東京エネシス 【東証プライム:1945】「建設業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)新 2030年度ありたい姿
当社グループは、「暮らしのより確かな基盤をつくる」という理念のもと、新たに2030年度のありたい姿を設定し、エネルギービジネスにおけるバリューチェーン全体を手掛ける総合エンジニアリング力を発揮し、安全を最優先に最適な品質を提供することで社会インフラ構築事業を強固なものにしていくとともに、カーボンニュートラルに向けた事業などを通じて、サステナブルな社会の実現へ貢献してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、経営環境の変化に適応し、持続的な成長を実現していくために「2024年度中期経営計画(2024~2026年度)」を策定し、最終年度(2026年度)到達目標達成に向けて、『人』を最上位に位置づけ、3つの重点課題に取り組んでまいります。
[基本方針]
『人』を真ん中にした 強くて しなやかな Q'dづくり
[重点課題]
① 人材への投資による 人的資本の強化
② お客さまに選ばれるための 「Q'd」の磨きこみ
③ 当社に関わるすべての 人・組織とのつながり強化
Q'd(キュード):クオリティオリエンテッド
常に本質を問う企業でありたいとの願いを込めたシンボルワード
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、期待成長率の高まりを背景に設備投資の増加基調は続くものの、不安定な国際情勢や為替変動の影響、金利の上昇傾向等から、エネルギーインフラ事業に携わる当社グループにとっては厳しい経営環境が継続するものと予想されます。
一方で、脱炭素社会の実現と経済成長の両立に向け、「GX推進法」「GX脱炭素電源法」が成立し、省エネの推進、再エネの主力電源化、原子力の活用等の具体的な道筋が示されたことは、当社グループにとってビジネス領域を拡大する好機であると考えております。また、電力需給ひっ迫対応と脱炭素電源の拡大を目的とした長期脱炭素電源オークションの具体的な応札手続きが進み、アンモニア・水素の導入を可能とする既設火力発電所の改造工事やLNG火力・バイオマス・太陽光・洋上風力発電所の新設工事等、脱炭素電源への設備投資が見込まれております。
このような情勢を踏まえ、当社グループは、新たに2030年度のありたい姿として「一人ひとりの技術力でカーボンニュートラルをリードするクオリティファースト企業」を掲げるとともに、2024年度中期経営計画(2024~2026年度)を策定しました。このありたい姿を実現するための最も重要な要素である人的資本の強化を主眼に「『人』を真ん中にした強くてしなやかなQ'dづくり」を基本方針として、最終年度(2026年度)到達目標達成に向けて、重点課題の「人材への投資による人的資本の強化」、「お客さまに選ばれるための「Q'd」の磨きこみ」、「当社に関わるすべての人・組織とのつながり強化」に取り組んでまいります。
火力発電分野につきましては脱炭素の流れから縮小傾向にありましたが、先述の通り長期脱炭素電源オークションの導入により既設火力発電所の改造工事やLNG火力発電所の新設工事が計画されており、当社としてもこれまでに蓄積した技術力を発揮し、カーボンニュートラルに貢献してまいります。
原子力発電分野につきましては、今後の再稼働状況に合わせて随時、再稼働準備や再稼働後の保守工事の場を拡げてまいります。また、第6次エネルギー基本計画で明記された核燃料サイクルの推進に向けて原子力燃料関連施設の稼働準備が進むことから、地域共生の観点も視野に青森支社の機能強化を図り、事業の拡大を進めてまいります。
すでに公表しております柏崎刈羽原子力発電所6、7号機固定式消火設備配管溶接部の溶接不良への対応は、再施工を概ね完了しており、今後同種工事における再発防止対策を含めた不適合発生の予防に全力で取り組んでまいります。
また、福島第一原子力発電所の廃炉・安定化作業に関しましても、引き続き水処理関連設備の工事を中心に取り組むとともに、2023年度に設置したロボット開発推進グループを中心に1号機PCV内部調査用ロボット開発の成果をもとに、原子炉建屋内部調査等、今後も困難な作業に取り組んでまいります。
グリーンエネルギー分野につきましては、国内各所のバイオマス発電所のO&M(運転・保守)業務やLTSA(長期保守契約)業務の受託の他、新たなバイオマス燃料の調達・開発を進め、カーボンニュートラル社会の実現に貢献するとともに、発電所の安全・安定運転を通して地域に貢献してまいります。
さらに、水力発電事業につきましては、施工中の鳥取県営水力発電所再整備事業をはじめとするリニューアル工事が全国各所で続くことが見込まれており、当社創立以来積み重ねてきた技術力を活かして取り組んでまいります。
また、各地域における地産エネルギー活用の推進に向けて、バイオガス発電、系統用蓄電池、PPA(電力販売契約)、バイオマス発電へのCCUS適用(二酸化炭素回収・有効利用・貯留)等に関わる新しいビジネスの創出にも引き続き取り組んでまいります。
合同会社境港エネルギーパワーのバイオマス発電所につきましては、大きなトラブルもなく順調に運転を継続しております。引き続き、地元の皆さまのご理解とご支援をいただきながら、性能維持に向けた発電所運営を行うとともに、エネルギー環境教育の支援活動や燃焼灰の利活用等を通して、地域社会の発展に貢献してまいります。
海外事業分野につきましては、タイ王国内にあるTokyo Enesys(Thailand) Co.,Ltd.の工場において、日本国内メーカーや東南アジアをはじめとする近隣諸国のお客さまからの様々なニーズに応じた製品を供給できる体制構築により、受注を拡大しております。今後、発電設備から一般産業分野への拡大やEPC(設計・調達・建設)への展開も視野に入れた営業活動を進めてまいります。また、エネルギー関連事業投資が旺盛なベトナム社会主義共和国にTokyo Enesys Vietnam Co.,Ltd.を2024年5月に設立しました。当社グループの技術力を活かし、両国を中心にエネルギー関連事業の海外展開を行ってまいります。
以上のような事業領域拡大を実現するため、2024年6月にエネルギー・産業本部、電力本部の再編や地域に根差した営業拠点の新設などを行い、お客さまの期待を超える価値を届け、全国のお客さまに選ばれ続ける企業を目指して活動を展開してまいります。
今後とも「暮らしのより確かな基盤をつくる」という理念のもと、エネルギービジネスにおけるバリューチェーン全体を手掛ける総合エンジニアリング力を発揮し、安全を最優先に最適な品質を提供することで社会インフラ構築事業を強固なものにしていくとともに、カーボンニュートラルに向けた事業などを通じて、サステナブルな社会の実現へ貢献してまいります。
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