日本情報クリエイト 【東証グロース:4054】「情報・通信業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の中期ビジョン・経営の基本方針
①中期ビジョン
「テクノロジーで不動産領域に革新的プラットフォームを創造する」を中期ビジョンとして掲げ、不動産領域で真の価値を創造し、当社グループに関わる全ての人の幸福実現を目指しております。
②経営の基本方針
イ.不動産業務支援サービスをワンストップで提供する。
ロ.自社開発からアフターサポートまでの一貫したサービスを提供する。
ハ.付加価値の高い商品を開発・提供する。
ニ.お客様と真摯に向き合う営業、サポートを行う。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループが掲げる中期ビジョン「テクノロジーで不動産領域に革新的プラットフォームを創造する」の達成に向けて、2024年6月期通期決算発表と同時に、中期経営計画である「新中期経営計画(FY2025-FY2027)」を発表しております仲介ソリューションと管理ソリューション共に成長を掲げるなかで、特に仲介ソリューションの成長を推進し、シェアを拡大することを明記しております。
※詳細は当社IRサイトで公開している「2024年6月期 通期決算及び新中期経営計画(FY2025-FY2027)について」(2024年8月6日)にてご確認いただけます。
①業績成長計画(FY2025-FY2027)
3カ年の業績成長計画では、売上高の高い成長に加え、利益面でも高い増益率となるよう計画をしております。まず、成長のベースとなるのは、ストック売上の比率であり、2024年6月期時点で全体売上の約73%がストック売上となっております。解約率が低いことから、このストック売上の比率は毎年高まっており、「新中期経営計画(FY2025-FY2027)」の最終年度には約86%まで上昇させることを想定しております。
②ソリューション別成長テーマ
「新中期経営計画(FY2025-FY2027)」において、仲介ソリューションでは「シェア拡大」、管理ソリューションでは「シェア拡大及び深化」のテーマを掲げております。
仲介ソリューションにおいては、今年の秋にリリースされる業者間物件流通サービス「不動産BB」と「リアプロ」の統合版となる「リアプロBB」を中心として、仲介サービスのシェア拡大を図ってまいります。具体的には業者間物件流通サービスによって築いた全国約5万事業者の不動産仲介事業者に、空室データを活かした集客・成約の支援となるクラウドサービスを拡販してまいります。
管理ソリューションにおいては、業界内でシェアの高い「賃貸革命」をベースに、新規顧客を開拓しつつ、既存顧客へのアップセル・クロスセルに注力してまいります。具体的には「賃貸革命」ユーザーの稼働率を高め、顧客の成長状況に応じて適切なオプションの提案を推進してまいります。
データベースを活かした新規事業の推進に向けては、当社が持つ商品ラインナップ・不動産データを活かした領域での事業拡大を検討しております。当社が持つ不動産データは一般的な募集データではなく、不動産管理会社が持つリアルなデータです。これらのデータを活用したサービスとして、賃貸住宅の賃料および空室率に関する指標(インデックス)「CRIX」の販売を開始しております。不動産市況の分析にご活用いただける内容であり、すでに、アマゾン ウェブ サービス上でサードパーティーデータを簡単に検索し利用できるサービス「AWS Data Exchange」を通じて有償でのデータ提供を開始しております。また、AIの活用も進んでおり、2023年8月にリリースした「空室対策ロボ」では、不動産データを活用したAI査定機能も搭載しております。
③顧客の細分化とエリア戦略の推進
営業施策としては、顧客の細分化、エリア戦略、一気通貫の商品ラインナップで顧客の囲い込みを推進してまいります。本戦略は全国30拠点、現地コンサルティングの効率的な活動に向けて、営業モデルの開発、顧客セグメントの切り分け、エリア戦略等を推進するものであります。また、インサイドセールス・カスタマーサクセスチームを活用した効率的な反響獲得、顧客支援も強化しており、顧客獲得に向けた盤石な体制を築いております。さらなるシェア拡大に向けて、引き続き体制を強化してまいります。
