日本冶金工業 【東証プライム:5480】「鉄鋼」 へ投稿
企業概要
当社の研究開発部門の主な業務は、中期経営計画2023の基本戦略である
①高度化する市場ニーズを追求し新たな価値を生み出す産業素材の開発・提供
②技術の優位性を高め市場環境の変化に対応する効率的な生産体制の構築
を実現するため、プロセス技術開発、新製品開発、顧客への技術支援、及び環境技術の開発を行っております。グループ全体の研究開発も担っており、各社と協力し開発を進めおります。例えば、当社グループ会社のナストーア(株)とは、独自設計した中規模実験設備を活用し高機能材の高効率溶接技術の開発を共同で実施し、対象となる鋼・合金の溶接条件を確立しました。今後、販売を想定した管長でのテストを実施してまいります。
新製品開発では、ソリューション営業部と連携する他、当社グループ会社のナス鋼帯(株)とも連携し、今後一層その重要性を増してくると見られるエネルギー・環境・化学分野に多用される高耐食材、高耐熱材、高強度材、電子材の開発に注力しております。
市場開拓の一環である顧客への技術支援として、当社製品の耐食性、溶接性等に加え、水素環境に関するデータベースの拡充を図り顧客ニーズへの対応力強化を図っております。
当連結会計年度における技術開発の主な成果は以下のとおりであります。
1.高機能材の製造可能範囲拡大
高機能材と呼んでいる高ニッケル耐食合金、耐熱合金は高温強度が高く、熱間圧延が非常に難しい合金です。2022年にNAS625(UNS N06625)で厚さ50mmの極厚プレートの製品化に成功しておりましたが、板厚が薄くなると圧延の難度は各段に高まります。中国合弁会社を活用し、当社がこれまで培ってきたノウハウを投入することで、より板厚の薄い厚さ15mm、幅3100mmの超広幅プレートを商品化、オイル・ガス分野向けに50㌧を越える販売を行いました。今後も継続した需要を見込んでおります。
2.カーボンレスニッケル製錬技術への挑戦
大江山製造所では、ニッケル鉱石やリサイクル原料を製錬しフェロニッケルを製造しております。カーボンニュートラルの観点から、還元反応に使う石炭の削減、最終的には石炭を使わない新しいプロセスを目指しています。大江山製造所と共同で実施している大規模実験の結果からLNGへの燃料転換、設備投資を決定しました。廃プラスチックなどリサイクル品での石炭代替についても実験室、大規模実験の両方で検討を進めております。
研究開発活動には、全体で38名のスタッフが携わっており、これは総従業員の約2%にあたります。また、当連結会計年度における研究開発費は977百万円であります。
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