日鉄ソリューションズ 【東証プライム:2327】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
以下、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は以下の企業理念を制定し、日本の情報サービス産業において主導的立場を確立し、持続的な事業の成長と高い収益力の実現を通じて、豊かな社会づくりに貢献していくことを目指しております。
創造 信頼 成長 日鉄ソリューションズは、情報技術のプロフェッショナルとして、真の価値の創造により、お客様との 信頼関係を築き、ともに成長を続け、社会の発展に貢献していきます。 |
その実現に向けて、次の4点を基本方針として事業を推進しております。
①情報技術(IT)を活用した新しく大きく伸びるマーケット(市場)をターゲットとして、先見的なソリューションを企画し、経営資源を優先的に投入することで事業の成長を実現いたします。
②ターゲット市場に対して、製販一体の組織であるビジネスユニットを構え、ビジネスユニットごとの最適なビジネスモデルを構築するとともに、お客様に対して、お客様の事業展開・変革に合わせた最適なサービスを全社横断的に提供する体制を整えることで、事業の差別性と収益性とを実現いたします。
③お客様からの信頼と先進的な技術力こそが競争力の源泉と認識し、その強化・獲得を進めてまいります。
④「ビジネスソリューション」及び「コンサルティング&デジタルサービス」を事業の柱として構成し、コンサルティングからソリューションの設計、開発、運用・保守までの一貫したサービスを提供いたします。
・「ビジネスソリューション」:特定業種・業務に関する情報システムのソリューションの提供
・「コンサルティング&デジタルサービス」:DXコンサルティングに基づく高付加価値のデジタルサービスの提供
(2) 対処すべき課題
①2021-2025年度中期事業方針の実現に向けた事業運営
当社は、持続的な事業成長に向け、2021年4月に公表した2021-2025年度中期事業方針の実現に向けた事業推進・実行が課題であると捉えております。2021-2023年度までの3年間の累計で次のとおりであり、いずれも順調に推移しております。
(中期事業方針の進捗状況)
| ~2023年度累計実績 (2021-2023年度) | 中期事業期間目標 (2021-2025年度) |
連結売上成長率(CAGR) | 年率7.2% | 5-6% |
注力領域売上成長率(CAGR) | 年率11.2% | 10%以上 |
事業基盤強化投資 | 3ヶ年累計 404億円 | 500~750億円 (3ヶ年換算 300~450億円) |
DX加速投資 | 3ヶ年累計 105億円 | 100~150億円 (3ヶ年換算 60~90億円) |
2024年度の見通しもあわせた進捗は、次のとおりであります。
(売上収益・利益の進捗)
2023年度の売上収益は3,106億円であり、売上成長率は2023年度までの3ヶ年で年率7.2%の成長となり、中期事業期間目標を上回り順調に推移いたしました。2024年度は売上収益3,300億円を見込んでおり、4ヶ年で年率7%と目標を上回る成長となる見込みであります。
また、「付加価値重視のオペレーション」により利益率も着実に改善しており、2024年度までの4ヶ年で、売上総利益:年率10.4%、営業利益:年率9.4%と順調な成長を見込んでおります。
(注力領域の進捗)
2023年度の注力領域の売上収益は1,335億円と、2020年度の970億円から、年率11.2%の伸びとなりました。2024年度の注力領域の売上収益は1,450億円を見込んでおり、年率10.6%の成長となる見込みです。
(成長に向けた投資)
成長に向けた投資につきましては、2023年度は事業基盤強化投資・DX加速投資合計で162億円の投資を実行いたしました。2024年度は190億円の投資を見込んでおり、2021~2024年度の4ヶ年平均で約175億円/年規模の積極的な投資を実行しております。また、M&A等の投融資につきましても積極的に実行しております。
今期の具体的な取り組みは次のとおりであります。
項目 | 主な内容 |
事業基盤強化投資 | ・2023年1月に設置したトランスフォーメーション推進センター(2024年1月にトランスフォーメーション推進本部に改組)を中心に、業務効率化・社員エンゲージメント向上に資する取り組みを加速 ・次世代開発プロセス実現に向けた投資 |
