企業兼大株主日本ビジネスシステムズ東証スタンダード:5036】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社は、「優れたテクノロジーを、親しみやすく」をMission(企業理念)とし、またVision(目指す姿)として「社会のデジタル変革をリードするNo.1クラウドインテグレーター」を掲げているほか、5つのValue(行動指針)を定めております。


Mission(企業理念)

「優れたテクノロジーを、親しみやすく」

 世の中は技術革新によって目まぐるしい進歩を続けます。

 企業・社会が持続的な成長を為すには、先進技術をいち早く取り入れる必要がある一方、

 正しい使い方を見極めて徹底活用しなければ望んだ成果は得られません。

 私たちJBS(当社、「日本ビジネスシステムズ㈱」を指します)は、お客さまに寄り添い、お客さまにとって必要な技術を最適な形で届け続けることで、

 技術革新がもたらす企業・社会の持続的成長に貢献してまいります。
 

Vision(目指す姿)

「社会のデジタル変革をリードするNo.1クラウドインテグレーター」

 働き方の変化やダイバーシティ等の加速により、世界中の社会・経済の在り方が大きく変わろうとしています。

 すべてのプレイヤーが社会課題の解決に必要なビジネスモデルの確立や構造改革に取り組むべき時代です。

 このチャレンジをスピーディに遂行するためには、お客さま自身がテクノロジーを理解し、自らデジタル変革

 を起こしていく必要があります。

 私たちJBSはクラウド活用のプロフェッショナル集団です。

 お客さま自身のクラウド活用力を高めデジタル変革を起こす体制・仕組み作りに貢献できる存在として、一番にお声がけいただけるパートナーを目指してまいります。

Value(行動指針)

Customer First「お客さまの期待を超える」

 お客さまの視点に立ち、主体性を持ってスピーディに行動することで、

 お客さまの成功につながる最良の解決策を提供します。

Diversity & Inclusion「一人ひとりの個性を大切に」

 お客さま、ビジネスパートナー、社員・家族など、関わるすべての人々の個性を尊重します。

Integrity「誠実かつ、ひたむきに」

 信頼関係を築くことを大切にし、あらゆる活動に真摯に向き合います。

Passion for Technology「情熱を持ってテクノロジーを追求」

 テクノロジーに触れたときの感動を忘れずに、 無限の可能性を追い続けます。

Commitment to Growth「挑戦と成長」

 常に挑戦し、学び、成長し続けます。

(2)経営戦略

 企業のDXシフトを背景に、クラウド需要が引き続き堅調に拡大していく中、当社グループは引き続きマイクロソフトクラウドを中核に足元の成長スピードを維持しながら、クラウド領域における付加価値化を図っていきます。

 クラウドインテグレーション事業においては需要の増えているクラウドセキュリティやアプリケーション開発領域での収益力強化、クラウドサービス事業においては常駐型の保守運用からマネージドサービスへの転換を進めてまいります。また、ライセンス&プロダクツ事業においてはAzure Expert MSP認定の維持によるマイクロソフトライセンスの仕入れ額の改善やソリューションに紐づく物販促進により利益改善を図ります。

   ① ID×APRUによるクラウド促進を継続

 当社グループは、M365のID数を増加させるとともに、顧客一人当たりの単価であるクラウドARPU(Average Revenue Per User)の拡大が、基本戦略となっております。

ID数の増加においては、企業のクラウド導入の入り口となるM365ライセンス契約をエンタープライズ中心にさらにシェアを高めていきます。

ARPU拡大においては、クラウド導入の入り口であるモダンワークプレイスの領域で、堅調に拡大するM365需要を獲得し、その後、クラウドセキュリティやM365とつながる各種システムデータの連携により、オフィスワーク環境のData&AI領域へと広げていく方針です。また、当社の独自ソリューションブランドであるJBS Cloud Suiteにより、クラウドインフラにおけるAzureへのLift&Shift(注)需要への対応、内製化支援とアプリケーション開発に必要なインフラ構築といった、クラウドの導入計画から保守運用までをワンストップでの支援が実現でき、導入、運用保守、さらなる導入といったサイクルを連動させ、ARPUを拡大していきます。

(注)Lift&Shiftとは、既存のオンプレミスシステムをそのままクラウド環境へ持ち込み(Lift)、その後、クラウドへ持ち込んだ業務システムを徐々にクラウド環境に最適化していく(Shift)という2つのステップを踏むことで、移行にかかる手間を最小限に抑えることができるクラウド移行の手法をいいます。

   ② 人材獲得・育成強化(人的資本経営)

