企業兼大株主日本化学産業東証スタンダード:4094】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当連結会計年度の研究開発活動は、顧客に信頼され、満足していただける製品開発に加え、薬品事業は、近年強く求められております地球環境に配慮した製品及び需要の伸びが期待できる二次電池をはじめとするIT関連の製品の開発に、建材事業は、住宅関連を中心に安全で利便性の良い製品の開発に鋭意取り組んでまいりました。なお、セグメント別の研究開発活動は次のとおりです。

(薬品事業)
 半導体市場にけん引された株高やTSMCの進出等、国内経済に明るい兆しが見えつつも、経済安全保障問題や世界的なインフレ等問題も山積しており、不透明な状況が継続しております。このような状況下でも持続的成長を確保すべく当社では研究開発活動に邁進しております。薬品各部門を統括した薬品統括本部の新設に伴い、開発案件の事業化効率が改善され、その効果が徐々に顕れつつあります。
 当社では新規電池やリサイクル、環境負荷低減技術等、環境やカーボンニュートラル関連の技術開発に特に注力しております。化成品事業分野では顧客ニーズにきめ細かく対応した製品開発を重視する一方で、将来的試みとして水素関連材料や二酸化炭素吸着材料、機能性材料等の検討を進めております。顧客との共同開発による次期光学部品向け新規金属石鹸は開発が終了し、供給を開始しております。また、産学連携を経て開発したナノ連珠セラミックスは燃料電池や水電解といった水素市場からも高く評価されており、量産化に向けた検討を進めております。二酸化炭素吸着材として注目されているMOFの開発にも着手しており、パイロット段階に移行しつつあります。
 表面処理事業分野では競争力の高いスルファミン酸ニッケルや酸化銅DCの拡販と技術支援の展開を進める一方で、独自性の高い選択エッチング、機能性めっき技術の用途開発を推進しております。新たに開発したPFASフリー複合めっきは欧米を中心に注目されているPFAS汚染問題を意識した製品で、業界初のPFAS完全フリー複合めっきです。コスト低減効果も大きく、広く世の中に普及することが期待されます。
 リチウムイオン二次電池事業はEV化トレンドをビジネスチャンスと捉え、主力である受託加工の安定生産や増産に努めるとともに、次世代正極材や正極材原料の顧客との共同開発を進めております。また、顕在化しつつある電池廃材増加や電池原料不足に対し、リサイクル事業への参入を最重要テーマとして捉え、日本国内のみならず世界中の関係企業と連携を図りながら強力に推進しております。
 (建材事業)

主力製品である「防火通気見切り縁BMシリーズ」は、拡販に向け建築物における設置条件の対応度を高めた新たな準耐火認定取得をいたしました。その他にも建材、工作機械等向け熱交換器の新製品開発では、お客様の用途に合わせた提案を行い、当社が得意とする曲げ、プレスによる成形技術を利用して製品化に向け取り組んでおります。これら研究開発活動では設計ツールとして3DCAD、シミュレーションソフト及び3Dプリンタを活用し、試作・性能検証等の効率化及び設計技術・提案力の強化を推進しております。

 なお、当連結会計年度の研究開発費は、上記の各チームの活動費を含め453百万円(薬品事業381百万円、建材事業72百万円)であります。

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