日本電設工業 【東証プライム:1950】「建設業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「お客様本位の精神で安全・確実な業務の遂行により顧客の信頼を高め、人々の生活や経済を支える社会的に重要なインフラの創造をとおして社会に貢献する」という企業理念のもと、設備工事の設計・施工・保守を行う企業として、品質の高い設備づくりを目指し企業努力を重ねていく。
また、「安全は会社経営上の最重要課題」として、安全・安定輸送の重要性が高まる鉄道の電気設備や一般電気設備及び情報通信設備などの社会インフラの構築や維持に対して一層寄与できる企業体制づくりを推進し、大きく変化する社会環境の中で変革に挑戦し、持続的成長を目指していく。
当社グループは、経営の透明性を確保しつつ、働き方改革と個々の取り組みをとおして経営基盤を強化し、人間中心企業として「人間力の向上」と「本物志向の実践」により企業価値の向上を図ることで、株主及び取引先等の皆様の期待にお応えできる企業へと成長していく。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、持続的成長を目指し、2025年3月期は連結売上高2,051億円、連結営業利益146億円を目標としている。
(3) 中長期的な会社の経営戦略と会社の対処すべき課題
今後の国内経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。一方、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが国内経済を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意が必要な状況が続くものと思われる。
当建設業界においては、公共投資は補正予算の効果もあって底堅く推移していくことが見込まれており、民間設備投資は堅調な企業収益等を背景に持ち直し傾向が続くことが期待される。
当社グループを取り巻く経営環境は、各鉄道会社の旅客収入の回復に伴い設備投資の増加が見込まれることや都市圏の再開発、既設インフラの老朽化対策の計画が進んでいることなどにより緩やかに回復していくものと考えている。
このような状況の中で、当社グループは各工事部門で次の取り組みを行っていく。
鉄道電気工事部門については、安全・安定輸送に寄与するための安全レベルの向上及び施工体制の整備を推進し、最大の得意先である東日本旅客鉄道株式会社をはじめJR各社からの受注の確保に努めていく。また、公営鉄道、民営鉄道及びモノレール等にも積極的な営業活動を展開することにより受注拡大を目指していく。
一般電気工事部門については、大型再開発工事等への営業を推進するとともにデータセンターなどの投資が拡大する分野に営業展開を図り、受注の確保に努めていく。また、脱炭素社会の実現に向けた取り組みとして、ZEBで培った技術力などをもとに、付加価値を高めた提案営業により環境エネルギー分野の受注拡大を目指していく。
情報通信工事部門については、ネットワークインフラ構築工事、通信事業者各社の基地局建設工事等を受注するため全社的な連携のもと積極的な営業を図り、受注の確保に努めていく。また、インフラシェア事業については、企画・施工・保守までの一貫した質の高いサービスを展開することにより受注拡大を目指していく。
当社グループは、このようにグループを挙げて営業活動を展開して受注の確保に全力を傾注し、安全と品質の確保に努め、コスト競争力の強化、新規事業の開発及び人材育成を推進し、業績の向上に鋭意努力する所存である。
なお、当社グループは、2025年3月期以降3年間の中期経営計画である「日本電設3ヶ年経営計画2024」を策定した。この新しい経営計画は、2032年3月期(第90期)にありたい姿の実現に向けた足掛かりと位置付け、得意分野を伸ばしつつ、新しい分野への挑戦を通じて新たな価値を創出し飛躍していく意気込みをこめて、副題として「飛躍への挑戦」を掲げている。
当社グループは、この経営計画における次の5つの重点実施テーマに基づく諸施策を進めることにより、持続的成長を目指していく。
① 安全・品質レベルの向上とガバナンスの徹底
お客様・工事従事者の安全確保と質の高い成果物の提供とともに、リスク管理体制の強化、法令や社会規範の順守により、お客様や社会からの信頼を高めていく。
② 新たな挑戦への風土づくりと価値創出
「挑戦」を根底に既成概念を打破する広い視野と思考で、自ら考え・行動する風土の醸成と仕組みづくりを推進し、新たな価値を創出していく。
③ 人材確保と施工体制の強化
人材確保を重点に進めるとともに、社員一人ひとりが様々な経験をとおして成長を実感できる施策を推進していく。また、共に働く協力会社への人材確保・育成の支援などを推進し、『チームNDK』の実行力強化を図っていく。
④ エンゲージメントと生産性の向上
多様な人材が活き活きと働けるように、社員間の交流や組織の活性化の推進と働きやすい環境や制度の整備を行い、エンゲージメントと生産性の向上につなげていく。
⑤ 環境・社会への貢献
工事や事業活動をとおした環境負荷低減への貢献や地域社会活動への取り組みを推進し、共にその価値観を共有していく。
なお、「日本電設3ヶ年経営計画2024」の最終年度である2027年3月期の数値目標は、連結売上高2,215億円、連結営業利益153億円としている。
「日本電設3ヶ年経営計画2024」の数値目標(連結)は、次のとおりである。
| (参考) 2024年3月期 第82期実績 |
2025年3月期 第83期目標
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2026年3月期 第84期目標
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2027年3月期 第85期目標
|
売上高(億円) | 1,940 | 2,051 | 2,107 | 2,215 |
営業利益(億円) | 134 | 146 | 138 | 153 |
営業利益率(%) | 6.9 | 7.2 | 6.6 | 6.9 |
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