DX加速投資 | ・DX人材の集中的な育成を目的に4~500 名/年規模の戦力転換教育(リスキリング)プログラムを整備・実行 ・新規ソリューション創出等に対する投資を強化 |
M&A等の投融資 | ・製造業、金融機関、流通小売・サービス業等の幅広い領域において、深い業務知見を有するエンジニアを有する、日鉄ソリューションズビズテック㈱をグループ会社化 ・金融分野を主軸に、ITコンサルティングから、IT導入・構築・運用まで一連のシステムのライフサイクル全般にわたり、高度な技術知見を持つ㈱東邦システムサイエンスへ出資 |
なお、当社では、2022年4月に開示した「成長投資の資金確保に向けた政策保有株式の売却予定金額設定に関するお知らせ」のとおり、成長投資の原資とすることを目的に、政策保有株式の売却を進めております。2023年度は71億円の売却を実行いたしましたが、株価上昇の影響等(+275億円)により、2024年3月末時点の残高は599億円(+203億円)となりました。今期も方針通り引き続き売却を進めてまいります。
②「NSSOL2030ビジョン」
当社は、設立25年目を迎える2025年度を第二の創業期と位置づけ、次のステージに向けて、新たな活動をスタートすべく、2030年における当社の目指す姿「NSSOL 2030ビジョン」を策定いたしました。
(ⅰ)中長期外部環境とITメガトレンド
2030年に向けて、当社を取り巻く外部環境がさらに大きく変化していく中、以下3点が当社にとって重要なITメガトレンドであると捉えております。
(ⅱ)当社の目指す姿
外部環境及びITメガトレンドを受けて、ITに求められる役割は、従来の個別企業の課題解決から、社会全体や業種横断の課題解決に拡大していっております。当社も、これまでの顧客企業の「パートナー」という立ち位置から、社会や企業の在り方を描き、実現する「プロデューサー」へと生まれ変わっていくべく、当社の目指す姿を「Social Value Producer with Digital」と定めました。
(ⅲ)ビジョン実現に向けた取り組み
(ア)価値提供対象の拡大
技術獲得・ソリューション開発投資、人的資本投資、M&A等外部成長投資等を通して自らのケイパビリティを強化し、新たな領域に価値提供の対象を拡大します。
(イ)多様な価値提供方法の実現
SI型ビジネスで蓄積した業務知見や技術等の強みをアセット化し、3つのビジネスモデルにより、新たな価値を提供します。
・次世代SIモデルによる、サステナブルなITサービスの提供
・アセット活用モデルによる、ベストプラクティスの提供
・プラットフォーム提供モデルによる、共創・共生基盤の提供
(ウ)知見と技術力の活用と強化
当社の強みである知見と技術力を活用・強化し、新たなビジネスモデルにシフトします。
(ⅳ)目指す構造
業界トップレベルの事業成長により、2030年代のできるだけ早期に、以下の構造の実現を目指します。
| 2025年3月期見通し |
| 目指す構造 |
売上高 | 3,300億円 |
| 5,000億円レベル |
営業利益 | 360億円 | ➡ | 1,000億円レベル |
営業利益率 | 10.9% |
| 20%レベル |
ROE | 10.2% |
| 15%レベル |
(実現に向けた取り組み)
・人的資本の強化、並びにアセット化に向けたソリューション開発等に1,000億円以上投資
・M&Aを通じた1,000億円規模の事業創出
・企業価値向上に向けた資本効率のさらなる向上
(ⅴ)ビジョンと中期事業計画の位置づけ
2030年度までの6年間を、前半3年間、後半3年間の中期計画に分け、前半3年間で成長に向けた土台作りを行い、後半3年間で成長を加速させていきます。今年度中に前半3年間の2027中期を策定いたします。
③サステナビリティ経営の推進
サステナビリティ経営の推進にあたっては、当社が目指す社会的存在意義のパーパスを起点に価値創造プロセスを整理し、5つのマテリアリティを定め、その実現に取り組んでおります。
当社のサステナビリティ経営の推進体制、具体的な取り組みにつきましては、次項「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」をご覧ください。
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