企業兼大株主日野自動車東証プライム:7205】「輸送用機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、基本理念として「人、そして物の移動を支え、豊かで住みよい世界と未来に貢献する」ことを会社の使命として掲げ、「世界のHINO」として広く社会から評価されるよう、事業活動を進めていきたいと考えております。

 会社の使命を果たすため、当社グループの事業活動に対する取り組み方針を下記のとおり定めております。

1.世界の人々から信頼される商用車メーカーを目指し、グローバルな事業展開を行います。

2.技術の継承と革新を続け、お客様のお役に立つ商品やサービスを提供いたします。

3.変化を的確に捉え、社会との調和を図り、持続可能な発展を目指します。

4.社員の多様性を尊重し、活気あふれる企業風土をつくります。

(2)会社の環境及び対処すべき課題

<エンジン認証に関する当社の不正行為について>

 当社のエンジン認証不正問題により、株主の皆様やお客様をはじめ、数多くの皆様に多大なご迷惑をおかけしておりますことを改めて深くお詫びいたします。

 当社は2022年3月公表のエンジン認証不正問題について、外部有識者による特別調査委員会および国土交通省からの指摘ならびに提言を真摯に受け止め、二度と不正を起こさないための「3つの改革」を策定し、これを含む抜本的な再発防止策として「型式指定に係る違反に対する再発防止報告書」を10月に国土交通省へ提出いたしました。

 企業理念「HINOウェイ」に則り、会社の使命を実現して再び社会への責任を果たしていくため、経営層の強い覚悟と率先垂範により経営・組織風土・クルマづくりにおける改革を進めております。本年2月には「3つの改革」の強力な推進のために経営・組織体制を抜本的に見直しました。これらの改革により認証問題の対応は確実に進んでいます。また、組織風土改革による変化の兆しも顕在化しつつあり、今後は、これを更に継続・加速させ全社一丸となって取り組んでまいります。型式指定の取り消し処分を受けていた「A09Cエンジン」搭載の大型トラック「日野プロフィア」および大型観光バス「日野セレガ」については、国土交通省より型式指定を取得し、出荷・生産を再開いたしました。その結果、当社の日本向け生産は、3月末時点で通常稼働時の約75%(2021年度販売実績ベース)に回復しております。引き続き、お待ちいただいているお客様にできるだけ早く車両をお届けするため、一部車種の型式再指定に向けた準備を進めてまいります。また、燃費性能に問題があった日本市場向けエンジンについては、お客様ごとの補償対象車両および補償額の説明を今夏より開始する予定です。

 この厳しい経営状況の改善を喫緊の最優先課題とし、製品供給の再開などすべてのステークホルダーの皆様のご迷惑の解消と「3つの改革」による再発防止に最優先で取り組んでまいります。

<経営基盤の再構築>

 当社のエンジン認証不正問題は、現場における数値目標やスケジュール厳守へのプレッシャーに経営が寄り添えず、法令順守や健全な企業風土の醸成が疎かになってしまったことが原因であると認識しております。

 当社において二度とこのような不正を繰り返さないため、「3つの改革」の取り組みを経営層の率先垂範の下、全社一丸で進めてまいります。

 まず「HINOウェイ」を全ての判断・行動の礎とするため、経営層と従業員の対話会などの双方向コミュニケーションを通じて「HINOウェイ」に込めた想いを共有、「HINOウェイ」を軸にした会社方針、人事制度改革により全従業員への浸透を図ってまいります。

 また、「人財尊重」を中心に据えた組織風土改革として、キャリアデザインと連動したローテーション施策の運用強化など、従業員の主体性と能力を引き出す人づくりや、みんなでお客様に向き合い協力し合う文化を築いてまいります。ガバナンスについては、「3線体制」による内部統制機能の強化、外部機関による実効性評価を踏まえた内部監査機能の強化に取り組んでまいります。

 そして、新しい「日野のクルマづくり」として、あるべきプロセスを正しく運用するため、外部監査を伴う品質マネジメントシステムを導入するなど構造改革を進めてまいります。

 新たな日野自動車に生まれ変わるべく、全ての企業活動の源である「人の成長」にフォーカスし「会社の成長」はその結果であると考え、経営基盤を立て直してまいります。

<お客様・社会への価値提供>

 当社の目指す価値提供として、お客様が商用車に求める基本要望に立ち返り、お客様車両の稼働を止めないトータルサポートと、安全で壊れないクルマをご提供するための商品QDR(品質・耐久性・信頼性)を磨き上げ、「トータルサポート品質」と「商品品質」を掛け合わせた日野の「総合品質」でお客様のビジネスを徹底サポートしてまいります。

 今後は量の拡大よりも質の向上を重視し、共通化や統合によるお客様満足を最大化する適切な商品ラインナップへの見直しなど、なお一層お客様に寄り添い、より長くより深くつながることを目指してまいります。

 またその先には持続可能な社会への貢献として、カーボンニュートラル実現などの環境課題や深刻化する人流・物流課題の解決にも取り組んでまいります。環境課題では、お客様ごとの走行距離・積載量などに応じた多様な選択肢がある中で、電動車においてはお客様ごとの用途における使いやすさを考慮した電動車ならではの車両レイアウトを追求、充電マネージメントやインフラ導入支援などの普及促進に取り組んでまいります。また人流・物流の社会課題においては、車両の提供にとどまらず、物流業界全体の効率化などお客様・社会の課題解決を通じ社会に貢献してまいります。

 当社グループは、「人財尊重」の組織風土づくりとコンプライアンス・ファーストによる「正しい仕事」を徹底的に追求し続ける経営基盤の下、お客様や社会からの信頼を一日も早く回復し、日野の「総合品質」による価値提供を通じ、世界中のお客様と社会から必要とされる企業となるべく、不断の努力を続けてまいります。

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