日本フイルコン 【東証スタンダード:5942】「金属製品」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループの企業理念である、「夢を持ち一生懸命を楽しもう」、「総力で一歩先行くものづくり」、「感謝と誠意をかたちで社会へ」を基本に置き、行動指針や行動規範のもと、グループをあげて事業活動に邁進し、適正な収益を確保しつつ、株主・投資家、顧客や取引先、従業員、地域社会等のあらゆるステークホルダーの皆様に対して、企業としての社会的責任を全うできるよう努力を継続してまいります。
また、社会から信任される企業たることを目指し、内部統制システムの効果的・効率的運用に引き続き務め、コーポレート・ガバナンスのさらなる強化、コンプライアンスの徹底、リスク管理体制の充実、環境活動への積極的取り組み等を継続してまいる方針であります。
(2)事業ポートフォリオに関する基本的な方針
当社グループは、産業用機能フィルター・コンベア事業、電子部材・フォトマスク事業、環境・水処理関連事業、不動産賃貸事業と、多方面で事業を展開しております。当社グループでは、「グループ長期ビジョンと整合性ある事業」、「自社としてガバナンスできる事業」、「特定の領域でリーダーの地位を得られる事業」、「中長期的に資本コストを上回るリターンを継続できる事業」という観点から原則として中期経営計画策定時に事業ポートフォリオの見直しを実施いたします。
(3)グループ長期ビジョン、経営重点課題(対処すべき課題)
当社グループは2023年度~2025年度中期経営計画において策定したとおり、以下の長期ビジョンのもと経営重点課題に取り組んでまいります。
グループ長期ビジョン
「100年超え企業として、次の100年も社会が必要とする製品・サービスを生み出し続ける企業集団」
経営重点課題
長期ビジョンの達成に向け、次期中期経営計画の期間で取り組むべき課題(対処すべき課題)は以下のとおりであります。
①収益力の回復
厳しい経営環境下でも事業を成長させるべく、時代のニーズに即した環境配慮型製品の開発やM&Aなどに積極的に取り組んでまいります。また、AI・RPAツールの活用による業務効率化・自動化を推進してまいります。
②ESG経営への取組と積極的な開示
当社のサステナビリティ方針の策定や、マテリアリティの特定を通じて価値創造ストーリーの構築を目指し、その内容を統合報告書などの媒体で開示することに取り組んでまいります。
③個人の自律意識の向上
組織および個人が自らの使命・役割を認識し、今何をすべきか、将来に向かって何をすべきかを自ら考え、行動することでその責任を果たしてまいります。そのために教育プログラム拡充など人的投資にも注力いたします。
また、東京証券取引所からの「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請を受け、当社は現状PBRが過去5年間0.4~0.6倍の間で推移している現状を認識し、その改善に向けて以下の取り組みに注力してまいります。
(1)収益力の回復
各事業にて以下の取り組みを行うことにより収益力の回復を図ります。
また、社内での業績管理において事業ごとの資本収益性を分析しております。今後、収益性向上のための取り組みを検討し、実践してまいります。
産業用機能フィルター・コンベア事業
製紙製品分野は今後も需要増加が期待できる海外市場の開拓に注力してまいります。とりわけ近年研究開発に取り組んできた不織布用製品の拡販に注力いたします。国内市場につきましては、得意先の電力使用量削減に寄与する駆動負荷低減網など、ニーズに合った製品の開発を加速させ、シェアを伸ばしてまいります。
その他産業用機能フィルター・コンベア分野は多様な業界向けの製品を揃えており、特定の市場環境の変化による影響を受け難く、安定した収益を獲得できる構造であり、今後もニーズを捉え着実に成長してまいります。
電子部材・フォトマスク事業
エッチング加工製品分野は競合が多く価格競争が激しい状況のなか、収益性に課題がございます。得意先からのニーズである試作認定品の短納期対応とタイムリーな量産化体制の整備のために、数年前から積極的に設備投資を実施しており、従来対応できなかった得意先からの依頼に応えられる体制を構築してまいりました。今後は受注獲得に邁進してまいります。
フォトマスク製品分野は、現在得意先からの需要が旺盛な高周波デバイス、各種センサー、パワー半導体向けフォトマスクの販売活動を強化してまいります。老朽化設備の更新を実施しており、減価償却費負担がこの先数年間発生する見込みでありますが、着実に成長してまいります。
環境・水処理関連事業
プール製品につきまして、現在シェアトップの会社が事業撤退を表明しており(2024年3月末をもって営業活動を停止し、2027年までに最終工事完了)、当社グループのシェア・業績を大きく伸ばすことに期待できる状況です。
そのためには当社グループにて人員増強と協力会社を含めた生産体制の強化が必要であり、早急に着手してまいります。
不動産賃貸事業
不動産賃貸事業は、当社の工場や社宅の跡地の有効活用を目的として運営しております。都心部に複数の物件を有し、商業施設やマンションなどとして賃貸しております。物件の老朽化対策としての大規模修繕を計画的に実施し、賃料維持に努めてまいります。
(2)資本政策の再検討と株主還元強化
当社は、2023年度~2025年度中期経営計画の期間につきまして、連結配当性向30%以上かつ総還元性向3年平均 50%以上を目安に株主還元を強化しております。
当社では、資本収益性を高めるという観点から、自己資本比率の水準を中長期的には45~55%とすることが望ましいと考えており、この範囲内で収益力向上に資する設備投資とのバランスを見ながらも積極的に株主還元するために、配当の最低水準をDOE2.4%以上といたします。
この水準は、中長期的に目指すROE8%と配当性向30%以上という両指標から算出したものであります。
(3)IR活動の充実
今後、統合報告書の作成やホームページのサステナビリティ活動の内容更新など、IR関連情報の発信に積極的に取り組んでまいります。
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