日野自動車 【東証プライム:7205】「輸送用機器」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、基本理念として「人、そして物の移動を支え、豊かで住みよい世界と未来に貢献する」ことを会社の使命として掲げ、「世界のHINO」として広く社会から評価されるよう、事業活動を進めていきたいと考えております。
会社の使命を果たすため、当社グループの事業活動に対する取り組み方針を下記のとおり定めております。
1.世界の人々から信頼される商用車メーカーを目指し、グローバルな事業展開を行います。
2.技術の継承と革新を続け、お客様のお役に立つ商品やサービスを提供いたします。
3.変化を的確に捉え、社会との調和を図り、持続可能な発展を目指します。
4.社員の多様性を尊重し、活気あふれる企業風土をつくります。
(2)会社の環境及び対処すべき課題
<「目指す姿」の実現に向けた足元の正常化への取り組み>
企業としてあるべき正常な姿に戻るべく、全社の総力を結集して収益力の回復に努めてまいります。当社の「目指す姿」(注1)で掲げている商品品質とトータルサポート品質を掛合せた「総合品質」をより一層向上させ、お客様の事業をお支えし続けることが、当社の収益力を回復することにつながると考えております。
創業の原点に立ち返り、お客様・社会に必要とされる会社になるべく、認証不正問題公表以前の身の丈を超えた事業拡大を改め、お客様に貢献できていない事業および商品の再編を具体的な実行段階に移していきます。
また業務の生産性向上として、事務・技術系職場ではトヨタ自動車株式会社のノウハウも活用した「物と情報の見える化」を進め、徹底的なムダの排除に努めてまいります。
こうした選択と集中、生産性向上により創出したリソーセスを、原価低減活動に加え、「総合品質」の向上へ積極的に投入し、競争力の向上を図ります。
「総合品質」におけるトータルサポートでは「お客様の稼働を止めない」を目指し、「壊れる前に直す・壊れたらすぐに直す」取り組みを拡充してまいります。例としてICTサービス「HINO-CONNECT」のコネクティッド技術を活用した予防整備(注2)のご提案やお客様の困りごとに直ぐに対応するための24時間緊急サポート体制(注3)の構築など、お客様サポートの質を高めてまいります。このような取り組みを通じ、お客様のビジネスの発展に貢献する中で、「総合品質」の価値を認めていただけるお客様を増やし、より深く・より長く繋がり続け、当社も持続的に成長してまいります。
またお客様へお届けするリードタイムの短縮による流通在庫のリーン化、聖域を設けない固定費の徹底的なスリム化、保有資産の有効活用・売却などの取り組みを行い、財務基盤を立て直してまいります。
(注1)日野の「目指す姿」 2023年4月26日公表
(注2)(注3)日本における取り組み
<サステナブルな社会への貢献に向けた取り組みを継続>
当社はサステナブルな社会への貢献を目指したマテリアリティを新たに設定、カーボンニュートラルへの対応やお客様・社会の課題解決への取り組みを継続してまいります。
日本における物流の2024年問題など、社会課題への取り組みは待ったなしの状況です。当社は荷主として自社における荷待ち・荷役の効率化・時間短縮に取り組むだけでなく、当社子会社であるNext Logistics Japan株式会社ではダブル連結トラックによる物流の省人化・効率化に業種・業態を越えた荷主や物流事業者の皆様とともに取り組んでいます。
カーボンニュートラル実現に向けては、市場投入した小型BEVトラック「日野デュトロ Z EV」の稼働を最大化するエネルギーマネジメントプラットフォーム「エモプラっと」(注4)を子会社の株式会社CUBE-LINXにてご提供するなど、電動車の普及促進に取り組んでおります。
一方で当社一社だけで実現できることには限りがあり、志を同じくする仲間との協業が必要になります。2023年5月、当社は「移動を通じて豊かな社会に持続的に貢献する」ことを目指したトヨタ自動車株式会社、ダイムラートラック社、三菱ふそうトラック・バス株式会社との4社協業、三菱ふそうトラック・バス株式会社との経営統合を発表、現在協業に向けた協議を推進しています。
これらの取り組みを継続し、サステナブルな社会の実現に向けて一歩一歩進んでまいります。
(注4)充電設備の選定・設置からシステム導入・運用まで一貫してサポートするサービス
当社および当社グループは、トヨタグループの一員としてトヨタグループビジョン「次の道を発明しよう」を道標として、「HINOウェイ」を礎に「人財尊重」の組織風土づくりとコンプライアンス・ファーストによる「正しい仕事」を徹底的に追求し続ける経営基盤の下、お客様や社会からの信頼を一日も早く回復し、日野の「総合品質」による価値提供を通じ、世界中のお客様と社会から必要とされる企業になるべく、不断の努力を続けてまいります。
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