早稲田学習研究会 【東証スタンダード:5869】「サービス業」 へ投稿
企業概要
本書に記載した当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスク事項には以下のようなものがあります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上で重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。なお文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、当社に関する全てのリスクを網羅したものではありません。
(1) 少子化など業界の動向(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は、日本国内において教育サービスの提供を行っており、その売上収益は日本国内における景気・物価の変動・業界の動向等に影響を受けます。特に少子化問題及び教育制度の大きな改革については、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
一方、保護者の学習塾に対する選別の意識は高まっております。当社は、質の高い授業と徹底した面倒見の良さにより、保護者や生徒の求めるニーズに対応しております。
(2) 人材の確保について(発生可能性:中~高、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は、質の高い教育サービスを提供するため、人材の採用・育成を重要な課題と認識しております。そのため、授業を行う正社員である教師及びアルバイトについても、当社の求める水準の人材の確保や育成が計画通りに行えない場合には、サービスの質の低下を招き、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
上記リスクに対しては、新卒採用活動を強化し長期的な人材育成を進めると同時に、中途採用等も積極的に実施しています。又、教育研修制度の拡充や働き甲斐のある人事評価制度の構築など、安定的な人材の確保に取り組んでおります。
(3) 個人情報について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社は、生徒・保護者等の個人情報を保有しております。何らかの事情により個人情報が外部に漏洩した場合は、当社が損害賠償責任等を負う可能性や当社の社会的信用の失墜により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
上記リスクに対しては、個人情報保護規程等を制定し、個人情報の取扱いに関する業務フローを定めて適切な運用に努めております。個人情報の不正利用防止の観点では、権限管理により業務上不必要な社員の基幹システムにおける個人情報へのアクセスを制限するとともに、システム内のログ記録やカメラ映像により監視する体制を設けております。また、従業員に対して個人情報保護に係る継続的な研修を行うことで、個人情報の不正利用・漏洩防止を含むコンプライアンス意識の啓発を図り、個人情報保護に取り組んでおります。
(4) 減損会計への対応(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は、教室設備や土地・建物等の有形固定資産を保有しております。これらの資産については減損会計を適用し、毎年、減損の兆候について精査し、減損処理が必要と判断される場合は適切に処理することとしております。そのため、事業の収益性が大きく低下した場合や不動産の市場価格が著しく下落した場合等には、減損損失が発生する可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は拠点別の損益管理を厳格に行うことで収益性確保に努めております。
(5) 敷金及び保証金の保全、回収について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は、展開する校舎の一部については、賃貸物件を利用しております。しかしながら、賃貸人の全ての状況を適時に把握することは困難であるため、賃貸人の状況によっては、敷金及び保証金の保全又は回収ができない可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
対策として、新規で賃貸借契約を締結する際には、可能な限り賃貸人の経営状況等の確認を行うとともに、契約条件に関しても近隣相場や採算性を十分考慮して決定しております。
(6) 大規模災害等の発生について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
大規模な災害の発生により、当社の保有する校舎や施設等への物理的な損害、役職員への人的被害又は顧客への被害があった場合や、災害に起因する社会的要請等があった場合には、事業所等の一時閉鎖又は営業継続が難しい状況に陥る可能性があります。
当社としましては、社内防災体制を構築し人的被害の最小化を図り、事業の継続に向け迅速かつ円滑に対処ができる体制を強化してまいります。しかしながら、これらの想定を超える災害発生により、校舎の損傷等による営業日数もしくは営業時間の減少が発生した場合、当社の業績や事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 四半期ごとの収益変動について(発生可能性:高、発生時期:毎年発生、影響度:小)
学習塾業界におきましては、通常の授業に加え春期・夏期・冬期の講習会を実施しております。そのため講習会を実施する月の売上高は増大します。また講習会を実施する時期に重点的に生徒募集を継続していくため、新年度からスタートしてから受験期を迎えるまで生徒数は増大し、1月にピークを迎えます。一方、教室運営費用(人件費・家賃等)は通期で継続して発生します。このため、第1四半期の収益性が低くなる傾向にあります。
(8) 競合について(発生可能性:中~高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社が属する教育業界は、当社と同様に教育事業を展開する大小の集団塾や個別指導塾が競合しております。当社の現在の出店地及び今後の出店候補地には、当社と顧客対象を同じくする他社の店舗が多数存在する地域もあります。
当社は、生徒第一主義を基本方針として、生徒一人ひとりの目標を捉えたきめ細かい指導を行っております。特に、ゼミについては教師が正社員中心であるため、駅前に拘らず生徒が多い住宅地に出店することができることによって、競合先との差別化を図っておりますが、更なる競争激化によって当社の市場占有率が停滞した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 校舎新設の物件確保について(発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社では校舎新設にあたり綿密なマーケットリサーチを行い、校舎の新規開設を進めておりますが、地価の高騰等により好立地に物件を確保できない場合や、ターゲットとしている地域における環境の著しい変化等により、開設事業計画に大幅な乖離が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社はターゲットとしている地域の経済状況や人口動態等の市場分析を適時行い、変化に対して迅速かつ柔軟に対応できる体制を整えるとともに、様々なルートから当社のニーズにあった物件情報を入手するなど、校舎の新規開設計画の着実な遂行を行う体制を整えております。