 人材獲得においては、これまでと同様に、年間約200名の新卒採用を継続する一方で、中途採用についても、年間約100名の採用をしていく方針です。

 人材育成・強化においては、顧客ニーズの高い領域(セキュリティ、上流設計、アプリケーション開発等)のケイパビリティを引き続き強化していきます。セキュリティやAI等の技術者の獲得競争が厳しい領域においては、パートナー連携を積極的に行う中で、パートナー企業との技術連携を担うブリッジエンジニアの育成につなげていきます。

 また、クラウド時代に合ったリスキル、アップスキルを進めており、エンジニアのスキルポートフォリオを可視化・分析し、分析に基づいた戦略的な育成に取り組みます。上流設計やData&AIといった領域については、パートナー企業との積極的なアライアンスを通じてエンジニアの確保を進め、優れた技術や仕組みを取り入れることで、顧客への価値転換を優先に取り組んでいきます。合わせて、DE&I「Diversity(ダイバーシティ、多様性)」「Equity(エクイティ、公平性)」「Inclusion(インクルージョン、包括性)」においては、社員が互いの価値観を尊重し合う職場環境や、多様な人材が公平に活躍でき、最大限にパフォーマンスを発揮できる制度を構築することで、組織と人材の力を最大限に生かす企業風土を醸成し、価値創出につなげてまいります。

 上記の施策による社員増加に伴う社宅や新しいオフィスの整備など職場環境作りにも取り組んでおります。最新の設備や環境への配慮だけでなく、当社グループオフィスの特徴であるLucys CAFE & DININGのような顧客や社員同士が集まりコラボレーションできる施設を設けていくことで、自由で柔軟な働き方やプラットフォームづくりを整備しております。

   ③ 標準化×内製化支援

 世の中のシステム環境はクラウドによって変革期を迎えております。今日では、標準的な機能は自社で作るより、世界中のベストプラクティスを集約して日夜アップデートされるクラウドサービスをできる限りそのまま活用する方が最適な状況となってきております。当社グループは、それらの優れたテクノロジーを顧客向けに最適、かつ親しみやすい方法論・パッケージで届けています。当社の JBS Cloud Suite を通じて、顧客自身にベストプラクティスをベースとした方法論を理解してもらうことで、顧客自身がクラウドを最適に使うことができ、スピード感を持った導入と導入効果において価値を認めてもらえるよう取り組んでいきます。

   ④ 資本業務提携企業とのグループシナジーの創出

 当社グループは㈱三菱総合研究所及びその子会社である三菱総研DCS㈱から19.7%の出資を受けております。三菱総研グループ(㈱三菱総合研究所、その子会社及び関連会社を指します)内においてはマイクロソフト社のクラウド製品の実装に関わる案件での協業強化を模索しており、特に公共分野でのAzure採択の可能性において、同社グループと共同での顧客開拓を図っていきます。また、同グループが金融機関等との取引で培ったData&AIの知見などを生かした共同提案の強化を図っていきます。

 また、日本テレビ放送網㈱のIT戦略子会社であり、当社グループが20.2%出資している㈱日テレWandsに関しても戦略的提携を深めていきます。同社を通じて、インフラ領域でのクラウド内製化支援に加え、アプリケーション領域での新たなクラウドアプリケーション及びプラットフォーム事業の開発支援を行っていきます。本協業を強化していくとともに、メディア業界へのさらなる事業拡大を目指していきます。

⑤ 新事業へのチャレンジ

 既存ビジネスにとらわれることなく、新たな事業の創出によるさらなる成長を図ってまいります。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高及び営業利益であります。

 

2023年9月期実績

2024年9月期計画

2025年9月期計画

売上高

1,128億円

1,268億円

1,244億円

営業利益

41億円

51億円

89億円

 また、上記を達成するために、M365のID数、ARPU、ビジネスパートナー活用比率の向上を関連指標として設定
 し、達成状況を確認していく予定です。

(4)経営環境

 新型コロナウイルス感染症対策が緩和され、経済活動が正常化に向かう中、顧客においてはクラウドサービスへのノウハウ獲得やITベンダーに依存したシステム設計・開発の見直しといったニーズが引き続き増加しています。当社グループは国内外のクラウド製品に精通し豊富な導入・運用実績を持つだけでなく、世界中のクラウド活用ナレッジが集約されたCAFに準拠したコンサルティング、クラウドサービスライセンスの提供、導入・保守運用サポートの実装、それらを包括したマネージドサービスに早期から取り組んでおり、マルチベンダーとしてスピーディかつ最新のクラウド利活用をご提供できる体制を整えております。また、クラウドを活用して大きな経営効果を生み出した先行事例のベストプラクティスを集約した方法論を適用しながら、グローバル標準のクラウドマネージドサービスを提供できる実績・ノウハウを保有している企業として、当社は、2022年4月には、Microsoft Azureの最上位パートナープログラムであるAzure Expert MSP認定を取得しております。さらに、当社は、本資格を有するクラウドマネージドサービスプロバイダーとして、同認定で評価された当社の実績・ノウハウを集約した自社クラウドマネージドサービスであるJBS Cloud Suiteの提供を開始しました。本サービスは、クラウドを用いたDXデザインから導入・保守運用、利活用までの一貫した支援と、数多くあるクラウドサービスを購入から一元管理、コスト最適化までを実現する管理ツールで構成されており、当社のクラウドプロフェッショナル集団が顧客の経営環境に即した形でお届けするものです。