市場環境として、現在の不動産業界の労働生産性は他の業界に比して低く、その格差は広がりつつあります。したがいまして不動産テック業界自体は拡大傾向にあり、不動産事業者によるIT投資市場は今後飛躍的な拡大が見込まれます。更に、以下外部環境の変化によって不動産業界のDX化は加速していくことが予想されます。
・デジタル改革関連法案成立によりDX化が加速
・不動産業界における就労者の高齢化と慢性的な人材不足
・賃貸住宅管理業適正化法による賃貸管理業務支援市場の活性化
・宅建業者の新規開業は毎年6,000社以上(デジタルネイティブ世代の開業)
今後も、不動産業者と関連性の高い、入居者・オーナー向けサービスの強化や、空室対策におけるサービスの強化、修繕領域でのソリューション、BPOサービスの提供など、当社がこれまで積上げてきた強みを活かして不動産業界のDX化を推進してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
高品質なサービスを安定的に提供していくためには、健全な財務基盤の維持が重要であると考えており、売上高の対前年増加額、収益性については経常利益の対前年増加額を重要指標としております。
(4)経営環境
当社における経営環境については、「第2 事業の状況4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」の記載をご参照ください。
(5)対処すべき課題
当連結会計年度も、当社の強みである一気通貫の業務支援クラウドサービスを顧客に提供し、不動産業界全体のDX化を推進してまいりました。このような中、当社が対処すべき主な課題は、以下のとおりであります。
① 業者間物件流通サービスによるスピーディな顧客基盤の拡大
当社の成長を加速するためには、業者間物件流通サービスの利用者数を増やし、顧客基盤を拡大させていくことが重要であると認識しております。当社の業者間物件流通サービスは「不動産BB」とM&Aによってラインナップに加わった「リアプロ」の2つのサービスがあり、サービス統合に向けて現在開発中であります。今年秋にリリースを予定しており、サービスの統合をキーに一弾の成長を図ってまいる所存であります。
② 営業戦略の推進と生産性向上
当社グループの成長戦略の一つである全国30拠点、地域密着型のコンサルタントを活かしたマーケットシェア拡大を実現するためには、エリアや顧客のセグメントに合わせた営業施策および、既存の営業社員のさらなる戦力強化が重要であると認識しております。また、生産性向上に向けては、インサイドセールス・カスタマーサクセスを活用した顧客からの反響対応の改善や、営業部門全体での蓄積されたナレッジの共有等を行い、改善を図ってまいります。
③ 既存事業の強化
新規顧客および既存顧客へのアップセル・クロスセルによる業績の拡大に向けては、既存事業である仲介ソリューション、管理ソリューションの商品強化が重要であると認識しております。市場の変化、法改正、顧客から得た情報を十分に活かし、商品のリニューアル、またはバージョンアップに向けて商品強化を推進してまいります。
④ AI・ビッグデータを活用した新規事業
当社グループは、AI・ビッグデータを活用し、新規事業の強化を進めていくことが重要であると認識しております。当社グループが持つ膨大な物件情報・入居者属性のデータは、不動産市場における消費者の行動分析や購買分析、投資家に向けた資産価値の評価など、分析手法によって多数のアプローチが可能な内容になっております。すでに賃貸住宅の賃料および空室率に関する指標(インデックス)「CRIX」の販売やAI査定を搭載した「空室対策ロボ」でのデータ活用を開始しております。不動産業界への新たなソリューション提供および不動産業界DX化の加速実現に向けて、当社グループでは引き続き研究開発等、活動を推進してまいります。
⑤ 市場拡大・新規開業企業への対応
国土交通省の報告によれば、宅建業者数は微増で推移しており、法人業者数は増加傾向にあります。また、毎年6,000社以上の事業者が新規開業を行っており、その度に設備投資による商談の機会が創出されております。不動産事業へのソリューションを提供する当社としては、新規開業事業者に向けて、販売の強化を行っていくことが重要であると認識しております。営業拠点からの活動だけでなく、Webマーケティングによるプロモーション活動やカスタマーサクセス部隊による活動等、様々な角度から販売を強化し、課題解決に向けて取り組んでまいります。
(出典:不動産適正取引推進機構 令和4年度末 宅建業者と宅地建物取引士の統計について 「宅地建物取引業者数の推移」)
- 検索
- 業種別業績ランキング