(10) 顧客の安全管理に関する影響について(発生可能性:低~中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
学習塾の安全管理について、例えば校舎内での怪我や不審者の侵入など、何らかの事情により管理責任を問われる事態が発生し当社の評価の低下につながり、これに関する費用が増大した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は定期的な施設の点検を実施し設備の更新を行うなど、安全な学習環境、サービス環境の提供に努めております。また、塾生専用カードにて施設への入退室を管理し生徒の入退室の時刻を保護者に通知するサービスを行うなど、生徒の家庭との連携体制を敷き、生徒の安全管理に努めております。さらに、生徒の登下校時には、当社社員が送迎する保護者の車の誘導を行い、通塾する生徒の出迎え・見送りを実施するなど、生徒の安全管理に努めております。
(11) 教育制度の変更に関する影響について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
入試制度の変更や学習指導要領の改訂等、行政による教育制度の変更が度々行われております。万一、これらの制度変更に早期に対応できなかった場合、予期せぬ大きな制度変更が生じ対応に時間を要した場合、生徒数の減少を招き、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は常に教育制度の変更等を注視し、より顧客ニーズに合致した新しい教育サービスの開発・提供に努めるなど、制度変更の影響に柔軟に対応する組織を構築しております。
(12) システム障害に関する影響について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、在籍確認、授業料請求及び授業の映像配信等をシステムに依存しているものがあります。大規模なシステム障害が発生し、修復にとりわけ長い時間を要した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、このようなシステム障害等に備え、定期的バックアップ、稼働状況の常時監視、不正アクセス防止のためのセキュリティ強化等のリスク対応策を講じております。
(13) 訴訟及び法的規制等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社の事業に関連する主な法令は、著作権法、不当景品類及び不当表示防止法、下請法、労働基準法等があります。関連する法令等に基づいて損害賠償請求等に係る訴訟が提起された場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、著作権法に関しては、例えば教材・プリント類を作成する場合の許諾を本社で一括取得するとともに、マニュアルを整備し作成基準の周知徹底を行っております。不当景品類及び不当表示防止法に関しては、本社で全ての広報物の事前チェックを行うことで一元管理を行っております。また、経営者及び従業員に法令等の遵守の重要性及び必要性について周知徹底に努め、法令遵守のための体制強化に努めております。
(14) 特定地域への依存について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は、群馬県・栃木県・埼玉県・東京都の関東4都県に事業展開しております。第32期事業年度における全社売上高に占める各県別の売上割合は、群馬県38%・栃木県23%・埼玉県33%となっており、これら3県での売上依存度が高くなっております。これらの地域で経済情勢が悪化した場合、地震・台風その他の災害が発生した場合や、他社参入により当該地域における当社の優位性が低下した場合には、新規入塾生の減少や通塾生の減少等により、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクへの対応策として、中長期ではエリア拡大を図ることで、当該地域への集中リスクを最小化することを検討してまいります。
(15) 大株主について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社の代表取締役会長である吉原俊夫並びに同氏の資産管理会社である株式会社YMMは、当事業年度末現在で発行済株式総数の61%以上を保有しております。同氏は当社の創業者かつ代表取締役会長であり、今後も大株主として引き続き一定の議決権を保有する見込みであるため、株主総会や取締役会等を通じ、役員の選解任を含む当社の意思決定に重要な影響を及ぼしうる立場にあります。
ただし同氏は、その議決権行使に当たっては少数株主の利益にも配慮しつつ株主共通の利益を追求する方針です。当社としても安定株主であると認識している一方、将来的に何らかの事情により同氏保有の当社株式が売却された場合には、当社株式の市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 関連当事者取引について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
企業としての独立性の観点を踏まえ、関連当事者との取引は、本来不要な取引を強要されたり取引条件が歪められたりする懸念があり、株主の本来利益の流出などの観点から当社としては注意する必要が高い取引であることから、当該取引の事業上の必要性と取引条件の妥当性等、取引内容については取締役会で審議し承認を得ることとし、取引の健全性及び適正性を確保する体制を築いております。しかしながら、万が一、取引内容を審議する機会が得られず、取引すべきでない取引を行った場合又は不当な条件の下で取引が行われた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社の不動産賃借取引において、代表取締役会長の吉原俊夫より債務保証を受けていた取引がありましたが、当社は当該債務保証に係る保証料を支払っておらず、また当該債務保証契約は上場日をもって解除されました。当社は、今後原則として新たな関連当事者取引を開始しない方針であります。
(17) 特定人物への依存について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社の創業者であり、大株主でもあります代表取締役会長の吉原俊夫は、企業文化の創造、経営方針、戦略の決定等に重要な役割を果たしてまいりました。何らかの理由により同氏に不測の事態が生じた場合には、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。
なお、当社は経営に関する重要事項の意思決定・判断は取締役会が行っているため、当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えており、顕在化した場合の影響度も低減されていると考えております。
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