 また、2022年12月にはMicrosoft Azure、MR デバイス、動画配信及びアプリ開発など、当社が今後事業拡大を見据えている領域に強みを持つ、㈱ネクストスケープを子会社化し、さらなる体制強化を実施しました。今後も効率的かつ多様なソリューションを提供するクラウドマネージドサービスプロバイダーとしてさらなる成長を目指してまいります。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、顧客企業のオンプレミスからクラウドへの事業転換を加速し、クラウド市場成長に合わせた事業成長を実現し、上記の経営戦略を実現していくため、下記の事業上及び財務上の課題に対処してまいります。

① JBS Cloud Suiteの事業展開強化

 顧客当たりのARPUを拡大していくにあたっては、マネージドサービスによる顧客当たりのクラウド利用の拡大が重要であり、当社は、JBS Cloud Suite内におけるマネージドサービスの充実を図ることで、付加価値向上に努めてまいります。部門組織横断での本ブランド推進体制を整え、開発から販売までの一貫した体制により、推進を図ってまいります。

② 人材戦略の強化

 当社は、「徹底的に、社員ファースト」を人材戦略の礎に置き、社員の幸せや成長につながる人事制度、人材育成など、採用から一貫した人事バリューチェーンを構築、実行しております。

 採用においては、エンジニア不足が加速している環境下において、顧客ニーズの高い領域で活躍できる専門性の高い人材の採用・育成・定着に努めております。

 育成においては、豊富なプロジェクトによる業務経験を通じたOJT(On the Job Training)を中心に、当社独自の研修プログラムやEラーニング等に加え、マイクロソフト社をはじめとした各社のトレーニングプログラム等も有効活用しながら継続的な育成を図っております。

 エンゲージメントにおいては、定期的に実施しているエンゲージメント調査の結果を生かした組織作りを実施しております。これまでも注力してきた育成プログラムの充実、多様な労働環境の提供のほか、オンボーディング施策の拡充、及びキャリアカウンセリングルームの新設など、さまざまな施策を実行してまいります。DE&I推進においても、女性活躍の認定である「えるぼし」の3つ星取得や、男性育児休業の取得推進、LGBTQsの権利に対応したパートナーシップ規程を施行など、積極的な取り組みを実施しております。また、障がい者雇用の増員、仕事と介護を両立できる職場環境の整備促進に取り組み「トモニン」マークの活用など、DE&I推進に取り組んでおります。

 こういった取組や施策がエンゲージメント向上につながっていると考えており、2023年9月期における当社の離職率は5.9%となりました。今後も、社員が最大限に力を発揮でき、働きがいのある企業として、継続的に尽力してまいります。

   ③ 事業生産性の向上

 必要な人材の確保に努めるとともに、ビジネスパートナー活用拡大による生産性の向上に努めてまいります。JBS Cloud Suiteを始めとした標準化されたノウハウの蓄積により、コアパートナー制度(注)を用いて品質を担保しながらさらなるビジネスパートナーの活用促進を図ることで、生産性の向上につなげてまいります。また、営業活動や社内システムにおいても効率化、仕組み化を図り、より効率的な事業運営につなげてまいります。

   (注)コアパートナー制度とは、当社が扱うソリューション提供を支援できるスキルの高いパートナーと継続的な協業体制を構築し、エンジニアリソースの安定した確保につなげていく取り組みです。

④ 事業ポートフォリオの拡大

 変化の速いIT業界において継続的に事業拡大を図っていくためには、既存のビジネスのみにとらわれず、最新の業界動向をいち早く察知し、顧客への提供価値のある技術を取り込み、顧客に最適な形で提供することが求められております。当社グループは、パートナー企業との協業も深めながら、新たな事業の創出に努めてまいります。

⑤ 当社の流通株式比率及び企業価値の向上

 当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の観点から、経営戦略の着実な遂行やIR活動の促進・強化を図るとともに、必要に応じて当社株式を保有している取引先や主要株主へ一部売出しに向けて協議を進めるなど流動性の確保に努めてまいります。

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