
4 | キャリア採用比率(単体)(KPI)(※) | 従業員に占める キャリア採用比率の維持・向上 | 33.5% |
(※)2023年4月1日付の数値を記載
② 関連する指標・目標
| 目標 | 直近実績 | |
1 | 管理職に占める女性比率(単体) | 2030年までに30%以上 | 11.8% |
2 | 障がい者雇用率(単体) | 法定雇用率(2.7%)以上の 雇用を維持 | 2.8% |
3 | 有給休暇取得率(単体) | 70%以上を維持 | 78.8% |
4 | 男性の育児休業取得率(単体) | 100%を維持 | 100.0% |
5 | 介護離職者(単体) | ゼロを維持 | 0名 |
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