日本電波工業 【東証プライム:6779】「電気機器」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、創業理念「お客様への奉仕を通じて、社会の繁栄、世界の平和に貢献する」ことをミッションとし、豊かで平和な社会を実現するために不可欠な周波数の制御と選択、検出に関連する製品の専業メーカーとして、業界をリードする高信頼性商品を開発、製造、販売することにより、お客様に喜んでいただくことを経営の基本としております。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
当連結会計年度は、2022年度(2023年3月期)から2024年度(2025年3月期)までの中期経営計画の2年目にあたる年となりました。進捗状況は以下のとおりです。
① 中期経営計画(最重要施策)
・ 車載及び5G関連事業向け売上高の拡大及び高収益体質の維持・強化
・ 成長戦略実現に向けた積極的な投資戦略
・ 資本効率性向上及び財務体質健全化に向けた財務戦略
主として以下の経営環境の変化を受け、計画最終年度となる2025年3月期に計画しておりました売上高580億円、営業利益率11%、ROIC10%の達成は厳しくなりました。
・移動体通信向け:想定していた市場規模が中華系スマホメーカーの生産調整などにより計画以上に縮小
・産業機器向け:5G通信網における投資低迷
また、生産性向上を目的としたインフラや人材、DXへの先行投資をより積極的に実施する計画であり、想定以上に費用が増加する見通しとなりました。なお、3年間累計の設備投資額は中期経営計画で想定しておりました115億円を上回る見通しです。一方、利益を積み上げ、有利子負債を計画どおりに圧縮したことにより、財務健全化の指標として掲げていた自己資本比率40%は2024年3月期で達成いたしました。
② Vision2030
Vision2030では、当グループのビジョンを「周波数でデジタル社会の未来を創る」と定め、今後も精度の高い安定した周波数を生み出すデバイスを提供する会社であり続けることを明確にいたしました。また、「社会価値」「経済価値」「人材価値」という3つの価値をバランス良く追求することを掲げました。「社会価値」では2050年カーボンニュートラルに向けた取り組みを進めると同時に「経済価値」として掲げた2030年の数値目標(売上高1,000億円、営業利益率20%)を目指します。また、「社会価値」と「経済価値」の実現には、人材の育成が不可欠であることから「人材価値」を追求してまいります。
なお、2030年の数値目標(売上高1,000億円、営業利益率20%)を実現するための主な課題は以下のとおりと考えております。
イ.中国の車載新興メーカーへの販売の強化
車載向けに求められる品質面での当社製品の優位性を訴求
ロ.フォトリソ加工技術を利用した製品の販売拡大
高周波化・小型化ニーズが進む5Gスマートフォン向けで当社技術の優位性を活かす
ハ.産業機器やボリュームゾーンを含む民生領域におけるビジネス拡大
ニ.新規領域の探索と開拓(ポスト5G、宇宙、医療等)
ホ.売上高が増えても固定費の増大を抑制する体制の構築
DXの積極的な活用や既存生産ラインの高速ライン化などによる生産性向上
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